どこ鉄124 〜執念の超ロングラン | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



おかげさまで40枚の写真が手元に届いておりまして、本当にありがとうございます。


もはや嬉しい悲鳴どころではなくなってきていますが、何より写真をくれた皆様をお待たせするのは申し訳ない!ということで今回もバリバリやっていきましょう。



まずは加瀬さんからの1枚。

おなじみの画角。



写真奥を拡大。

まず左側にある箱、文字はギリギリ読めず。


これが読めたら致命的ですからね、まあ良いでしょう。


それより重要なのはこちら。

車両。



手前にクルマが被ってるけど、どうも東武8000系に見えるな……

この電車は東武鉄道で最も大量に製造された車両なんですが、経年により徐々に車両数を減らし、また都心部からも姿を消しつつあります。


その中で例外なのが東武亀戸線・大師線。

都内を2両編成の8000系がのんびり走るローカル線。


車両は真ん中を走る本線から横にずれた位置にある。


両ローカル線が分岐する曳舟駅・西新井駅を見てみよう。

しかし亀戸線が分かれる曳舟駅は高架複々線の駅。


西新井駅も複々線区間のため、問題写真より線路が多く。


線路(本線)は上下2本。

東武伊勢崎線(スカイツリーライン)は複々線区間がかなり郊外まで続いてるから、、池袋から出ている東上線はどうだろう?(とりあえず8000系縛りは外す)


そして路線の分かれる地点ではなく、車両の留置線が本線の横にあるのではないかという推理。


写真手前側にはいつくもの分岐が見える。

すなわち、そこそこ大きな駅にある留置線。


配線略図大先生召喚。

おや?

分岐の多い配線と、下り方の本線横に一本だけある留置線。



こちらになりますかねえ。



では元の写真↓


探し出した写真↓

東武東上線・成増駅、盤石の確保。



なお留置されていた車両は8000系じゃなくて10030系のようでしたが、

まあいいでしょう。どちらも少し前の東武標準顔です。




続いて加瀬さんからもう1枚。(まだあと5枚以上届いてるから早く処理しなきゃならん)

青いガードと、下には東急ストア。



まずは東急沿線でストア入力。

さすが自社エリア内。


駅の下を道路がくぐる形になっていること、ガードが太い=おそらく何本もの線路がありそうなこと。


これらを念頭に入れて、まずは蒲田駅。

全然違った!

(惹かれる道の名前)



ガードで思い出すのが五反田。

ちっ、山手線のガードは緑か。



いちおう見てみる中目黒。

まあ中目黒っぽくはない写真だったもんな!



東急沿線には駅がむき出しのガードになっている場所は少なく、またガードは↑中目黒のようにグレーに塗装されている事が多いです。


よし東急沿線以外で探すことにしよう。



そういえば「こんなところに東急ストア?」と思っていたJR中央線の高円寺はどうだ?

残念!



こうなったら東急ストアの店舗から徹底検索。

地名(駅名)を見れば、なんとなく駅の構造ぐらいは頭に浮かぶんだからな!

ん、綾瀬?東急と全然関係ない綾瀬にもあったのか!


綾瀬……JR常磐線と東京メトロ千代田線…複々線…高架駅…ガード……



綾瀬駅前へ向かい「東急ストア」入力。

駅の下に店舗。くぐる道!



では元の写真↓


見つけ出した写真↓

というわけでJR常磐線&東京メトロ千代田線・綾瀬駅、完璧に確保。



東急沿線じゃなかった、という所がミソだな!





さあ続きまして、久しぶりの日下さんからの1枚。

いい空だ。



容赦なく拡大。

目に飛び込んでくる「大和」「ホルモン」「肉」そして「横浜」の文字群。



これは致命的ですな。



大和といえば小田急江ノ島線。

すぐさま現地へ。

架線柱は良い感じだが、少し低いか?



大和駅では相模鉄道も十字に交差しているので、そちらの様子も一応確認。

架線柱の質が違う。



やはり小田急だな。

小田急大和駅は高架駅のため、そこから下りた両隣の駅までの間を丹念に検索。

駅すぐそばに「横浜」の文字が入った店発見!



では元の写真(の拡大)↓


嗅ぎつけた写真↓

というわけで小田急江ノ島線・桜ヶ丘駅、確保!



肉まみれの捜索になって申し訳ない!





