どこ鉄158 〜残像と記憶 | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。菅野貴夫です。



12月8日からはじまるJACROW『闇の将軍 四部作』の稽古も佳境に入っております。

池袋の東京芸術劇場シアターウエストにて、昭和の最も有名な政治家・田中角栄を主人公に、濃密な政治ドラマ・人間ドラマをお届けします。

ぜひともお越しくださいませ。




そんな忙しいときに何をやってるんだという話ですが、どこ野鉄夫としてこの1ヶ月コツコツ書き溜めてきたものを仕上げにかかりたいと思います。




まずは千穂さんからの1枚。

ほう、山あいの駅。

配線は2面3線か。


各種設備からJR東日本であることは一目瞭然。

山の高さからいって房総半島ではないだろう。



目を向けるのは。

ホームに書かれた乗車位置案内が、青とオレンジの2色。


↓↓

(乗換路線図アプリより)


オレンジでおなじみ中央線は、高尾から先で山間部に入り、車両も替わって(6両)ローカル色が出てきます。ラインカラーもこのとおり青になります。


ただオレンジ色の通勤電車(10両)も、一部列車が山梨県の大月や河口湖まで走破するので、ホームにオレンジ色の乗車位置があるのは理に適っています。



要するに相模湖〜大月間のどこか。



配線略図大先生ご登場。

大月までの間の、2面3線の駅と。



では元の写真↓


探し出した写真↓

JR中央本線・四方津(しおつ)駅、つつがなく確保。




解答後しばらくすると「最終目的地はここでした」ともう1枚到着。

なるほど。



地面をチラッと見た時点でもう分かっています。


↓↓↓

富士急行・河口湖駅、一瞬で確保!



すぐに分かった理由はこちら

この、地面にラインが引かれてるだけの写真で5ヶ月格闘しましたからね。

忘れるわけがありません!





お次は、福岡のよしむらさんから珍しい1枚。

こんな店内でどこ鉄?と思う写真ですが、

「ここのスタバのテーブル下に線路が使われています」とのこと。


そんなお店があるんだ!と感心しながら検索。

思ったより見事に出てきた。

(ロケットニュース記事より)



というわけでスターバックス門司港駅店、門前の確保!

昔の駅施設を利用した店舗なのは先日訪問した時に知ってたけど、スタバ入るのに躊躇する人間なので店内の事までは知りませんでした!





続きまして、カメラマン西村さんから「難しいと思います」と1枚。ほうほう、どんなだろう。

ガッシリと高規格な線路が敷かれた高架駅。

配置は2面4線か。



写真奥を拡大。

この高架の右側にも、もう一つ高架がある。


線路幅を確認、一般的な1067mmの狭軌。


という事は、右側の並走高架は新幹線ではないか?



ここで以前にワッティさんからもらった北陸本線の小松駅が頭をよぎります↓

うむ。今回の駅と非常に似ている。

(よくこんなの解いたな…)



北陸新幹線と北陸本線(新幹線が開通したら第3セクターになる)の並走区間を捜索開始。



カギとなるのはカーブしている高架駅であること。



そう、こんな感じにね。



見つけ出した写真↓

北陸本線・福井駅、5分で確保。





隣に並走する北陸新幹線は、来年3月の金沢〜敦賀延伸開業に向けて試運転を繰り返しているところです。ワクワクしますね!






さあお次は、静岡のひさえさんからの1枚。

夜の路面電車。



最も気になるのは単線であること。

路面電車は全国どこでもだいたい複線で、単線区間はけっこう珍しいんじゃないかな…?



まず思いついたのは豊橋鉄道の市内線。

末端のほうに単線区間があったはず。

静岡と豊橋はそれほど遠くないし、ありうるぞ!

↓↓

確かに単線区間はあったものの、郊外なので両側の景色が違う。



問題写真↓

アーケード屋根つきの商店街や高いビル。

おそらくどこかの都市の中心街だろう。

中心街に近いところで単線、、、



札幌の狸小路あたりに、アーケード商店街があった気が!



一気に札幌へ。

しかし商店街は電車通りと直交するアーケード街だったし、路面電車はそれぞれ道路の両端に線路がある(珍しい)構造。

私の記憶違いでした!




さて。

全国に20路線ほどもある路面電車の単線区間を、どうやって突き止めようか。。

さしもの配線略図大先生も路面電車についてはデータが揃っておらず。



とにかく写真を拡大して凝視を継続。

すると。

この道路信号機、縦じゃない?


反射でよく見えなかったけど、ここまで拡大してようやく確信。



縦の信号機=雪国の特徴。



雪国出身の人ならご存知と思いますが、雪が積もらないよう(積もる面積を減らすために)縦型になっているんですね。最近の薄型LED信号機でも、やはり縦なのは相変わらずです。(LEDは温度が低いので電球式より雪が溶けにくくなったという新たな悩みもあるとか)



よし。

路面電車の単線区間を検索しながら、出てきた路線のなかで雪国に注目していこう。



高知、熊本など南の路面電車がチラホラ出てくる中で引っかかったのが、富山県



北陸地方は日本海側で雪の多い地域。



すかさず記事へ潜入。

おやーっ?


この画像、単線の路面電車と丸いアーケード屋根の商店街、、、ここだな!



あとは現地で細かな地点を仕留めるのみ。



では元の写真↓


探し出した写真↓

やはり信号機は縦型!


アーケード下にあるこちらの店舗も、


念のため仕留めておきます↓

ヨシ。


というわけで高岡市の路面電車・万葉線の高岡〜末広町間の商店街、確保!!!


まさか高岡だったとは。
信号機に助けられましたが、なかなか厳しい問題でした!




さて稽古に向かう時間も迫り、ここで記事を締めようと思っていたのですが、、書いているうちに興が乗ってしまいました。


よし、もう1枚だけ解いちゃおう。



稽古場行きの電車の中で選んだのは、日下さんからの1枚。

「珍しい駅に来たので久しぶりに」と送ってくださいました。



珍しい駅ね、、、

左側には保線用の車両街留置されていて、

設備の感じはJR東日本、

ホームは2本で、左のホームに接していた線路は剥がされたのかな?上下線それぞれ1面1線ずつの構造か。


最大の特徴は、

線路の間を水が流れている、事よりも右側の柱の色。



こちらも記憶に残る、以前もらった越後湯沢駅の写真↓

くすんだ柱の色が同じ。



線路の間に水が流れていたのは、豪雪地帯によくある排雪溝だろう。



新潟県の上越線沿線にロックオン。

配線略図大先生召喚。

↓↓


この中で、ホームと線路が交互になる2面2線構造の駅を当たっていこう。



では元の写真(拡大)↓


見つけ出した写真↓

奥に見える特徴的な屋根の家々が一致。



JR上越線・小千谷(おぢや)駅、行きがけの電車の中で貫禄の確保!


捜索に集中しながら2度の乗り換えもミスなしで遂行し、鉄道オタクの真髄を見せつけます。




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今回は以上です。



筆の滞っていたこの1ヶ月ですが、おかげさまで着々と写真は届いております。本当にありがとうございます。



気持ちも新たに、次の写真に取り組んでいきたいと思います。



重ね重ねになりますが、12月の舞台、ぜひともお越しくださいませ!



ではまた!