こんにちは。どこ野鉄夫です。
今回も大作ならぬ長作となりましたので、単刀直入にお送りしていきます。
まずは静岡のひさえさんから「お願いします!」と元気に1枚。
また変なのが来た。
ふつう写真を撮る時って「何を撮りたいか」だと思うんですがね。
「何を撮りたくないか」そんな写真ばかり頂戴するのがどこ鉄であります。
そしてお願いされたからには、解くしかないのです。
さて夜の高架線路にブレブレの車両、その下に交差点と歯科医院。奥にはぼんやりと三角屋根の寺院風建物。
ブレブレ車両を拡大。
黄色い帯に白い顔。
真っ先に思い浮かぶのは中央・総武線各駅停車のE231系。
(JR東日本ホームページより)
この車両が走る高架区間を探すわけですが、
高架橋が複線分しかないかな?
中央・総武線各駅停車はその名のとおり中央・総武線の快速線と並行していて、ほぼ全線が複々線(線路が4本ある)区間。複々線区間なら、橋はもっと幅広くなるだろう。
数少ない単独(複線)区間の両国〜御茶ノ水間は、
念のため、この車両が営業する終点・三鷹より先の複線高架区間も捜索。
こちらも全区間無事終了。
…車両の推理が違ったか?
他に黄色い帯の車両……運転席横に窓がありそうだな……
そうだ、南武線のE233系は?
これだ。
南武線といえば黄色+茶色っぽい帯というイメージがあったから、窓上の帯が黄色一本と気づくのが遅れてしまった。
しかし運転席横の窓もバッチリ。
ちなみ先に浮かんだ中央総武E231は、
運転席横に窓なし。
南武線の高架区間を捜索開始。
郊外の多摩地区方面から探していって、、
交差点の脇に特徴的な屋根を発見。
では元の写真↓
探し出した地点↓
完璧。
南武線・武蔵中原〜武蔵新城間の交差点、10分足らずで確保!
ちなみにこの交差点で視線を左にずらすと、
南武線の車庫。
非常に良い地点ですな!
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お次は伊豆の工藤さんからの1枚。
青空の下に広い構内、線路がたくさんある駅。
工藤さんからは最近サウジアラビア・福岡県と手ごわい写真を頂いてましたが、この写真はとある設備からJR東海であると推定。
写真内徘徊開始。
おや、左のほうの線路が土手に分かれていってる…
分岐駅という事か?面白い。
分岐駅好きとしては手をスリスリしたくなる問題。
まず地元・三島駅は伊豆箱根鉄道が分岐するものの土手を上って行く風景ではないことは熟知。
またホーム先端の舗装がワイルドになっている事から、大都市よりは郊外の駅だろう。
隣の沼津(御殿場線が分岐)は、
車庫があるため、むしろ御殿場線のほうが線路が多い。
さらに進んで富士駅(身延線が分岐)は?
左側に貨物ターミナル。
そうだ、名古屋の向こうのほうに、貨物線がひっそり土手で分岐するところがあったような……
しかし駅がない。
大人しく配線略図大先生をお招き。
武豊線が分岐する大府駅。
線路もたくさんある……
では元の写真↓
見つけ出した場所↓
これだけではよく分からないので、線路脇に立っている建物も仕留めておきます↓
これでよし。
JR東海道本線・大府駅、安定の確保!
この大府駅。
(乗換路線図アプリより)
単純に武豊線と左右に分かれていると思ったら、
東海道線の左から土手を上り、オーバークロスして右側へ分かれて行くんですね。
分岐駅好きとして非常に高い萌えポイントです。
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さあ今回ラストは、フェロモンさんからの超難問。
おそらくどこかの貨物線だろう。
ゆるやかにカーブを描く線路、その風合い。工場の敷地と全く区切られていないのが旅客線としては不自然。
背景に山が見えるから、東京都心部・沿岸部ではないはず。
と言いつつ、最初に見たのは横須賀線の末端・久里浜駅の先でした。
ここは終着駅からさらに少しだけ線路が延びているので、もしやと思ったんだけど!
次に思いついたのは、栃木県の小山市のほうに工場へ延びる専用の貨物線があること。
ここでこっそり分かれた線路が工場のほうへ向かっているのを知ってるんだからな!
どうだ?
非電化だったか!
そう、問題の線路は電化されている。
これが今後も悩みの種に。
次は千葉県の貨物線へ。
やはり非電化。
「貨物線 電化」で調べたって非電化も一緒にくっついて来るし。
ここで少し思考を切り替えて、工場のそばを走る電化ローカル私鉄に着目。
有名なのが静岡県富士市を走る岳南電車。
ここはあまりに工場の中を走るので、工場の夜景を楽しむ電車まで走らせているほどです。(前にも紹介した気が)
ワンチャンあるんじゃないか……?
↓↓
架線柱が違う…線路もしっかりしているか。。
同じ着想から埼玉の秩父鉄道貨物線へ。
ここもJR高崎線からひっそり分かれて秩父鉄道の線路へ向かうのは知ってないと判別が難しいところ!
どうだ?
