◎修復と再調整、そして五里霧中
放熱ジャケットも作成し、ボルトも改造、ハンドルも右から出た。アッパーとロアのレシーバーのロック箇所の改造も上手くいった。あとはリアサイトをでっち上げ、傷ついた外観の修復と発火だけ。
これまでに比べれば簡単、簡単と思っていたら、全く違った(ToT)。
○レシーバーの結合
改造したアッパーレシーバーをロアレシーバーと結合させると・・・、固定されない(@_@;。
ロックピンもはまるし、アッパーとロアレシーバー後部の突起同士もかみ合い前には抜けない。なのに、アッパーレシーバーの前部を軽く斜め上に持ち上げただけでロックピンが外れてしまう。なんでや???
最初は、かなりの範囲を切ったり貼ったりしたので、どこかゆがんでいるのが原因と考えた。そこで、各箇所に定規を当てゆがみを確認してみたり、気になる埋込み箇所に再三ペーパーをかけたりと、自分が思いつく限りの修正を試みたが全然駄目。これにはどうしようもなく、ほとんど諦めかけた。
この時点で正直かなり落ち込んだ。
丸二日ほど触らず放っておいたが諦めきれず、改めて各部を確認していったところ、ようやく気が付いた。
このモデル、マガジンハウジングと本体の接合箇所に小さなスペースがある(下の写真の小さな矢印部分)。マガジンハウジングの後ろ側、ちょうどマガジンキャッチボタンの斜め上方のところ。
MP40のアッパーとロアレシーバを結合する際には、時計回りに45度ほどアッパーを回転させた状態でロアに差し込み、もとに戻す。そのとき、このスペースにロア側の先端部分が入り込みかみ合うようになっていた。ここがかみ合うことでアッパー部分が上に抜けるのを防いでいた。
*見えるだろうか小さな矢印が指す切れ込みが。マガジンハウジングと本体の間にぐるりと溝のように細いスペースがあり、ロアレシーバーの先端が入り込むようになっていた。そうすることで、アッパーに上方向の力がかかってもロアの先端がハウジング部分に引っかかり抜けないようになっていた。
何を今さらと言われそうであるが、オヤジは全く気が付いていなかった。何で気が付かなかったのか不思議なのだが、本当に気が付いていなかった(ちなみにオリジナルの状態のMP40は20年近く所有していた・・・(+_+))。
今にして思えば、MP41へ挑戦の際、何度かアッパーとロアレシーバーが外れたのも、この部分の、MP40とMP41の微妙なサイズの差が原因でしっかり固定されなかったことにあったのだろう。深いなぁ~モデルガンて…。
今回の改造では、マガジンハウジングそのものを90度回転させたので、この箇所による固定は全くない。そのため、何度試してもロックできなかったのだろう。
そこで早速修復というか改善作業を行う。
要はアッパー側に、ロアとかみ合う部位を設ければ良いということ。レシーバーの形状に合うよう、ABS板を熱湯で軽く曲げたものを何枚も重ねて溶着しブロックにする。それを現物合わせでアッパーの最適な箇所に溶着し完成した。これでアッパーとロアのレシーバーが外れるようなことはなくなって一安心。
この時点では、この一連の作業が(というかここに気が付くまでの数日間が)一番の峠であった。
・・・しかし、峠は最後にもう一つ待ち構えていた。
*加工後の状態。写真では下部になるが、かなりしっかりとしたパーツを作り溶着した(白く下に突き出して見える長方形のブロック)。なお、放熱ジャケット後端には次に説明する、回転防止のための加工がしてある。
*下側からみたところ。なお、バレルカラーとマガジンハウジングの間、それにマガジンハウジングのエジェクションポートにつながる真ん中のスペースにはジャケットのベースと同じ樹脂製雨樋パイプを切り取って貼り付けている。こうすると労せず外観がきれいに整い、実に便利である。
○放熱ジャケットの固定
放熱ジャケットはそのままでは単にバレルナットとマズル部分の自作樹脂製ワッシャーにはまっているだけ。せっかくフロントサイトを付けても簡単に回転してしまいやっかい。
