どこ鉄120 〜偶然も絶望も実力のうち | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ鉄鉄夫です。



9月になってもバタバタと過ごしておりまして、更新が滞っております。次第に新しい生活に慣れていくと思いますので、どうぞよろしくお願いします。



それでは今回も、濃厚な写真たちに取り組んでいきましょう。




まずはおなじみトップバッター加瀬さん。


ほう、何かを消してますね。


線路の幅や敷地の広さから、首都圏のJR路線だろうと推測できます。

そして最大の特徴は奥に見える青いアーチ橋。



駅からほどなく大きいアーチ橋が架かっているような場所は、都心部(山手線内)にはない。



線路がずっと地上を通っている様子からも、何となく東海道線沿いっぽい香りがする……



駅からすぐに橋がある=鶴見が浮かんだあと、

この消されたゾーンにピンと来ました。



蒲田だな。



蒲田駅の南側に電車の車両基地があることくらいは熟知しております(左下に分岐する線路。そこに出入りする車両を消したんだろう)。



そして都合の良いことに、手前に陸橋もありますねえ…



では元の写真↓


探し出した写真↓

JR京浜東北線・蒲田駅、2分で確保。


問題写真右側で消されていたのは「ユザワヤ」の看板でしたね。

手芸用品店として東京では名の通ったお店で僕もたびたびお世話になっていますが、なにしろ本店が蒲田。

そりゃ消しておきたくもなるでしょう。



消しても2分で当てますけどね。





さあドヤりのウォーミングアップが済んだところで、コンクリート宮本社長からの1枚。

出た、途中の車窓。



何にも写ってないじゃないか!

こんな田んぼだらけの景色をどうやって当てろと?



ひとつだけ分かるのは新幹線の車窓だろうということ。



線路の幅、架線柱のガイシの多さ、線路の向こう側に有刺鉄線つきのフェンスが延々引かれていることから間違いない。



では、どこの新幹線か。



見た感じは東海道新幹線の気がするんだけどな…。



ちょうどこの写真が届いた後いろんな新幹線に乗る機会があったので(嬉しい)、同じような角度で写真を撮ってみました。



まずは帰省で乗った北陸新幹線。

こんな感じ。


仕事で青森に行った時の東北新幹線。

線路写ってないじゃないか!

フォルダを探してもこれしか撮ってない!


(弁解をしますと往復とも夏休みの満席で窓側の席が取れなかったのと、ひとりで青森に行って仕事をする不安で余裕がなかったため)



そして東海道新幹線。

ふむ、


問題写真↓

線路の内側に黒いガードレールがあるのは東海道新幹線のみ。



東海道新幹線から始めよう。



ここでもう一つ注目するのが、

敷地の外側に、微妙に架線のようなものが張られていること。


これは何だろう……もしかしてすぐ脇に、別な路線が通っているのか?



よし、米原〜京都間から捜索開始だ。


ここで最新兵器iPad投入。


今まで使っていた初代iPad miniが、とうとう色んなアップデートに対応できなくなってきたので買ってしまいました。



なるほど2画面に分割して捜索できるのか、これは能率が上がるぞ!



さて、米原〜京都間を選んだ理由は、

このとおり東海道新幹線の高架脇に、近江鉄道が並走する区間があるからです。



いざ現地へ。

しかし、近江鉄道の架線柱は新幹線とは完全に別。

景色の広がりは良い感じなんだけどな……!



並走区間捜索終了。



次は、、、

新幹線の保線用車両などが留置されている線路が、本線から分岐して脇に下りていってるんじゃないか?


そんな推理を根拠に配線略図大先生を召喚。


水色の旅客線から分岐する、細い黒線を追ってみる戦法。



まず気になったのがここ。

平塚市北豊田付近。

新横浜〜小田原の駅間ど真ん中あたりに、密かな分岐線があるんだな。


北豊田、このあたりか。

田んぼも広がっている。


現地を徘徊開始、しばらくすると。

んんー??


あそこに見える鉄塔、コレじゃね???



では元の写真↓


田んぼの畦道の形状をもとに辿り着いた画像↓


架線柱の形状も一致。

275キロで走る新幹線の動画でこの畦道を探し出してビタ止めするのは苦労した!


