このお子さんとの構音訓練で、
身体全体の動きも使って音を誘導した方法を、
ご紹介してみます。
「と」が「こ」になってしまうので、「と」の練習をした時
ちょっと専門用語で書いてみます。
(ラストまでこの調子という訳ではありませんので、ご安心?下さい)
「と」の子音[t]は、
舌先を歯茎の中ほどにつけて呼気圧を高めてから、
急に離すと同時に呼気を破裂させて出す無声の破裂音です。
構音点が歯茎にあるので歯茎音(しけいおん)と呼ばれます。
「こ」の子音[k]は、
奥舌を持ち上げて軟口蓋と接触させ、
閉鎖を作ってから呼気を破裂させて出す無声の破裂音です。
構音点が軟口蓋にあるので軟口蓋音(なんこうがいおん)と呼ばれます。
そのうち、「こ」は子音に続く母音の「オ」の作る狭窄が後方にあるので、
閉鎖は奥の方に出来ます。
「と」と「こ」は、どちらも無声の破裂音ですが構音点が異なります。
ややこしいですね。
これを幼稚園児さんに説明しても、
わかりません。
この二つの音。
「と」の子音[t]は、
舌の前の方を使うイメージ。
「こ」の子音[k]は、
舌の奥の方なので、後ろの方を使うイメージ。
そうして。
どちらも、続く母音は、「オ」です。
このお子さんは、「そ」が出せましたので、
「そ~」と言う。
⇒ 舌の前の方を上の歯の当てる
⇒ 「そのまま そ~って言ってみて」
という方法で誘導したら、「と」を出せました。
でも、いきなり「と」を出そうとすると、
「こ」になってしまいます。
さぁ。
どうしようかな~~~。
すご~~~く大雑把にとらえれば、
「と」は前の方。
「こ」は奥の方。
の、イメージ。
では、皆様もご一緒に~~~♪
首を今の位置から、リズムをつけて前に出しつつ、
「とっとっと」
首を今の位置から、リズムをつけて後ろに引きながら、
「こっこっこ」
首を前に出しながら
とっとっと~
首を後ろに引きながら
こっこっこ~
う~ん。
首だけだと、足りないかな?
じゃあ・・・・。
手も付けちゃおう!
両腕を軽く曲げて~♪
両手を、パーにして~♪。
前に出しながら
とっとっと~。
後ろに引きながら
こっこっこ~。
とっとっと~
こっこっこ~
え~い!
立っちゃおう~~~♪
腕と手のパーは同じですよ~。
身体を前に出しながら
とっとっと~♪
とっとっと~♪
身体を後ろにしながら
こっこっこ~♪
こっこっこ~♪
う~ん。
ぴょんぴょんしちゃおうか~♪
前に出ながら
とっとっと~♪
はい後ろ~~
こっこっこ~♪
はい。
とっとっと~♪
はい。
こっこっこ~♪
とっとっと~(前)
こっこっこ~(後ろ)
ぴょんぴょんしながら
とっとっと~
こっこっこ~
これを書いているだけでも、
身体が、前に後ろに・・・
って、なっています。
みなさまはいかがですか?
身体がポカポカしてきませんか?
「と」の[t]は、前の方。
「こ」の[k]は、後ろの方。
机に向かって、ひたすら訓練するだけではなく
こういう風に、
全身の動きも使って誘導したり、
違いを感じてもらったりします。
ポイントやエッセンスを
ややこしい理屈ではなく
どう伝えていくか。
必要な動きを
どう引き出していくか。
もちろん、色々な方法論はあるのですが
それにプラスして、
そのお子さんが受け入れやすいだろうな~
という方法を考えます。
あとは
できるだけ、楽しく。
今回は、
身体全体の動きも使って音を誘導した方法
定着を図った方法のご紹介でした。
それでは、本日はこのあたりで。
お読み下さり、ありがとうございました。
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