単線で工場に近い地点はこれが精一杯。
うーむ、他に何か手掛かりはないか?
改めて写真を凝視。
この看板、一番下が消されてるな……重要な情報が書いてあるんだろう。
何かのお店の看板が見えるが、、調べようがないか。
踏切脇に止まっているトラック。
このロゴから探せないか?
検索。
トラックをリアルにドライビングできるシミュレーションゲームに完全引っ掛かり。
その後も様々な貨物線をポツリポツリと捜索したものの一向に当たる気配はなく、他にも手ごわい写真がズラズラ届くなかで1年が経とうとしておりました。
貨物線だろう、以外に何の手掛かりも見えないこの写真。
どうしても今年のお花見までには解かねばならない。
花粉症に苦しみ始めたこの時期、そう遠くなく花見のシーズンがやってくることは身体に危機感として刻み込まれている。そしてその場でフェロモンさんに「まだ解けてないんだ…」と申し訳なさそうな顔をした時点で僕の酔い具合もどこ野鉄夫としての矜持も地に堕ちるだろう事は想像に難くない。
そんなのは絶対に嫌だ!
気合いを入れ直して捜索開始。
まずは前回の失敗から「real driving 運送会社」で検索。
前回に比べてリアルなトラックが出てきた!
トラックの塗り分けは窓の後ろから3本のライン。
これを探し出せないか?
深く潜れば潜るほどかけ離れていく検索結果に無念の断念。
なんで「どこ鉄」なのにトラックの塗り分けを探さなきゃいけないんだ!
それに例え見つけたとして、その会社とトラックが止まっている場所に必ずしも関連性があるとも限らない。長距離トラックだとしたら結局全国を探さなきゃいけなくなる。そんなのはまっぴらごめん!
もうこの検索でいくしかないか。。
ずっと「貨物線」と書いてきましたが、より厳密にいうと工場からJR幹線とを繋ぐまでの、その工場(会社)専用の線、これを片っ端から当たってやろうという作戦です。
北海道から捜索開始。
王子製紙の工事へ延びてるんだな。
非電化。撤退。
青森・岩手と東北地方を南下し、宮城県へ。
こちらも非電化。
そこから山形、福島、茨城、群馬、埼玉、(千葉東京神奈川はスルーし)新潟、富山、山梨、長野、静岡とSUKAを大量生産。
Wikipediaのデータがあっても、実際どこに線路があるか探すのは至難の連続。
…鹿児島に着くころにはガイコツになっているんじゃないか、そんな予感も帯びてきた愛知県。
おや?
そうか、鉄道車両を作る会社にも専用線があるよな……!
新たな着想に予感を持ちながら現地へ。
違ったーーー!
でも電化されているっ!!!
今までの専用線はほとんどが非電化。
貨物や資材は積み下ろしがあるから、架線があるとフォークリフトや重機が使えないので必然、非電化になる。
車両メーカーはどうだ?電車はそのまま線路を走る(積み下ろしがない)から、架線が張られているのではないか?機関車の付け替え(専用線ディーゼル→JR電機)はいらなくなるし、なんなら電車はそのまま走れるし!
↑この推理に完全な事実の確証はないけど、
とにかく車両メーカーに絞って捜索してみよう。
ここで思い着くのは一気に西へ飛んだ山口県下松市。
ここには日立製作所の車両製造工場があります。東京では例えば東武・西武・東京メトロの車両の多くがここで製造されて、はるばる山陽本線・東海道本線を走って(機関車に引かれて)東京へやってくるんですね。
関西地方にも近畿車両・川崎重工というメーカーはありますが、立地的にもまず日立から確かめたい。
いざ下松へ。
巨大な車両メーカー工場の間を縫うように、専用線が通っている…………
祈る気持ちでストリートビュー。
架線柱がちが………ん?
↓↓↓
あーーーーっ!!!!!!
謎の看板が一致!!!!!!!
ようやく、ようやく見つけたつつつつっ!!!!
では大変お待たせ致しました、問題の写真↓
ついに辿り着いた場所↓
よっしゃーーーっ!!!
トラックも完璧!!!
反対側も↓
きっちり仕留めて満面の笑み。
というわけで山口県・日立製作所笠戸事業所付近の専用線、確保ッッ!!!!!!
いやー大変な問題だった!
さんざん苦労したけど、最終的に車両メーカーの専用線に絞れたのは我ながらよくやったと言ってあげたい!
なお問題写真で消されていた部分は、
そりゃそうだ。
こんなの読んだら一瞬でわかっちゃうもんね。
わずか1行消すだけで鉄夫を奈落の底へ落とし入れる、恐ろしい問題でした。
さらにこの写真、フェロモンさんの「叔父様が撮ってくれた」そうですが、↓
自発的にこんな写真を!
世の中にはまだ恐ろしい写真を送ってくれる人がゴロゴロいるのかも知れませんね……
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今回は以上です。
長々とお読みくださり、ありがとうございました。
やっぱり鬼写真が解けると気持ちが晴れますね。
おかげさまで沢山届いている写真たちにも、また張り切って取り組んでいきたいと思います。
ではまた!
次の写真で会おう。