どんどん行きましょう。ワッティさんからの1枚。

悪めの画角、ホーム下に印象的な文字。



まず目をつけるのはこちら。

待合室に映り込む車両。



E7系だな。

北陸新幹線で運用されている車両です。

(JR東日本のE7系とJR西日本のW7系はほぼ同じ)

最近は上越新幹線でも走り始めていますが、上越のほうは↑青の帯がピンクになっています。



さて。


黒いマットが敷いてある線路はおそらく通過線。

北陸新幹線自体は、1998年以後に開通した比較的新しい新幹線。現在も福井県で建設が進んでいますが、費用の関係もあり↑このような通過線を持つ構造の駅はありません。


すなわち、北陸新幹線が直通する上越新幹線の高崎〜大宮間。設備の風合いから見てもそうだろう。


では元の写真↓


見つけ出した写真↓

ホーム下の文字も完璧。



上越新幹線・熊谷駅(埼玉県)、スピーディーに確保。





さあ続きましてはお初の方。

芦原健介監督の映画『マニブスの種』で共演した、ヒロイン役の小島彩乃さんからの1枚。

なんだこれは。



……画角で映らないところはスマホの画面を見ろって事か?いまいましいテクニックを使いやがって!

顔写ってるし!



写真とスマホに映っているホームには、高架駅かな…という以外には特徴が見当たらず。



とりあえず車内を見てみるか。

特急のようなクロスシートの座席。

窓が広い。

窓枠は銀色。

肘掛けはグレー。


そして窓下の壁が、床に着くところでほんのりカーブを描いている。

これは裾絞りの車体だ。

さらに床はグレーのまだら模様。


……「電車 床 グレー まだら」で検索。

一番最初に「電車」って言ってんだけどなマジで。



JR東日本の標準的車両で決め打ちも(E231系)、

床がまだらではなく、窓枠も白い樹脂系。


そう、窓枠がガツンと銀色なのは、少し前の車両なのかな…?


とにかく、車両から辿るのも難しい。



悩みながら数日放置していたある日、アシケン監督の新作映画に小島さんと2人でチョコっと出ることになりまして。

会うなりの会話はもちろん「あの写真、解けました?」ですよ。



クーッ!待ち時間のあいだに絶対解いてやるからな!


とは言え、ただ「高架駅っぽい」だけでは捜索のしようがない。



次なる標的は。

ベンチ。



このどこにでもありそうなベンチから辿り着いてやる。

僕には強い味方がいるんだからな!


鉄道雑学研究所 北広島支所さんのページ!

日本中のいろんな鉄道会社のベンチを集めている素晴らしいサイトなんだぞ!


こうやって見ていけば、あの背もたれのない、座面が木材でできたベンチも出てくるはず……!


全閲覧無事終了。



クーッ!



…僕があまりにも顔をしかめてブツブツ言いながらやっているものだから、小島さんは何度も別の写真を送ってくれようとしておりました。



ベンチの全閲覧が終わったところで、無念の頂戴。

さあスマホに映っていた画像がこちら↓

ん?


右下に赤い乗車位置案内!


これだな。

あっ、北広島支所さん!先ほどに続いてお世話になっております!



さて、九州は確定した。

やはり高架駅、少なくとも2面以上のホームを持った、そこそこ大きな駅。



九州の高架駅で真っ先に浮かぶ佐賀駅へGO。

……いい感じだが、決め手がない。



次は宮崎駅。

ここは柱が青い!



大分駅も違い、熊本駅は最近高架化されたばかりの新しい駅なので除外(最近出てきた折尾折尾も)



(どこ鉄をしながら撮影は終了)



うーむ、検索に頼ってみるか。

素晴らしき知恵袋!ありがとうございます!

枝光とかスペースワールドも懐かしい。



10年以上前のデータである事は気になりますが、とにかくこのラインナップから捜索。


大分県の中津駅。

いい感じだが……


どこを決め手にすればいいんだ?奥の壁の感じ?


最終的に全ての駅を捜索、だいぶ苦労しましたが。



では元の写真↓


ようやく探し出した写真↓

決め手は立体駐車場とその奥のビル。

というか、それしか決め手がないから見つけるのが大変だった!



このベンチは、、、


これだな!!!

というわけで鹿児島本線・千早駅(福岡県)、撮影撤収後にひとり公園のベンチに座りながら確保!!!


いやー観光地でもない福岡都市圏の通勤駅を送ってくるとは、手ごわい問題だった!



なお最初に言った「裾絞り」ですが。

問題写真の当該車両だったJR九州813系をご覧ください↓

(Wikipediaより)

裾絞りですねえ。


よく似た車両である名鉄9500系↓


車体断面がストレートですね。


大雑把に説明すると、鉄道には車両限界(これ以上大きくしたらダメ!)というものがありまして、特にホームなどの構造物と接触しやすい車両の下半分は厳格に決められてるんですね。
上半分は若干広くなっているので、車内を少しでも広くするために、ああいう形になっているのです。

(同時に「構造物はこれ以上入っちゃダメ!」という建築限界もあります」)

ちなみに国鉄(→JR)のほうが私鉄よりも限界が若干広くなっています。国の力でゆとりを持って全国に線路を敷いた国鉄と、古くから都市部など人口の密集した地域を狙って開業した私鉄では当然の違いとも言えますね。
なので裾絞り車体を採用しているのはJRの車両のほうが多いです。


僕よりちゃんとした人が書いてる記事がありました↓

以上、捜索には役立たなかった豆知識でした。


それにしてもやはり、、ヒントの写真をもらうと解ける確率がグッと上がるな………




前回の続き、鉄はる君からの1枚。

ここまでの顛末はこちら↓をご覧下さい。


うーむ。


ヒントの写真をもらうべきか。



いや、まだもう少しだけ、捜索をしてみよう。


前回まで捜索した路線はこちら。

青梅線 五日市線 八高線 川越線 相模線

南武線 横浜線 仙石線 成田線

中央線(高尾以遠 総武本線 東金線

鶴見線 日光線 伊東線 横須賀線 両毛線



ほんとに、この中に無いのかな……?