というわけで東海道新幹線・新横浜〜小田原間の途中の景色、最新機器を駆使して確保!!!



いやーこれは、なかなか良いものを手に入れたぞ!



なお解いた後に気づいたんですが、当てた地点と保線用車両が留置されている地点(推理のもとになった)は微妙にずれていました。

左下が保線用車両、右上が当てた地点。


なので厳密には「単なる偶然で当たった」という事になります。



まあいいや!説明できない偶然だけどこんな事もある!当てさえすれば細かいことはどうでもいい!




さあ続いてはムーチョ先輩からのこちら。

また凄いのが来たよ。



水路と電車の下半身。

普通こんなの撮らないでしょう!



ただし車両は東急電鉄の8000系あるいは8500系で確定。

(東急8000系列研究室さんのページより)


こちらの車両ですね。

ステンレスの車両を補強するために目一杯入った横筋(コルゲート)が大きな特徴です。小さい頃から乗っていた、個人的にとても思い入れのある車両。


残念ながら本家・東急電鉄からは最近引退したのですが、地方私鉄に譲渡された車両たちはまだまだ元気に走っています。



そんな転職先としてまず思い浮かぶのは、我らが地元の長野電鉄。3両になった8500系がリンゴ畑のなかをトコトコ走っています。

(Wikipediaより)


長野なら、あんな水路はどこにでもあるぞ!



捜索開始。

写真から単線区間とわかるので、単線区間の始まる朝陽駅から郊外方向へ。


ここの水路はどうだ?


遠すぎて分からない!


千曲川を越えて須坂市へ。

うーむ。


良い感じに見えるけど、決め手に欠ける。



こんな水路をえんえん探し続ける地味な作業。



このクラスの川は大きすぎるのでスルーでよし!



8500系が走る信州中野までの区間、全線捜索無事終了。

(信州中野〜湯田中間は急坂が多いので、勾配対策のない8500系は入れない)



うーむ、次なる手は。



伊豆急行。

(Wikipediaより)


こちらは8500系よりさらに年上の8000系が運用されています。


伊豆急の車両は熱海から伊東までの間、JR伊東線にも乗り入れているので、熱海から捜索開始。

さすがに伊豆半島の起伏の大きさを感じます。



ここ、水路だよな?(小さい水路を見つけるのが上手になりつつある)ここはどうだろう?


違うかー!!



終点の伊豆急下田に到着、獲得したのは絶望感のみ。



うーむ。

右端にガードレールのようなものが見えるから、田畑のど真ん中ではないよな……。



他にこの車両走っている路線ってあったっけ…?

頭に浮かんでこないので、再び長野電鉄に戻って数往復捜索、SUKAの上塗り。



くそーっ、、こうなったらあれしかない!





8500系が譲渡されたローカル私鉄をネットで調べます。




思い入れのある車両だからこそ自力でやりたかったけど仕方ない!



検索。

(getnavi.webより)


そうか、、秩父鉄道を忘れていた……!!!


秩父鉄道には同じく東急から、8500系より若い8090系・8590系が先に譲渡されていまして(主力車両になっている)、だいぶ後になってから古い8500系もチョコっと譲渡されていたことに対するマークが甘かった!



オタクのベラベラした言い訳はさておき捜索開始。

秩父鉄道の起点となっている、平野部の羽生(はにゅう)駅から出発。


いい水路だが、ここではないか……



ここにも水路発見!


どうだ?

残念!



秩父鉄道を捜索し始めて数分、あることに気づきます。



埼玉県、水路メッチャ多い。




鉱脈を掴んだような僅かな興奮と、だからこそ一本の水路も見逃してはならないという警戒心を持ちつつ捜索継続。


このちょっとしたやつも見逃さないんだから!


(SUKA)



もう何が正しいんだか分からなくなってきた!



