3Dプリンターを買う | 黄昏オヤジの暴発日記

黄昏オヤジの暴発日記

退職後の第二の人生を手探りで進むオヤジのモデルガン+独り言。黄昏に染まりながら気まぐれに発火しつつ、この世の由無し事に毒を吐く(令和4年5月20日・タイトル一部修正)

 突然だけれど3Dプリンターを買った。買ってしまった、の方が正解かもしれないが…

 以前から興味は持っていてユーチューブなどでも動画を観たりしていた。それが、たまたまアマゾンをのぞいたところ購入候補の機種がタイムセール(20%オフ!)をやっており、思わず酔った勢いでポチッしてしまった。アマゾンの対応は早く、後悔する間もなく先日24日日曜に配達された。今回も「あぁ、またやってしまったか…」のレポートである。

*これが購入したモデル。上のドラムには素材の樹脂が巻き付けられている。それが中央の長方形のボックスの中に引き込まれ200度から300度で温められて押し出され、下の黒いテーブルに積層されていく。X軸(横)の動きはレールに乗った黒いボックスが左右に動くことで、Y軸(前後)は黒いテーブルが前後に動くことで、Z軸(上下)は黒いボックスが乗ったレールが上下する。このような熱で樹脂を溶かしていくタイプのほかにレジンを利用する光硬化型があるそうだ。

 購入したのは中国製のモデル。Crealityというメーカーの「Ender-3 V3 KE」という製品。なお、家庭用3Dプリンターでリーズナブルなものというとほぼ中華となるのが現実。まぁ我慢するしかない。

 値段のことを最初にいうのもなんだが、通常は約42,000円から45,000円代。それがタイムセール20%引きで3万円台で購入できたのでラッキーだった。

 

 モデルは分解された状態で届き、ユーザーが組み立てることとなっている。さほど難しそうではなく事前にユーチューブで何度もセッティング方法を確認し、楽観していたのだが実際現物を前にすると戸惑った。それでもまあ15分くらいで何とかなった。

 附属するUSBの中に試し刷り用のデータが入っており、それでデフォルメされた船を印刷する。うまくできたらプリンターのセッティングは完了したということ。ここまでは支障なく来れた。

 

 さて、これからである。

 プリンターの物理的な動きは上の画像の説明のとおりなのだが、当然制御はコンピューターによるのでプログラムがいる。印刷したいものをコンピュータ上で3D化し、それをプリンターに呼び込ませ印刷(立体化)するという作業が必要となる。設計図というか印刷する対象物を三次元で表現(3D化)するプログラムファイル(データ)をstl(エスティーエル)という。ただそのままではプリンターは理解しない(動かない)。それをプリンターが理解できるようにするために必要なのがスライサーソフト。これでstlデータをGコードというものに変換してプリンターに入力すると対象が印刷されるという仕組み。

 建築工事で言えば、デザイナーが建築設計図を作成し、それを現場監督チームが読み込み工事手順を立てて実際に建築するという感じかな。

 なのでまずは対象物をstlデータにしなければならないのだがそんなもん素人にできるわけがない。ただ、よくしたもんでネット上には様々な対象物のstlデータが無料・有料でアップされている。その中から希望のものをダウンロードし、これも無料のスライサーソフトでGコード化してプリンターに入力し、印刷するということになる。スライサーソフトの選択にはちょっと悩んだが、相性を考えてプリンター製造メーカーのものを利用することにした。ただ、表示文字が英語と中国語しか選択できないことから英語相手に四苦八苦の状態となっている。これの日本語マニュアル、切実に欲しい。

 そんなふうにジタバタしながら実際にいくつか印刷してみた。

 一つは「ピカチュウ」。ポリゴン感バシバシの四角張ったものだが最初に試すのにはちょうどよかった。これは1時間ほどかかったかな。

 次は欲しかったグロックの延長マガジンベース。当初はそのまま印刷したがタナカグロックのマガジンには少し大きく使用できなかったので、パソコン上で少しサイズを変更し3度目にようやくうまくいった。1個印刷するの40分ほどかかったので、トータル2時間以上かかっている。でもおかげで装弾数が17発⇒19発と2発多くなる。マガジンスプリングを少し調整してホールドオープンも完璧となった。ちなみにネット上を探すと25連マガジンや30連マガジンのデータも上がっている。

*左から、失敗したグロックのコンペセイター、まがい物のピカチュウ、3個目にしてようやく成功したグロックのマガジンベース(マガジン本体はタナカのもの)、3Dプリンターを買うと必ず印刷することになる船。

 もう一つはやはりグロックのコンペセイター。これも1時間以上かけて印刷したが駄目だった。タナカグロックにはわずか1ミリほど高さが足らず、そのままでは固定がうまくいかない。再度挑戦しようか悩み中である。

 

 なお、グロックに関してはフレーム樹脂製銃の先駆けということもあるのか様々な3Dデータがアップされている。ただし、まともなサイトではほぼトイガン用と明記されている。確かにそのままでは実銃の使用に耐えられそうもないものが多い。マガジンベースぐらいは大丈夫かもしれないが、コンペセイターはサイズが合っても固定が甘く実銃ならば1発で吹っ飛んでいくだろう。通常のサイトでは武器関係のデータは基本的に×扱いのようだ。

 

 余談であるが、以前からアメリカや英国では「自家製銃」というジャンルが存在しており、いわゆるホームセンターにある材料を利用して実銃を製造するための設計図などがネットに上げられている。私もいくつか見たが、中にはサブマシンガンやアサルトライフルめいたものまであった。それが3Dプリンターが普及し始めると案の定というか実銃印刷用のstlデータを掲載するサイトが表れた。ここの凄いのは(すべてを未確認だけど)stlデータのダウンロードに関してはほぼ無料ということ(すべての人は自分を守るために銃を身に付ける必要があるという思想から来ている)。

 だから、日本にいてもデータをダウンロードし印刷できる。ただし、実弾発射を可能にするにはバレルや撃発部やスプリングといった最低限の金属パーツは必要になるし、当然実弾が必要になる。金属パーツを樹脂に置き換えるなり、バレル内にインサートを仕込むなりすれば、何というか「自家製銃のモデルガン」という妙なものを手に入れることができるかもしれない。

 でもお勧めはしません。一つ間違えると気の立ったお巡りさんに殴りこまれ科捜研であれこれ弄り回され実弾発射可能と認定され勢いよく送検され手ぐすね引いた検事さんにどやされて執行猶予無しで放り込まれるかもしれませんのでね。おやめになるのが賢明と思慮しますが、後は自己責任でどうぞ。

*3Dプリンターが普及し始めた際に、3Dプリンター銃がつくられ世界的なニュースになった。下はそれを真似たもの。

*日本人が作成したとして話題になったのはこれ。

ウェブリーフォスベリーのようなジグザグシリンダーを有する

ペッパーボックス風オートマチックリボルバーかな?

 

 とにかく面白い。目の前でモノが立体化していくのは本当に不思議でずっと見ていられる。普及品でもここまで楽しめるのは本当に驚き。出来るならば自分で3Dデータを作成し、自分の本当に欲しいものを手に入れられるようになりたい。高望みかもしれないが、簡単で手軽なソフトができればそれも夢ではないかもしれない。

…頑張ろうかな