見落とした駅もあるかも知れない。


なにしろ決め手が、線路の向こうに茂みがあって住宅が数件建っているだけですから!


CPラインに関しては前回のとおり2017年頃から徐々に広まっているもので、見つける画像に反映されているとは限らない。


とは言え、CPラインがあるってことはそれなりに乗降客数がある駅だし、それにしては茂みもあって商業施設も全く見えなくて……



改めて前回捜索区間から、川越線・八高線・相模線という東京外縁を走る路線を再捜索。



SUKA。



そこからまた徐々に範囲を広げて。

(西武鉄道ホームページより)

西武にもあるのか!



(全線捜索無事終了)



私鉄つながりで、やはり東京外縁部を走る東武野田線は?

やはり架線柱の感じが違うか……



その後再びJR東日本に戻り、

この駅、茂みと住宅が見える……!!


↓↓↓

ちょっと深すぎた!このへんの塩梅がほんと難しい!



というわけで東海道線(熱海まで) 東北本線(黒磯まで) 

改めて南武線 

外房線 内房線 武蔵野線 高崎線


捜索無事終了。




もうダメだ。




首都圏の路線で少しでも思い当たるところは、全て捜索し尽くした。




……新潟行ってみるか。




JR東日本で首都圏を除いて通勤輸送が多い地域といえばまずは仙台地区ですが、仙台は交流電化。


このシンプルな架線柱を見るかぎり、交流とは思えない。(仙台地区唯一の直流電化・仙石線は既に捜索済み)



直流電化区間で首都圏に次いで通勤輸送が多い地域といえば、新潟。なかでも越後線。



越後線でも乗客の多い、新潟大学最寄りの内野駅までの区間だけでも見てみよう…。



寺尾駅。

うーむ。


そこそこ家は建ってるか。



とりあえずの終点と決めた、内野駅ひとつ手前の新潟大学前駅。

茂みというよりは土手っぽいかな……


ん?


んんーーーー?



なんか今までの駅よりすごく、すごく、ぽいぞ!!!!!



さらに駅の画像を注視。

あーーーっ!!!!!



この微妙な段差!


これだろう!!!



やっっっっと見つけた………!!!!



それでは、元の写真↓


ようやく、ついに探し出した写真↓

JR越後線・新潟大学前駅、首都圏で心をボキボキに折られたものの執念で新潟へ飛び確保!!!

これが「どこ鉄」の実力だあっ!!!




いやー、まさか新潟だったとは。



鉄はる君いわく「学会で新潟大学に行きました」とのこと。え?偉い人なの?


さらに「遠出する予定があるという事さえ、SNSに書かないようにしていたよ」とも。



おかげでさんざん苦しめられた!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



久しぶりにゴリゴリの記事になりましたが、楽しんで(読み疲れして)いただけたら幸いです。



さて。

実は私のもとには、あのN会長からまたしても恐ろしい抗議文が届いております。


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抗議文


貴君に告ぐ。

貴君の執筆されたる「どこ鉄」というブログに対し、断固として抗議するものである。

申し遅れたが、私は「楽しい鉄道旅行を取り戻す会」2代目会長Nである。初代会長Nは貴君との論争の果て、あろうことか「撮り鉄」化してしまい、鉄道旅行において駅に停車するたび、降りては画角をあーだこーだ言いながら線路を撮影するという愚挙をするまでに精神を破壊されてしまったすべては貴君の悪書のせいであると糾弾する。そこで初代会長Nのような廃人を二度とつくってはならないと私は立ち上がったのである。

言うまでもなく「楽しい鉄道旅行」とは線路の画角をあれこれ考えることに時間を浪費する旅ではない。青空を、美しい自然を、飛ぶ鳥を見ながら、つまり目線を上にあげて楽しむ旅である。断じて目線を下にさげる旅ではない。そういう日本人の卑屈な俯き行為を推し進めんとする「どこ鉄」を即刻廃止されたし。

聞き入れられなければ木村武雄先生に陳情し、厳罰を処すよう訴える所存である。

貴君の英断を期待する。


2022年8月 楽しい鉄道旅行を取り戻す会 

2代目会長N

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初代N会長は廃人になってしまったのか!


2代目になっても圧の強い文章は健在だな!



次回はこの抗議文に、僕なりの答えを出していきたいと思います。



ではまた!