「憧れのサイドマガジンへ」・副題『阿鼻叫喚の改造地獄』(その2) | 黄昏オヤジの暴発日記

黄昏オヤジの暴発日記

退職後の第二の人生を手探りで進むオヤジのモデルガン+独り言。黄昏に染まりながら気まぐれに発火しつつ、この世の由無し事に毒を吐く(令和4年5月20日・タイトル一部修正)

◎アッパーレシーバー編

 放熱ジャケットはなんとか出来たので次はいよいよ本丸のアッパーレシーバーである。

 

 改めて必要な作業を考えてみる。

①ボルトハンドル用スペースの加工

 90度回転させるので既存のものを埋め、新たなスペースを設ける必要がある。

②ロック箇所の修正加工

 ロック箇所は2箇所(本当は3箇所あるがこの時点では見落としていた!)あるのでそれぞれ修正する。一つはレシーバー中程、下のロアレシーバーからアッパーレシーバに差し込まれるロックピン。

 二つ目は、アッパーレシーバー後端の周囲とロアレシーバー後端円筒の内側に設けられた突起部分。これらがカムの様にかみ合うことで前方に抜けないようになっている。これも90度回転させるため位置を変える必要がある。

③ボルトの加工

 ボルトも90度回転するためシアが作用する(ボルトをロックする)箇所を変更しなければならないし、ボルトハンドルも別に設ける必要がある。当然、既存のボルトハンドルはカットする。

 

 かなり難易度が高そうなものばかりで不安になりながら作業を開始する。

 

○まずは①の新規のボルトハンドル用スペースの加工から

 これは慎重にやるというしかない。位置決めは何度も確認し間違いのないようにした。あと、カットする際にはL型アングルなどを活用し(アングルの上にパイプを乗せる)、まっすぐに線を引くように注意する。カットする道具はプラスチック用のカッター(ひっかくタイプ)。一方で、既存のスペースを埋める方は、ABS板を2枚、必要な箇所は3枚に重ねて埋め込み用のパーツを用意する。その上で、ABS接着剤で位置決めした後アクリサンデーを流し込み溶着していった。

*既存のスペースを埋めた状態。まだセイフティノッチは埋めていない。

 ただし、これだけの長さの箇所を切り出したり反対に埋め込んだりするとどこかに無理というか歪みが生じ、パーツ全体がねじれてしまうことが考えられる。オヤジも結局そんな失敗をしたように思う。

 

○次はロック箇所の修正加工

 これも先と同様、新たに開ける位置は慎重に慎重を重ねて決める。なお、ロックピンの後ろにはシア用のスペースを空ける必要があるのでその作業も併せて行う。ピン用の穴はまずガイド穴を開け、その上で太めのドリルで加工。最終的にはリーマーでゆっくり慎重に広げていった。シア用のスペースは長方形なので切り出し線をしっかりとけがき、プラスチック用カッターで削り、ホビーノコ等を使用しながら切り出した。

*ロックピンとシア用のスペースの加工の状態。下の方に開いているのが新たに設けた箇所で、上に既存の箇所を埋めた跡が見られる。全体に汚いのは、バリなどを240番のサンドペーパーで磨いたままの状態のため。

 もう一つはアッパーレシーバー後方の突起部分。まず現状のままでは、時計回りに90度時計回転させるとロックされない。そこでアッパーレシーバーの既存の突起部分を切り取る。その上で現物合わせで、どこに突起を新設するとロックできるか見極め、その位置にABS板を溶着した。厚みはさほど不要で1ミリもあれば十分である。

*汚い作業状態で失礼。切り取られた箇所が既存の突起部分。増設箇所も分かると思う。なお、最終的には内側に樹脂パーツを溶着して補強した。

 

○今度はボルト本体

 MP40のボルトは前後二つのパーツから構成されている。前部はABS製でキストラクターがセットされる。後部は亜鉛合金製で一体となったボルトハンドルが突出している。

 まずはABSパーツ。

 オリジナルの状態ではABSパーツのちょうど底の部分がへこんでおり、二つのパーツの接合箇所で段差ができる。そこにシアが引っかかってボルトがコッキングされる。今回、ボルトも時計回りに90度回転することになるので、新たな段差を作る必要がある。そのためには3ミリほどボルトを削る必要がある。エキストラクターと近い位置になるのが気になるが、しっかり補強すればなんとかなるだろう。ABSなので削らずホビーノコで切り取り、内部に補強のためのABS材を詰め込み溶着する。出来はみっともないが用は足りる。

 少々厄介なのが、金属パーツのほう。

 新たに設けたシア用の段差の後ろ側を斜めに削ぐように加工しなければならない。オリジナルではそうなっており、おそらくシアがスムーズに動くようにするためなんだろうと思う。金属を切ったり削ったりするのは疲れるし、面倒なので避けたいところであるが仕方がない。「電動カットソー、買っときゃよかった」何てぼやきながら、金のこで斜めに削ぐように切りなんとか加工終了。

 しかし、作業はまだある。まず一体となったオリジナルのボルトハンドルをカットしなければならない。その上で、新たなボルトハンドルを取り付ける必要がある。難儀なのである。

 カットするのは金のこで切るだけなのでまぁ簡単。金のこであっさりと切り取り、切り落とした跡をサンドペーパーできれいにすれば足りる。

 問題は新たなハンドルである。実銃のMP28はやや湾曲した細長い棒状のものが多いようだが、なかにはストレートで先端が丸いものもあった。何度も言うように「もどき」なので形は気にしない。ここはあっさりとM6サイズのボルトにした。

 ボルトの金属パーツの位置決めには慎重を期し、何度も確認した後でポンチでマーカー。あとは2ミリのドリルでガイド穴を、5ミリのドリルでタップ用の下穴を開け、タップを切る。

 しかし、手持ちの充電式ドリルのパワーが足りないのかドリルが駄目なのか、やり方が下手くそなのか、5ミリのドリルの刃先が咬んだまま動かない。仕方なく3ミリ→4ミリ→5ミリと段階を踏みようやく穴を開けることが出来た。そのためいささか慎重さに欠け、タップで切ったネジ穴が少しずれてしまった。まぁ、なんとか修正できたけどね。

 そんなこんなで一人で大騒ぎしてようやくM6のボルトがハンドルになった。少々細くかつ長く、しかも銀色なのが難点であるが固定はしっかりしている。いずれ何か適当なものを被せて格好を付けよう。(後日黒色のものに変更)

*ボルトの加工。なんとかシアは作用する。

 

 さぁ、これだけすればほぼ大きな本体加工は終了。あとはリヤサイトや傷ついた箇所の補修で終わるだろうと思ったが・・・、全く違った。これからが本番だった。

 

 続く、続く、続く