どこ鉄145 〜殺風景を見つけ出す | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



JACROW『焔 〜ほむら〜』の稽古で試行錯誤を重ねている毎日です。

どの役も、シーンも、圧倒的にパワーアップしてきました。楽しんで頂ける作品だと自負しております。6月、ぜひ劇場へお越しくださいませ。




それでは稽古の合間にコツコツ取り組んできた写真たちとの格闘をお送りしていきましょう。




まずはカメラマン西村さんからの1枚。

半分以上屋根。

様々な要素が写り込まないよう配慮した結果、この画角にならざるを得なかったようです(笑)



私が注目するのはもちろん写真上部の鉄道要素密集地帯。

左側に在来線ぽい駅。

右側には高規格な線路が見える。線路幅はどうだ…新幹線か?新幹線にしてはカーブがきつい気もするけど……


さらに拡大すると。

在来線のほうに車両発見!

だが屋根にかぶっていて判別が難しい。


特徴としては、前面が黒で車体断面がストレートな車体……



確かJR東日本のハイブリッド車両に、こんなのがあったはず。

(JR東日本HPより)

これじゃないか?


しかし運行区間のなかで新幹線や高規格の路線が並走する区間をざっくり捜索するも、該当は無し。


前面が黒、ストレート断面、2両くらいの短い編成、他には……



JR西日本、九州などの車両をひとしきり捜索。


コイツ(右側)か??


なお左側の車両は821系という形式で、よく似た車両ですが車体断面が違うのが分かって頂けると思います(821系は裾絞り)。


これらの車両は前面の枠にもLEDが仕込まれていて、一部で「イカ釣り漁船」「パチンコ屋」などと揶揄されていましたが現在は点灯させないようです。



さておき。

窓下にうっすらラインが入っているのも共通!



よしYC1系だな。



運用範囲を確認。

(Wikipediaより)

長崎県でのみ運用されているのか。



長崎県で高規格路線といえば、開通したばかりの長崎新幹線(西九州新幹線)


あとは新幹線と在来線が並走する駅を探すだけ。


いざ沿線へ。

ほう…この諫早(いさはや)駅、新幹線がいい感じにカーブしている……ホームにかかる屋根もいわくありげな……



では元の写真↓


探し出した写真↓

ウム、申し分のない写真を見つけることができた。スタバがちょっと怖いけど。


というわけでJR長崎本線・西九州新幹線(&島原鉄道)の諫早駅、ギリギリの車両分析により20分ほどで確保!!






さあ続きましてはお初の方、今回共演させていただくJACROWの看板俳優・狩野和馬さんからの1枚。ありがとうございます!

形よく伸びる線路は幅が広く、整備されたホーム、背後には大きな山が迫る。



まず向かうのは関西の、阪急系列の能勢電鉄(のせでん)。

関西の標準軌(線路幅が広い)私鉄のなかでもいちばん山に近い所を通っているから、という推理。

このあたりなんかどうだ?


問題写真から2面4線の駅と推定、配線略図大先生をお呼び。



該当する駅は無いか……平野駅をいちおう見てみよう。

だいぶ違った!



問題写真に戻って、豊富な鉄道要素を確認。

この発車標から辿ることにしよう。


というか他の関西私鉄で山の近くを走るのは近鉄しか考えられないので確認ということ。


うむ。フォントも間違いない。



近鉄の山越え区間といえば、榛原(はいばら)あたりから名張を経て青山越えをする区間か?

このあたりを見てみよう。


大先生をお呼びし

2面4線クラスの駅をチェック。



まずは榛原駅から↓

いい感じだが、柱の色が違うか……


問題写真↓

こちらは深い緑色。



名張、青山町、東青山と当たりなく進んでいくなかで、画像を拡大して気になる箇所が。

これ、赤福の広告じゃない?


