言葉にする力が、学びを深める | 福岡県の学習塾コンサルタント|学習塾運営の手引き

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授業中、生徒が「“あ〜ね”と言ったから、理解してくれたんだな」と教師が安心する光景をよく目にします。しかし、この「“あ〜ね”」には落とし穴があります。本当はよくわかっていないのに、なんとなくその場の雰囲気で返しているだけということも少なくないのです。教師がその返答の軽さを見抜けなければ、生徒は理解したふりのまま、次のステップへと進んでしまいます。

 

一方で、長く通塾している塾生の中には、「“あ〜ね”ということは、○○で、△△になったってことですよね」と、自分の言葉で理解したことを言い換えて伝える力を持っている生徒がいます。このような“言葉にする力”は、学びをより深める上で極めて重要です。単なる受け身の理解ではなく、咀嚼し、自分の中に落とし込んでから言葉として表現することで、知識が真の意味で自分のものになるからです。

 

言葉にできないまま、なんとなくの理解で曖昧にしてしまうと、それは後々の学びにも大きな影響を与えます。うまく言葉にできないことを、身振り手振りや曖昧な態度でごまかす生徒もいますが、そこにとどまっていては、深い理解や他者との共有にはつながりません。だからこそ、豊かな表情と表現をもって、言葉として理解を伝えるということの大切さを、私は強く感じています。

 

私の塾では、「感性を磨く」ことや「感じる心を育む」ことにも重きを置いています。単なる知識の詰め込みではなく、生徒一人ひとりの心の動きを大切にしながら、学びの本質に触れるような場を提供することを心がけています。そのような理念を共有できる塾仲間たちと日々過ごせることに、私は誇りを感じています。

 

しかし、偉そうなことを言っている私自身も、最近では「学習塾とは必要悪なのではないか」と感じることがあります。子どもたちにとって、塾はありがたい存在であると同時に、時には迷惑な存在でもあります。「本当は友達と遊びたいのに」「家でゆっくりしたいのに」と思いながら塾に来ている生徒も少なくないでしょう。

 

だからこそ、私は“教えすぎない”ことを意識するようにしています。知識を与えるだけでなく、学び方そのものを生徒が自ら身につけていけるような関わり方を大切にしています。学習塾という場が、「教える/教わる」という一方通行の関係ではなく、教師も生徒も一緒に成長し、互いに刺激を受けながら歩んでいける場であってほしいと願っています。

 

ときには、自分の学びや感動を発表し、それに対して仲間たちが共感してくれる。そんな瞬間が積み重なることで、塾は単なる勉強の場ではなく、「感動を伝え合える場所」へと変わっていきます。共に学び、共に感じる。そんな関係性を築ける仲間たちと過ごせることは、本当に素敵なことだと思います。

 

“言葉にする力”を育むこと、感性を磨くこと、そして何より「感じる心」を大切にすること。これらはすべて、これからの社会を生きていく子どもたちにとって必要な力であり、私たち大人が育むべき環境でもあります。学びとは、ただ覚えることではなく、感じて、考えて、そして伝えることなのです。