どこ鉄159 〜見えるものと隠されたもの | 菅野貴夫の野球電鉄

菅野貴夫の野球電鉄

俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



現在絶賛舞台公演中であります。

今週の日曜日まで。まだお席ございます。


こんな感じで舞台上で吠えております。ぜひに。




さて休演日ということで、溜まったこちらをやっていきましょう。(お芝居のことを考えるのも大事ですが気分転換も大切だとの言い訳を添えながら)




まずは伊豆のお仕事仲間ゆきさんからの問題。

同じ駅の内観・外観。

調べるならホームの表記からかな…などと思いつつ稽古に出掛ける準備をしていると、30分後に追加の写真が↓↓

これはもう決定的。


南海電鉄ラピート


大阪の難波と関西空港を結ぶ特急で、その特徴的なデザインから一般の方にも知名度の高い列車ですね。



ラピートの停車駅はと、、調べる前に頭でぼんやり浮かべてみます。

難波・新今宮・天下茶屋・堺・岸和田…こんな感じじゃなかったかな?



とりあえず上記の駅から探していって。

では元の写真↓


ラピートまで投入されたらすぐに見つけざるを得なくなった写真↓


南海本線・岸和田駅、さすがに3枚あれば瞬時の確保。

サービス問題でしたね。





お次も優しい問題、福岡のよしむらさんの1枚。

素晴らしい景色だ。

いつも殺風景な写真を喰らいがちなので、とても清々しい気持ちになります。



さて、左側にある車庫から覗いている顔がありますね。

この顔、知ってる。


南阿蘇鉄道の車両。



2016年の熊本地震で甚大な被害を受けたこの鉄道は、今年になってようやく7年ぶりに全線復旧を果たしたのです。本当におめでとうございます!


もちろん大きな関心を持ってこの夏のニュースを見ていましたし、↑この特徴的な目つきの車両がよく出てきた事も新鮮な記憶として残っています。



というわけで阿蘇山をバックにした、車庫のある大きな駅。



元の写真↓


見つけ出した写真↓

南阿蘇鉄道・高森駅、全線復旧を祝して確保!!




余談ですが4年前に初熊本へ行った時、当時はまだ不通だった区間の長陽駅を訪れる機会がありました。鉄夫撮影↓


木造の温かい駅舎で、併設されたカフェでは若い人たちが働いていて、素朴ながらも活気のある駅でした。

今度はぜひ、鉄道で降り立ちたいものです。





さあ続きましては、旅する演出家せりさんからの1枚。

非電化ローカル線の駅らしき写真。


おそらくホームの向こう下に線路が隠れているんだろうけど、、それにしても草ボーボーすぎ。



切り立った屋根の建物が目立つ。高原にある駅か?



鉄道要素として気になるのは、

3両の停止位置目標。

ひし形で縁取りがあるのはJR東日本ぽいんだけど、黄色と赤の色使いはあまり見たことがない。


検索してみても芳しい結果は出ず。

JR東日本はやはり単色の縁取りが多い。



ともかく「高原」で真っ先に思い浮かぶ、長野県・山梨県を走るJR小海線へ。

しかし停止位置目標は単色の縁取り。



ローカル私鉄の可能性もあるか?と会津鉄道なども調べ音沙汰なく、やはりJR東日本のどこかのローカル線か…と、膨大な路線網を前に放っぽり出して数ヶ月。


そして前回の記事を上げた際「自分の写真が掲載されるのを楽しみにしてます。ぜんぜん公演の後でいいから!ぜんぜん!」とのコメントを頂きまして、「フリだな。だったらすぐに解いてやろう」と思い、改めて着手。



解ける可能性があると思ったのは、前回の日下さんからの写真を解いた時に生じた些細な閃き。


日下さんからの写真拡大↓


今回の写真拡大↓

屋根の感じが、似てるような気がする。



日下さんの写真は新潟県の小千谷駅だった。



世莉さんは新潟でよくワークショップをやっている。



多少強引な推理かも知れないけど、新潟県から探してみよう。

新潟県のJR東日本非電化ローカル線を捜索開始。



まずはこの地域のローカル線筆頭・只見線。

おっ!!謎の○標識が同じ!(越後広瀬駅)



確かな手ごたえを感じつつ、もう少し山へ入った入広瀬駅。

うーむ。

駅の構造(配線)も不明だから(たぶん1面1線だけど)、ひとつずつ当たっていくしかないのか。


以後、音沙汰なく会津盆地へ。

帰りは只見線の北側を通って新潟へ抜ける磐越西線。

しかしこちらも無事に新潟平野へ到着。



次は、、飯山線。

こちらは長野県へ抜けるローカル線。

前回の小千谷駅、そして来たる12月23日に闇の将軍シリーズ第1話「夕闇、山を越える」の上演をおこなう小出も近い、熱いエリアですね。



越後川口側から捜索開始、すると。

おや、駅の向こうに見える家並み……



すかさず拡大。



元の写真↓

完璧!


というわけでJR飯山線・下条駅、新潟への執着で確保!!



他の方の写真が思わぬヒントになるのも、どこ鉄の醍醐味。皆さんにとってはとばっちりかも知れませんがね!





