大学生の塾講師は「大丈夫」なのか?―多様化する個別指導塾の現場から考える | 福岡県の学習塾コンサルタント|学習塾運営の手引き

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近年、個別指導塾において講師の多様化が進んでいます。かつては大学生が中心だったこの職種も、今ではフリーターや主婦の方々が多く活躍しています。その背景には、働き方の多様化や雇用形態の変化、教育現場に求められるニーズの変化など、さまざまな社会的要因が関係していると考えられます。

 

では、「大学生が先生で大丈夫なのか?」という疑問に対して、どのように答えるべきなのでしょうか。

確かに、社会人経験が豊富なフリーターや主婦の方に比べると、大学生は人生経験も教育指導の実績も少ないかもしれません。その点で「不安だ」と感じる保護者の方がいても不思議ではありません。特に、学力だけでなくメンタル面のサポートや将来の進路相談まで求められることが多い個別指導の現場では、信頼性が問われる場面もあるでしょう。

 

しかし、大学生講師にも大きな強みがあります。まず、年齢が生徒に近いため、感覚や考え方を共有しやすく、自然なコミュニケーションが取りやすいという点が挙げられます。「勉強が嫌い」「モチベーションが上がらない」といった悩みに対して、数年前まで同じ立場だった大学生だからこそ共感し、寄り添えるのです。これは、ある種の「距離の近さ」という武器になります。

 

また、現役の大学生であるからこそ、受験の最新情報に精通している場合も多く、実体験をもとにしたアドバイスが可能です。「去年、僕もその問題で苦労したけど、こうやって克服したよ」といったアドバイスは、生徒にとって非常に心強く、説得力のあるものになるでしょう。

 

もちろん、大学生講師にも「教える技術」や「責任感」は必要です。塾側の適切な研修やサポート体制が不可欠ですし、教室長が学生講師をどう育てるかも重要な課題です。しかし、それをクリアできれば、大学生であっても「良い先生」になれる可能性は十分にあると私は思います。

 

一方、東京のような大都市では、プロの塾講師のみで構成されている塾もあります。こうした塾では、教えることを「仕事」として選び、長年の経験を積んだ講師陣が生徒に対応しています。プロならではの安定感や、ハイレベルな指導を期待する家庭には適しているかもしれません。

 

しかし、全ての生徒にとってプロ講師が最適とは限りません。大切なのは、生徒一人ひとりの状況や性格に合わせた指導ができるかどうかです。フリーターや主婦、プロ講師、そして大学生、それぞれに強みと弱みがあり、多様な人材がいることで、生徒にとって「相性の良い先生」が見つかりやすくなるとも言えるのではないでしょうか。

 

つまり、「大学生で大丈夫なのか?」という問いに対しては、「大学生だからこそできることがある」と答えたいと思います。個別指導塾において最も重要なのは、年齢や肩書ではなく、「生徒に向き合い、成長をサポートできるかどうか」だと、私は考えます。

 

社会が多様化する中で、教育現場もまた多様化し、柔軟性を持つ必要があります。大学生講師の存在は、その多様性の一つであり、適切に活かされることで、教育の現場に新たな可能性をもたらしてくれるのです。