平野部が終わり、線路は荒川沿いの谷筋に入っていきます。



山間部にあんな水路はあるだろうか、との不安もよぎりますが、論理的に考えて秩父鉄道しか残っていないので、ここは心を鉄にして継続あるのみ。


ウーーーーッ!!(謎のうめき声)



長瀞を越え秩父を過ぎ、そろそろ終点の三峰口に近づいていきます。



もしここで見つからなかったら、、、



不安と絶望も限界まで高まる中、終点2つ手前の武州日野駅付近。

ここの水路はどうだ?

ん、、??


ここじゃ、、ないか????



ここでようやく使える伝家の宝刀・問題写真拡大!!

電車の床下機器の向こうに見える、何か。



これじゃないか!!???



さらに。

石の並びも、コンクリート橋台も手前に張られた黒いロープも一致。




やっと来た。長かった。




というわけで、

秩父鉄道・武州日野駅付近の水路、思い当たる範囲の最後ギリギリで確保!!!!!



なおムーチョ先輩にこの地点と写真を送りつけたところ、最初「違う。。」との返信をもらいさらに絶望の沼に沈むところでした。



ただ何度見返しても、ここの地点以外には絶対に考えられないのでアピールしたところ「ごめん、俺の勘違い。正解!」との返事をもらいまして、何とか胸をなで下ろしました。


最近なかなか写真を解けてなくて、送った方々も忘れてしまう可能性ありますからね、私も頑張っていかなければと思います!




さあ今回ラストは、伊豆で仲良くしてもらっている工藤さんからの1枚。インフラ関係のお仕事で、現在ドバイに1ヶ月超の出張に行かれています。

ものすごく、そういう感じの場所ですね。


噴水の向こうに旗。

国際的な匂いがプンプンします(語彙力がローカル丸出し)。



せっかくなので現地滞在中に当てたいと思い、先に取り掛かることにさせて頂きます。



さて。

どこに鉄道が通っているか、全く分からないぞ。


必殺・「路線図」の項目をタップ。

お!地下鉄だかなんだか知らないけど浮かび上がってきた!



まずは赤いラインを、空港側から捜索開始。

問題写真では駅前ロータリーに噴水と植え込みがあるように見えるので、そんな地点を探してみよう。


と思いながら進んでいると。

あれ?

向こうに見える高架が、鉄道そのものの高架ってこと?


じゃあ、ここは駅ではないってことかな…

視点を入れ替えてさらに進みます。

ドバイは今も開発の真っ只中なのか?

こんな空き地に駅があるなんて……現在ではどんな豪勢な建物ができているのか分かったもんじゃない!



赤いラインを終点までざっくり捜索完了、無事。



他のラインも調べてみると、

こっちはトラム(路面電車)か。



全く土地鑑のない場所で立ち止まります。

さて。




やはり1番頼りにするのは問題写真以外にないということで、拡大してジロジロしていると。

ん、飛行機のマーク!


やはり空港に近い場所ということか???



もう一度空港に戻って、改めてじっくり捜索。

ロータリーと植え込みのありそうな場所は……



てか空港バカでかいな!


空港だけで4〜5個も駅があるぞ!



これがドバイかと唸りながら、やっと空港から少し離れた地点に差し掛かった時。

ここ、植え込みとロータリーらしきものがあって、向こうに鉄道の高架がある……。



すかさずストリートビュー。

旗!



ここだな!



では元の写真↓


探し出した写真↓


というわけでドバイのル・メリディアン・ドバイ・ホテル&カンファレンスセンターの入り口、確保!



ちなみにこのホテル、有名な5つ星ホテルのようで、

このようなリア充どころでない写真たちを何千枚と眺め続け、どうにか入り口から外側を写してくれている写真を見つけました。。



なんだろう、田んぼや水路を眺め続けるのとはまた違う、この経済的な匂いのする疲れ。



(工藤さんもさすがにこのリゾート感満載ホテルに1ヶ月宿泊されているわけではなく、ランチで行った時の写真との事でした)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



久しぶりの更新なので長くなってしまいましたが、楽しんで頂けたら幸いです。



気がつけばフォルダには30枚近い写真が。

2代目N会長という重鎮からもまた抗議文が届いてるし!



ヒーッ!



来週から免許合宿に行くので、万が一時間と心に余裕ができたらバシバシやっていきたいと思います!

ほんとに、そんな余裕できるのか?



ではまた!