学習塾で教材は何を使用するかについて | 福岡県の学習塾コンサルタント|学習塾運営の手引き

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個別指導塾において、使用する教材の選定は、運営上の重要なポイントであり、講師や教室長の頭を悩ませる課題でもあります。「個別指導」という言葉からは、学習内容だけでなく、使用する教材までもが一人ひとり異なるべきだと考える方もいるかもしれません。しかし、実際には教材を個別にすることが目的ではなく、指導を個別化することこそが本来の意義であると私は考えます。

 

生徒一人ひとりに異なる教材を与えてしまうと、講師側に大きな負担がかかります。たとえば、異なる教材ごとに予習や準備、教材研究が必要になり、結果として指導の質が安定しなくなる恐れがあります。むしろ、教材をある程度共通化し、その中で生徒の理解度や進度に応じて個別に対応していくことが、より効果的な個別指導につながるのです。

 

具体的には、1教科につき2冊程度の通年教材を持たせるのが望ましいとされており、教材のレベルは基礎・標準・応用の3段階に分類されます。学力の高い生徒には応用と標準のテキストを、学力に不安のある生徒には標準と基礎のテキストを使わせることで、同じ教材の中でも指導に柔軟性が生まれます。特に「標準」レベルの教材は、すべての生徒が共通で持つことで、授業・宿題・演習など様々な場面で活用できる汎用性があり、学習の土台を固めるうえで非常に有効です。

 

また、どの教材を使用するかについては、当然ながら教室ごとの方針や講師の意見も分かれますし、それぞれの教材には一長一短があります。しかし最も大切なのは、どの教材を使うか以上に、「どのように使うか」「どのように使わせるか」という点です。教材の効果は、その運用方法に大きく左右されるため、指導者の工夫と努力が問われます。

たとえば、コンサルティングさせてもらっているとある個別指導塾では以下のような教材構成を取り入れています。

  • 応用:新中学問題集

  • 標準:予習用教材フォレスタ

  • 基礎:SPIRAL(スパイラル)

これらの教材は、それぞれ異なる教材会社から発行されており、あえてレベルごとに異なる出版社のものを採用することで、教材会社との関係を広く保ち、多様な情報や教材提案を受けやすくしているとのことです。このような柔軟な姿勢もまた、塾としての教材運用の一つの工夫であり、学習環境をより豊かにするための重要な戦略だと言えるでしょう。

 

総じて、学習塾での教材選びにおいては、「教材の個別化」ではなく「指導の個別化」を念頭に置くことが肝要です。そして、共通教材を用いながらも、一人ひとりの生徒に対して適切な課題設定や声掛けを行うことが、真の意味での「個別指導」につながると私は考えます。教材選定は、単なる教科書選びではなく、教育理念の実現手段としての大切なプロセスなのです。