リアルどこ鉄 | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。



最近ずっと頭を悩ませていたこの写真、

とうとう「リアルどこ鉄」として画面を飛び出し現地に行ってきましたので、今回はそのレポートをお送りしたいと思います。




当日は、いつも豊富な写真を送ってくださる加瀬さんと、「素人どこ鉄」をnoteに書いてしまう佐々木美佳さんが同行して下さいました。嬉しい!




当日のワタクシ。

急遽前日に夜勤が入ったため目ノ下隈吾郎となっておりますが、Tシャツはもちろん自作の営団Sマークで気合充分。



美佳さんはFacebookのほうでライブ配信もやってくれました。ご覧くださった皆様、ありがとうございました!





さて出発の前に。




なぜ「人を集めてでも大丈夫だろう」と現場を99%確信するに至ったかを解説します。




前々回の記事の後、出題者の未来さんから「上野〜日暮里間ではない」という衝撃的なコメントを頂きました。


おそらく「このままでは貴夫君が間違った場所に行って途方もなくウロウロしてしまう…!」という優しさで送ってくれたのでしょう。



自分の見立てが違ったことに愕然としましたが、逆に言えば大きなヒント。上野〜日暮里間以外で探せばいいわけです。




(プラス思考な感じで書いたけど実際はケツに火のついた心境)




…とにかく線路がいっぱいある区間を調べるしかない!!




まず思いついたのは東北本線・大宮駅あたりの界隈。

(Google earthより)


大宮駅付近は分岐が多く、また線路を見下ろすような場所も見当たらず。↑隣のさいたま新都心駅の付近も留置線ばかりで、問題写真とはどうも違う。




次に、東海道線や京浜東北線の鶴見駅付近。

こちらも良い感じですが、やはり分岐があったり問題写真のような段差は見当たらず。




うーむ……!




ここで、Facebookに興味深いコメントが入りました。



以前お芝居でお世話になった、音響スタッフ(鉄道現場で電気工事の経験有り)の長谷川ふな蔵さんです。



↓↓↓


場所は特定出来る能力は無いけど、ここは工事中なのはわかる。


枕木が途中まで交換してあったり、その線路の脇に信号ケーブルが養生して転がってるのが見える。

電柱はインテグレート電柱だから幹線なのかも知れない


砕石が普通より小さく見えるから住宅地を走ってるのかなぁ


素人考えだけど。


線路が沢山あるのに歩行板が無いから電車区や車輌センターじゃ無いのはわかる。


白い縁石に見えるのは通信用のトラフに見える


↑↑↑


聞きましたか皆さん!!!




これですよ!!!




何言ってるか分からない専門的なセリフって面白いですね!!!(実際は8割理解)


いやー砕石(砂利)の大きさまでは目が行かなかった!



あとインテグレート電柱?何でわかるの?



インテグレートって何???



細かな疑問とそれ以上の興奮が渦巻きますが、この知見と僕の知りたい要素を集約すると、




やはり都市部で、たくさんの営業路線が並走していて「工事」が行われている区間という事になります。




上で見た2つの駅は、路線が集まったり分かれたりする分岐駅という側面が大きい。



それよりは、とにかく純粋にたくさんの路線が並走している区間……(その見立てで上野〜日暮里を選んだけど、そこでは無いという事実……)




ハッと思い浮かんだのが、品川駅の南側。


ここは山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線がごく短い区間だけ並走しています。(隣には東海道新幹線も)



ここか?ここじゃないのか……??


左から山手・京浜東北・東海道・横須賀(・新幹線)の並び。


ここに見える3つの橋からの眺めなど、さんざん調べました。



しかしどうしても、しっくり来ない。


↑問題写真では線路が微妙にカーブしているけど、ここは直線、、

マップ右側の横須賀線は早い段階で段差がついてる、、



この区間だと思い込みたい気持ちを、事実がそうさせてくれない。




ゾンビのような目で写真を拡大して見ていた時。

問題写真の右上端にある、ちょっとした段差。



ここ、ずーっとただの段差だと思ってたけど、、、


ひょっとして段上の線路は東海道新幹線じゃない…?



