どこ鉄 〜どこへ行こうと | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。



もうすぐ緊急事態宣言というのが何かアレになるらしいですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。



僕はその日が来たら街にくり出してスーパーで酒を買い、堂々と家に帰ってきて心ゆくまで飲みたいと思っております。




さあ今回もやっていきましょう。




まずは、加瀬さんからの1枚。

やはり安定の都市部。


線路の規模から、複々線に見えます。


上にあるのは駅舎?と、その向こうには交差する橋らしきもの。



まず思いついた常磐線の新松戸駅を捜索。

常磐線は複々線で、けっこうカーブが多いという印象からです。そして交差。


違った。


元の写真では、ホームの先に交差する構造物があります。

路線同士が立体交差する駅では、このように真ん中あたりで交差する事が多いんだな…南浦和とかも…。



もう一度、写真に戻ります。



何を手掛かりにしていこうか……

ん?


都市部の複々線区間ぽいのに、ミラーがあるんだな。

この規模でワンマン運転…?と訝しみながらミラーをまじまじ眺めると。

しゃ車両が映っているッ!



しかも東急8500系ッ!



田園都市線で使われている、こちらの車両ですね↓

(Wikipediaより)


今どき珍しいコルゲート(ステンレス補強のためボディにくまなく入った凹凸ライン)が特徴です。最近は技術の進化でステンレスでも滑らかな車体が造れるので、首都圏でこのギザギザ車体は8500系だけになっています。



なにしろ生まれが1975年ですからね、鉄道マニアの間では爆音電車などと呼ばれるほど、今の電車にはない重厚な(うるさい)走行音が特徴です。僕は大好きな車両です。



さて…8500系が走る区間で、元の写真のような場所といえば。



田園都市線の(大井町線と並走する)複々線区間は全線が高架なので除外、ターゲットは直通先の東武伊勢崎線(スカイツリーライン)に絞られます。


その東武伊勢崎線にあるのは、日本の私鉄で一番長い複々線区間。


そして田園都市線からの直通列車はすべて急行になる運転体系なので、急行が停まる駅だけを捜索すれば良し。



では、元の写真↓


見つけ出した写真↓


東武伊勢崎線&大師線・西新井駅(東京都)、超わずかな8500系を最大限に膨らませて確保。



大師線というのは2両編成の支線で、ワンマン運転です。なるほど、だからミラーがあったんですね。



加瀬さん曰く「元はラインカラーまで映り込んでたからギリギリまでカットしたんだけど…やっぱりあのミラーがまずかった?」



はい。あれだけで十分です。




結論:やはり東急が絡むと危険




お次は、奥川さんからの1枚。

また地面!



透水メンバーの人たちは、みんな地面しか写さない!



地面の仕事をしているからか!



というわけで今回も、むりやり画面上部を引き伸ばします。

おっ!車両が映っているッ!!



……だが分からない!!!



さすがに画像が荒くて、特定できない!

(奥川さん、良いカメラ持ってるんだからそっちで撮ってくださいよ…)



……とにかく、似た車両を探すしかないか……!



まずは関西・近畿地方から、最初に思い浮かんだのが京都丹後鉄道の車両。


どうだ…?

…似ているようだけど、おでこのライトの有無が違うかな…



それに、京都丹後鉄道は非電化のローカル線。


↑元の写真は複線で、よく見えないけど電化されている感じ。




やはり違うか…となると電化路線であんな顔…JR西日本にも無いかな…



地域はいったん外して、純粋に顔で思い浮かんだのがJR四国の車両。

(SHIKOKU’S Webさんより)


これはどうだ…?

……


これかな……


おでこの方向幕や、窓周りの黒い感じ、ライトケースの四角具合、裾絞りのない車体形状…


うん、思いつく限りでは、日本全国これ以上に似た車両はない!

これで行こう!!



さて、このJR四国7000系電車の走る範囲は、どうやら四国の電化区間全線のもよう。


とは言えそこまで絶望的な距離じゃない、まずは何より電化複線区間から捜索開始だな!


↑写真から、向こうに見える駅の構造はおそらく2面2線の対向式ホーム。



さしもの大先生も四国はまだ手付かずでおられるので、自分で探します。



えー、四国の電化複線区間はと…(加瀬さんに頂いた重要資料)

高松〜多度津間のみ。



一瞬で捜索終了。




もう全線行っちゃえ!!


駅のだいぶ手前で線路が分かれてると信じよう!