続きまして今回共演中の髭さんからの写真。

沖縄のゆいレールですね。



思いっきり「KEIKYU」と書いてあるし車体色も京浜急行のそれですが、「羽田空港に着いたら京急に乗ってね」という広告アピールも兼ねたラッピング編成でしょう。



さて駅構造は上下線がホームを挟んだ島式。

ありがたいページにて路線を確認。


島式構造の駅をひとつずつチェックしていくわけですが。


悩ましいのは車両がデカすぎて景色がこれしか見えないこと。

出口の階段と、駐車場が広がっているのと、背後にビル……


那覇空港から1駅の赤嶺駅。

出口と駐車場はいい感じだが、背後の建物が近すぎるか、、



ストリートビューが無い駅もあって捜索に難儀し、以後終点まで無事に到着。



ただ、ゆいレールの駅である事だけは間違いないので、さらに精査しながら往復。


では元の写真↓


なんとか探し出した写真↓

独特に斜めに広がる駐車場と背後のビルがようやく一致。



ゆいレール・安里(あさと)駅、限られた景色に苦労しながら確保!




もう1枚、髭さんからの写真。

こんどは雪国!


さすがの行動範囲に震えます。



駅構造は、右側がホーム1本に線路1本、左側がホームを挟む線路2本だから、2面3線か。



拡大。

JR東日本だな。



どこが、は詳しく言いませんが確定要素です。



他の部分も凝視。

架線につながるガイシが3つ。

これは、、直流電化区間か?



非常に微妙だけども、以前にもらった交流電化区間↓

やはりガイシの数が多い。

日本の鉄道(JR)は直流が1500V、交流は20000V(新幹線は25000V)と電圧がケタ違いなので、交流区間のほうが絶縁のためのガイシが多いんですね。



とりあえず直流区間と推定しよう。



JR東日本の直流区間で雪国、、まず思い浮かぶのは新潟・長野。



上越線・信越本線などの主要幹線をしばらく捜索したところで、ふと気づきます。

写真奥の拡大↓

これ、、、駅を出たら3本の線路が全部まとまって単線になってるんじゃないか?



架線柱のビームが遮って視界が悪いけど、やはり単線な気がする。



先ほどの上越・信越線は全線複線。



やり直し!

JR東日本の雪が降りそうな地域で、単線の直流電化路線。



まずは群馬県の山あいを走る吾妻線。

配線略図大先生召喚、2面3線の駅をチェック。


中之条駅!


違った!!

問題写真では右のほうにカーブしてたな。



次は大糸線。北アルプスのふもとを走るローカル線。

こちらも大先生でチェックしながら、神城駅。

クーッ残念!

雪景色はいい感じだが!



信濃木崎駅↓

近くの山の背後に北アルプスという、長野県でよく見られる景色!



問題写真↓

さすがに北アルプスほど高い山はない。



それから篠ノ井線や、旧JR信越本線で現在は第三セクターの単線区間を探すも、一向に当たる気配がなく。

日光線、中央本線の単線区間、越後線なども探し尽くし、

JR東日本の雪が降りそうな単線直流電化区間の捜索全終了。



うーむ!

ただ↑問題写真の線路脇を見るに相当な積雪が見られるから、首都圏近郊にちょっとドカ雪が降りました的なレベルではない。



ここまでの推理条件はJR東日本・単線・直流・雪国……



よし直流の縛りを外そう。

東北地方は電化区間のほぼ全てが交流電化。

いざ雪深い東北の大地へ。



奥羽本線・津軽新庄駅。

雪以外に共通点なし!



もちろん略図大先生を頼りに捜索を進めます。


新庄駅までは新幹線も走る標準軌の区間なので、それ以北を。



秋田県の湯沢駅。

平野部すぎたか。。



跨線橋からの眺めという点では、悪くないと思ったんだけど!



そう、問題写真のこちら↓

明らかにガラス窓の写り込み。



ガラス窓のある跨線橋は、そこらのローカル駅にはないはず→ある程度の観光地というか、拠点性のある駅ではないか。



という推理はずっと前からあったんだけど、なかなか観光地の駅を一本釣りできる訳でもなく。



仙台と山形を結ぶ仙山線は、

跨線橋そのものが無い駅ばかり。



東北地方の雪深い単線電化区間もほぼ捜索終了。



おかしいな、、なんでこんなに見つからないんだ??



まだ見てない路線は……田沢湖線、、秋田新幹線が走る標準軌の路線だから見てなかったけど、とにかく行ってみるか。。



フラフラした足取りで、田沢湖線といえば田沢湖駅かな、などと安易に寄ってみたところ。

ん、駅がカーブしてる。



駅の画像を見てみよう。

ギヤー!!!



元の写真↓

ここだったのか!!!!!!!!



JR田沢湖線(秋田新幹線)・田沢湖駅、痛恨の確保!




まさか、この線路の幅が標準軌(1435mm・在来線より広い)だったとは!!!


完全に、線路の幅のことを見落としていた!



同地点の雪のない写真↓

……こっちなら、もう少し早く気づけたかも知れない!ぜんぶ雪のせいだ!



いや、、直流と交流の違いも見誤ってたし(新幹線の架線はガイシがもっと多いと思い込んでいた)、全然ダメですな!



精進します!



余談ですが、この写真をもらった日。


まさに僕自身が秋田新幹線に乗り、現場を通っていた日でした。

そんな偶然だったとはつゆ知らず!






さて今回ラストは、ムーチョ先輩からのこちら。

なにこの写真。概念?



2週間後に届いた2枚目。

ははぁ。



3枚目。

2枚目の時点で分かりました。



九州の田主丸駅だろう。



検索などするまでもない。現地へ直行。


あらよっと↓

JR久大本線・田主丸駅、鉄道オタクとして当然の一本釣り。



田主丸駅はこのとおり「カッパ駅」として有名です。

2枚目がクチバシに見えたことで瞬時に分かりましたね。



普段全く役に立たない知識が役に立ってよかった!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。




最後までお読みくださり、ありがとうございました。



それでは本業に戻りJACROW闇の将軍シリーズ後半戦、がんばってまいります。



ではまた!

劇場でお待ちしています!