そして丸で囲んだ何かの杭。



見事に電線と被って表記が見えないことに最初からずーーーーっとイライラしていたけど、これは在来線(JR東日本)と新幹線(JR東海)の境界を示しているのではないか?




そう仮定すると、東海道新幹線と在来線がほぼ同じレベルで並走する区間……東京〜品川間のどこか……!!



さらにカーブがあって、工事をしている場所!!



そして調べた区間で99%の確信を得たものの、柵に遮られていたりで同じような狂った写真はネットでは見つからず、、、

さあ準備は整った。お待たせしました現場に行きましょう。




以下、動画キャプチャになりますが(アナログ人間のため動画を上手いこと出来ず)、



加=加瀬さん

佐=佐々木美佳さん

鉄=ワタクシでお送りします。



鉄「今日はこんな事のために集まってくれてありがとうございます」

佐「ほんとだよ」

加「実際この目で確かめないと」



すこぶる和やかなスタートですね。




その後ワタクシが、実は乗ってきた電車の中から「架線柱の手前に、養生してある銀色ケーブルを見つけて確信をさらに強めた」という話をします。

これですね。



加「そんなの、どこにでもあるんじゃない?」




至極真っ当なツッコミでございます。



なお現地へ向かいながら、

先ほどの捜索で出た、段差=新幹線を思いついた時の話を。


鉄「山手線も横須賀線も段差があってダメで…で、気づいたのがこの段差です」
佐「ヒッヒッヒッ(何言ってるか分からない)」


そのあとの説明で「新幹線と在来線がほぼ同じレベルで並走している所と言えば…」


加・鉄「東京〜品川間!!」



さすが加瀬さん。そしてリアルどこ鉄の醍醐味。




さらに確信するに至った話をして、



佐「当たると良いですね〜」

鉄「いやあ、、ねえ〜!!」



1%残っている不安は、やはり現場を見るまでは拭えません。


国道15号の交差点では、クルマ関係のお仕事をされている加瀬さんから「この交差点は事故が多い、信号の変わり方が変則的だから」という解説がありました。そうなんだ…こういう話は興味深い!



加「でも電車は素人だよ」

佐「みんな素人ですよ普通はw」

鉄「僕に写真を送ってくれる人に鉄道マニアは1人もいません。だから時々こういうとんでもない写真が来る」



和気あいあいとした空気の中、いよいよ現場付近に到着。


さあ、この目で確かめてやるぞ。



問題写真を見ながら、重要項目をチェック。


加瀬さんに解説しているのは、この杭のこと↓

鉄「(問題写真を見せながら)ここに赤い杭がありますよね?これが、あれです(現場を指さす)」



全開モード突入。



もう間違いない。




この網目のどこかから、撮ったんだろう!

できるだけ同じ角度を探していきます(不審)。




それでは、大変お待たせしました。



さあ元の写真↓


ワタクシが現場で仕留めた写真↓

格別の思い。



東海道本線・田町〜高輪ゲートウェイ間、札の辻橋からの線路、ついに確保!!!!!




記念写真↓

いろいろ疲れ切っています。



いやー大変な闘いだった!!



これにて狂った線路シリーズは終了です。




改めて加瀬さん・美佳さんをはじめ、動画をご視聴くださった皆様、写真をくれた未来さん、そしてこのブログを読んでくれた皆様、ありがとうございました。




もうこんな事はしばらく無いだろう!





ちなみに。


実は今回、最初に送られてきた写真はこちらでした↓

これは見た瞬間に「さすがに不可能!もう少し広いのがあったらそっちでお願いします!」

と返信しました。


その後の写真もたいがいでしたが(笑)、今後も本当に無理な場合はそうお願いする事もあると思います。



何が無理かは、僕にもまだよく分かっていませんので。



次はこちらの写真に取り組もうとしてるし。

これを不可能じゃないと思っている自分がまた意味不明です。




ではまた!!