単線も含んだ全電化区間は高松を起点に、土讃線の琴平までと、予讃線で松山の先の伊予市まで。



まずは短いほうの土讃線を当たり(サクッとSUKA)、予讃線の旅に移ります。

四国は距離のわりに駅が少ないのでそこは助かりますが、1駅1駅マップでズームインして駅構造を確かめるのは、なかなかの苦労。



新居浜、伊予西条、今治、と何事もなく都市を過ぎるごとに少しずつ焦りも出てきます。



これ終点まで行っちゃったら、次はどうすれば良いかな…



だいたいあの車両が四国7000系って決まった訳じゃないし…



などと不安を覚えつつ進んでいた時。

ん?



あの赤い家…



この赤い家じゃないのかい…?



すかさずストリートビュー↓

っしゃ来たあー!!!!



JR予讃線・粟井(あわい)駅付近の道、確保!!!




7000系よ…キミを信じてよかったっ!!!



四国にはまだ行ったことがないですが、もし今度上陸して7000系に会ったら、初対面なのにありげな顔をしてしまいそうです。


僕「あの時はどうも(ニッコリ)」

7000系「???ウーン(発車)」



なお、この写真は奥川さんが撮ったものではなく、師匠のまさつぐさんが撮影し「俺だとプロファイルでバレるから代わりに送っといて」と奥川さんに託したとの事でした。


「まさか奥川さんが四国に行ったとは思わんだろう、ヒッヒッヒッ(笑)」


結果はこのとおりです。






さて今回ラストは、大野遙くんからの1枚。

2016年の写真フォルダから引っ張り出してきたとのこと。

SLか。


日本で一番の規模を持つ大井川鉄道は、電車も走ってるから電化されているけど、ここは非電化だな…


などと思いながら写真を眺めまわしていると。

オーノー!!!


アナタタチ、ニホンジンジャナイネ!!!!



すっかり忘れた頃にやってきた海外編だ!!



もう1枚貰った写真がバリバリ日本だったので、こちらもテッキリ日本だと思い込むところだった!


改めて眺めてみると、なるほど完全に海外だな!




まずは「海外 SL」で検索開始、この機関車に似たものを探しながら、海外→ヨーロッパ→イギリスと語句を絞り込んでいきます。


海外のSLには詳しくないから、前が赤ければだいたい同じに見えるな…



その中で出てきた赤い機関車の、ノースヨークシャームーアズ鉄道と、グレンフィナン保存鉄道というのを、まずは当たることにします。

去年初めての海外編でも言いましたが、海外のGoogleマップは鉄道が実線で表されないので、辿っていくだけで一苦労。




2路線を全線捜索、鉄道発祥の国で記念すべきSUKA。




正直、どちらの路線がどこの地方にあるのかも良く分かっていません。調べた後でも。




うーむ、右も左も分からないぞ…!




再びSLの検索に戻って気付いたのが、

どうも「〇〇保存鉄道」という名前で、色んなところにあるらしい。




一旦俯瞰して見てみよう。


ギヤー!!


100以上!!!


さすが鉄道発祥の国!



さすがに絶望しかけますが、、こうなったらもう大胆に行くしかありません。



「ロンドン SL 保存鉄道」一本攻め。


イギリスといえばロンドンという短絡的な考えです。


もう少し言うと、遙くんは「本読み会」という様々な戯曲をみんなで読む会を主催するほどの、いわば演劇マニアです。


ならば絶対に、イギリスに来たなら本場ロンドンに行ってなきゃおかしいだろう。

あの写真も、どうせロンドンかその近郊の保存鉄道で撮ったんだろう……!!



そう決めてかかるぞ!


検索で出てきた記事

この機関車、今まで見たなかで一番、元の写真に近い!!↓

先頭部分がツヤ消しになってるところとか!



俄然望みが出てきたっ!




メチャメチャたくさん乗りまくっていらっしゃる記事を深くまで進み、ようやく件の機関車に辿り着きます。


これだ。ブルーベル鉄道とな!



ありがとうございました。ここからは自力で行きます。



ストリートビューで沿線を捜索開始。



さあ、元の写真↓


ついに探し出した写真↓

YEAH!!!



イギリス・ブルーベル鉄道のシェフィールド・パーク駅、5年と9時間の時差を超えて確保!!!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



今回は以上です。




また力が入ってだいぶ長くなってしまいましたが、最後までお読みくださり、ありがとうございました。




ではまた次回!!