言わずと知れた伊勢名物ですね。



そうか伊勢か……



略図大先生を伊勢方面にスイッチ。

五十鈴川駅が2面4線だな。



では元の写真↓


見つけ出した写真↓

5年前だから細かな灯器類やホームの舗装は違ってますが、駅は間違いなし。



近鉄鳥羽線・五十鈴川駅、ご本人の目の前で30分以内に確保!!!



初めて写真をくれる人には、やっぱりその場で解いてみせたいですからね、よかったよかった!





続きまして、今回JACROWの音響スタッフKANSさんからの写真。

こちらも稽古場にて「これはさすがにいじわる過ぎるよね?」「きっと分からない」と言っておられましたが、

僕「とりあえず下さい」

その1枚。

線路と壁。景色ゼロ

壁にベランダのようなものがついてるのが気になりますが、あんなものを調べ出すのは無理だろう。


前フリありがとうございます。


正直に言って解ける可能性があると思ったから「ください」と言ったのです。



さて唯一の要素は、

乗車位置案内。


◯と△を使うのはJR西日本の特徴じゃなかったっけ?検索。

◯の中に数字が入ってないのは少々気になるけど、とりあえずJR西日本の駅を探そう。

青い丸だったのは、ラインカラーを示しているのか?


写真に戻って。

地下駅ではなく、おそらく駅舎や商業施設が上に覆い被さっている構造の駅だろう。右側が少し明るく見えるのがその根拠。



青いラインカラーを使っている路線を念頭に大阪や京都から開始、地域自体のカラーが青の金沢地区へ。

壁は発見したものの違ったか…!



このまま広大なJR西日本の全域を、しかもあんな殺風景な壁を探す旅に出たくはない。またメンタルがやられる。



乗車位置案内の調査に戻り、素直に「三角」で検索。

あっ!青い丸と三角の中に数字!!!


素晴らしいページへ潜入。

なんともシンプルなページ名の中に並んでいたのは、近鉄名古屋駅の乗車位置案内。

また近鉄だ!



とにかく近鉄名古屋からまた伊勢方面へ出発、大きな構造物が乗っている駅を捜索開始。


近鉄四日市は大きな駅だけど、上に構造物が乗っていないのでスルー。



津。

そうそう、こういう感じ。



駅構内を徘徊。

向こうに壁発見!



では元の写真↓


探し当てた写真↓

完璧。


近鉄名古屋線・津駅、どこ鉄クオリティをまざまざと見せつけて確保!!!


前フリからの驚き、誠にありがとうございます。



さらにKANSさんからもう一枚投入されましたが、

こちらも近鉄ですねえ。


今回は紛れもなく地下駅。

レールの間に「10」の表示。

おそらく10両編成の停止位置。

近鉄で10両編成が走る路線といえば、まず思い浮かぶのは難波〜奈良間の近鉄奈良線。その中の地下駅。

というわけで近鉄・大阪難波駅、一丁上がり。



同じ球種を続けるとこうなりますよ!





さて今回ラストは、中山さんからの1枚。

いくら何でもこれは無理ですよ。



何も写ってないし!返品するかヒントもらうしかないよ!



「楽勝だとは思いますが」とのコメントでしたが、何か勘違いされてませんか!!!???






そう思っていました。



CPラインの黄色が京王と勘づくまでは。



しかも線路幅が普通=本線系統ではなく井の頭線。


ホームドアはない。


柱がある=やはり駅の上に駅舎が乗っているような構造。



では元の写真↓


仕留めた写真↓

京王井の頭線・東松原駅、こんな無茶苦茶な写真をどうにか一瞬で確保!!!



これはもう、京王だから奇跡的に解けたのであって、こんな写真は今後あんまり受けつけませんからね!よろしくお願いしますよ!



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今回は以上です。



こうやって、何も写ってないような写真も解いてしまうから、また皆様が警戒して鬼のような構図の写真が届くんですよね……どうしたものか。



ではまた!