構音訓練のタイミングと動きのイメージを使った訓練例①:小児の機能性構音障害の訓練(4) | 向き不向きより前向き♪言語聴覚士かあこから感謝をこめて

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ST(言語聴覚士)として病院・施設・学校などでリハビリや訓練に長年携わっています。出会わせていただいてきた方々への感謝の心をこめて、日々思う事・考える事などを綴っていきます。
どなたかの「今」にお役に立てることがひとつでもあれば幸いです。

前回の、
構音訓練をしていたら他の音まできれいになった!:小児の機能性構音障害の訓練(3)で、


訓練を開始したタイミングが、
このお子さんにとって
よかったのだと思います。

タイミングが良かったとは、どういうこと?


ということに関しては、
次回に書きます。

音を誘導する時に、
口の動きや音だけではなく、
身体全体の動きも使ったので、
それもいくつかご紹介してみますね。


と、書きました。



今回は、「タイミング」についてです。


のびのびとお話し出来る環境で、
発音を気にすることなく過ごしてきましたが、
ここにきて、

「あれ?違う?」と、本人が気づきだしていました。

単音の聞き分けができますので、
自分の出す音が違うことにも
ちょっとずつ、気づけていたようです。

そうして、
音を正しく出せるのが面白い!
という感覚を持ってくれました。


自分の話し方を気にしだして
発話量が減ってしまう
といった様子はみられませんでした。

他には、
こちらの指示が理解できる理解力
課題に集中する力
STの口・鏡で見る自分の口を比較する力
仮名文字と音のつながりを理解して身に着けていた
・・・等々があります。

上記がそろっていなくても、
訓練の方法はあります。

でも、その場合、
今回のような早い改善にはならないかもしれません。


もしも
このお子さんの言語発達がゆっくりだったとしたら
同じような発音の状態でも
わたしは、構音訓練は行わなかった可能性があります。

もしも
吃音などの症状があったとしたら
すぐに構音訓練に踏み込まなかった可能性があります。

何を優先させるのがいいか。

お子さん全体
お子さんをとりまく環境全体をとらえて
作戦をたてます。

同じような月齢で
同じような発音の間違いがあったとしても


「今は、発音のことに触れるのはやめてみましょう」

「お子さんの話し方ではなく、
話してくれる内容、伝えたい気持ちに注目して、
受けとめて、それが伝わる応答をしてみましょう。」



と、アドバイスさせていただく場合もあります。


対応の仕方は一律ではありません。


このお子さんのお母様にも
「練習の時以外は、
違う発音になっていても、
指摘しないでいいです。」

「おしゃべりはおしゃべりで、
のびのびしてもらって下さい。」

と、伝えていました。



相手の話し方ではなく
相手の話の内容
伝えたい気持ちに
フォーカスする。



これは
お子さんの言語訓練に限らず、
人と人とのやりとりとして
とても大事なことですね。


そうして
結構難しい。


次回は、
このお子さんとの訓練で行った、

音を誘導する時に、
口の動きや音だけではなく、
身体全体の動きも使う

について、お伝えします。



それでは、本日はこのあたりで。

お読み下さり、ありがとうございました。







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