そこで、バレルカラーのスリングを通すスペースが真下に位置するようになったので、ここを活用するした。簡単なことである。ジャケットの基となった雨樋パイプ(まだ2メーター近く残っている)から、スリングのスペースにきっちりの横幅サイズで、なおかつ、ジャケットに届く長さのパーツを切り出す。そのパーツを、スリングを通すスペースに差し込んだ状態で、センターを出してはめ込んだジャケットに溶着しただけ。これで回転方向のずれはなくなる。前方向には何もストレスもかかっておらず、特にずれる心配もないので特段の処置は行わない。
○外観の補修は雨樋で
もうここまで来ればあとはリアサイトと外観の補修。
実は外観の補修は簡単。上でも説明したように、放熱ジャケットのベースとした雨樋パイプがまだまだたくさん残っている。これを合う大きさにカットして被せるだけで済むのである。
本体の前方からいうと、バレルカラーとマガジンハウジングの間の短いスペース、マガジンハウジングの間のスペース、それに一番加工跡がひどいアッパーレシーバー上部まで。きっちりかぶせればきれいな外観を得られる(上の写真のとおり)。本当にこの雨樋は便利。
そうなるとあとはリアサイトだけ。
しかしである、ちゃっちゃっとやっつけてバババッっと発火しよう!っとの意気込みは早々に泡と消えることとなった・・・。
○リアサイトが最後の関門?
当初、リアサイトはそれらしいものを簡単にでっち上げて終わるつもりであった。MP40オリジナルでも良いかなと考えたくらい。
ただ、MP28やその当時(WWⅠ頃)の短機関銃を見るとタンジェントサイトが多い。そこで、クリスマス前にマルシンから直接通販でモーゼルM712のリアサイト一式を入手。MP40のリアサイトベースを利用し無可動だけど見た目はタンジェントサイトというお手軽バージョンにすることとした。
だが、このなめた甘い考えが失敗の原因だったのだろうか、リューターで形を修正していた際に刃先が滑りあっけなくサイトベースがおじゃん(ToT)。年末の大晦日を目前に、丸2日ほどかけてでっち上げたリアサイトが全くのくずになってしまった。年内には仕上げようと考えていたのだが・・・。
気を取り直して再度考える。こうなっては、完全ではないにしろ稼働するタンジェントサイトにしてやろうと決心。大晦日から挑戦が始まった。
なお、ここまで来てこんなことを言うのも何だが、オヤジは自分の部屋(2階)で作業を行っている。この部屋にエアコンはない。ストーブもない。こたつもない。何もない。室温は概ね外気温+2、3度である。冬は、寒い。特に今回の年末年始の寒気は強烈だった。手はかじかむ。目はしょぼつく。鼻水は垂れる。難儀なのである。そんな中で作業を行っている。
リアサイトの製作に当たっては、マルシンM712をモデルにした。2枚重ねて溶着したABS板にマスキングテープを貼り、その上にサイトベースの概ねの形を書き、切り出す。これを左右2個作る。その間にリアサイト本体を置き位置を決め、まずサイト先端の固定ピン用の穴を開ける。ピンを通しリアサイトとサイトベースを一体化し、テープなどを使って固定・仮組みする。左右のサイトベースを一体にするためABS板を利用して前後及び底のブリッジ用パーツをつくり溶着。必要な箇所にはプラリペアも使って補強する。また、パテ代わりにも使う。そうやって正月三が日どこも出ずに完成したのが↓
*なんとなくそれっぽくて、しかも動く!小さいパーツだがオヤジの思いがしっかり詰まっている。
*雨樋パイプベースのアッパーレシーバーカバーに固定したところ。心が震えるほど様になっている!(^^)!
*カバーへの固定は裏側からのネジ止め
ようやく完成。こんなに手がかかるとは大誤算であった。もしかして、このリアサイトが一番大変だったかもしれない。
さぁーて、次回はいよいよ発火編・・・、のつもり
でっち上げMP28もどきは動くのか!?もう不安でいっぱいなオヤジなのであった・・・。最終章へ