久々の?続き妄想です
ネタバレものなので、未読の方、コミックス派の方はバックプリーズ!!
続き妄想はACT196妄想で燃え尽きてもう書けないと思っていたのですが・・・(っていうか長編のラストまでは無理だな、もう)
この前、ピグでおしゃべりしていたら・・・あれ?これって続き妄想??って具合になりまして。
その場にいる全員に書け!!と背中を押されたしだいです。
ま、いつも通りの展開ですがあしからず~~
最近何書いても、前書いたパターンになってしまいます…orz
もうね、かぶりとか言わないであきらめてください。
ACT200妄想
「……失望した」
耳を擽る美声が私に向けられている。
私の『我ながらなんてリアルな予想』、が
・・・・・・ただ今絶賛現実となっております。
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今日の私はナツ。
BOX-Rの撮影のためセツカはお休みだった。トラジックマーカーも主演のスケジュールで今日は撮影が無い。
敦賀さんも敦賀蓮の仕事が入っており、今日の夜からまたホテルでヒール兄妹に戻る予定だ。
セツカ自体がラブミー部の仕事ではあるのだけど、BOX-Rの撮影が早く終わりテンさんの秘密の美容室に出向くには早い時間帯でやる事もなく、かといってだるまやに戻るまでは時間がない中途半端な状態だった。
暇だからって遊んでいていいわけでもないしね…
『急ぐもんじゃないから空いてる時間でいいよ。モノはラブミー部室にそのまま入れてあるから』
スケジュール確認のために事務所の椹さんのところに出向いたので、ラブミー部の雑用が無いか確認したところ事務所に届いた郵便物の仕分けを依頼された。
久しぶりに入ったラブミー部室にはファンレター等ファンからの贈り物が山積みになっており、今日できるところまでと早速宛先別に選別を始めた。
「・・・やっぱり数が違うわね」
LME所属の俳優・タレント別に分けていけば、一か所だけ明らかに量の違う一角が出来上がる。
「こんな人と仕事とはいえ一緒のホテルの部屋に寝てるなんて知れたら、私…確実に殺られるわね」
ただ殺されるだけなんて生ぬるい。さまざまな拷問を受けた挙句に絶命しそうだわっ!
思わず敦賀さんのファンに囲まれる想像をして我が身の行く末にぶるぶると身震いしてしまう。
『一緒に寝てるなんて…』
身震いしていたはずが、ポンと自分で言ったセリフがリフレインした。
今度は抱きしめられて寝た夜のことを思い出し・・・
芋づる式に敦賀さんの生肌とか、首筋の肌の滑らかさとか、抱きしめられた力の強さとか・・・
途端に自分の顔が熱くなって頬が緩んだのがわかった。
~~~~~~駄目駄目駄目!!絶対アホ面になってる!
おポッポコピーにはなりたくないって思ったんじゃないの!
このバカキョーコ!!!
ギュッと目を瞑って眉間にしわを寄せて顔をを引き締める。
何考えてるのよ!一緒の『ホテルの部屋で』寝てるだけじゃない!
絡んだり縺れたりして毎晩寝てる訳じゃないの!!!
きっと赤くなったり青くなったり、ブンブンと頭を振る私はかなりの不審者だろう。
数分経ってようやく表情が元に戻ったことを確認し、ふっとため息をついた。
…よかった誰も居なくて
だってこういう時っていっつも……
「相変らず挙動不審ね、アンタ」
うん、そうこんな風に声がかかるのよね
そうそうお約束!
「………その声…」
聞き覚えのある耳に心地よい綺麗な声。
「あら、親友の声忘れちゃったの?薄情ね。帰ろうかしら?」
振り返れば麗しの私の親友
モー子さんのラブリーボイスを忘れるわけないじゃない!!!
「モー子さぁぁ~~ん!!久しぶり~~」
「はいはい、抱きつかない!」
モー子さんはペットボトルを持った手を真っ直ぐ伸ばして、私の額に押し当てて抱擁を求める私と距離を取る。
ヒドイ!これじゃあリーチの差で抱きしめられない!!
敦賀さんならこの距離でも届くのに~~!!
こんな時まで・・・
毒にしかならない症状は加速度的に進行している
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次のドラマの仕事のことで俳優部の松島主任のところに行ったら、ちょうど行き会った椹主任にキョーコが部室で仕事をしていると言われてしまった。
聞いてしまえば仕事上がりで帰宅するだけの私は気まずい思いをする。
椹主任からラブミー部として仕事をしてねと言われたわけじゃないけど、私がこれで上がりなのは椹主任は知ってる訳だし、仕事熱心なところを見せておいて悪いことはない。キョーコともしばらく会っていないし。
あの『危険なの』な仕事は、いったいなんだったのかしら??
そう思ったのもあって、部室に向かった。
(やっぱり挙動不審だわ・・・)
ドアを開ければ、仕分けされて山積みになったファンレターの前でキョーコが青くなってガタガタと震えていた。
私が開けたドアの音にも気が付いていない様子に、具合が悪いのかと思って声をかけようとすれば今度は赤くなってブンブンと頭を振っている。
その様子に具合が悪いのは頭の方だと分かったので、面白いから気が付くまでそのまま観察することにした。
今日は新しいドラマの撮影後かしら?
カリスマ女子高生役だって言って、髪型もメイクもファッションも変えている。その・・・メイクはあの私のプレゼントであげた色ね。
メイク1つでこんなに変化できるのは羨ましい限りだが、そのメイクも通用しないほどキョーコはいつも通りでいつも以上に挙動不審だった。
よかったわね、そんな姿を見られてるのが私だけで。
その後も一向に自分の世界に入ってしまっているキョーコは私の視線にも気が付かない。
きっと声をかければ全力で抱きついてくるだろう。
そっとドアを閉めて、抱きつき防止と落ち着かせるために自動販売機でペットボトルのお茶を購入した。
買い物をして再度ドアを開けても、キョーコは相変わらずだった。
それでも少し落ち着いたのか頬の赤みは少し引いたみたい。
「相変らず挙動不審ね、アンタ」
数分前から私が見てたなんて気がついてもいないんだろう。
予想に違わず抱きつこうとしてくるので、冷たいペットボトルをの底をキョーコの額に押し付けて腕が届かない様に距離を取る。
額に当たったペットボトルに不満そうな表情を見せたものの、次の瞬間見た事無いような乙女顔で赤面された。
「は?」
どうやら今回の挙動不審はいつもと少し違うようね。
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「…くっ、くっ…、あ~っ、はっ…はっ…、も…ダメ…っ」
モー子さんはお腹を抱えて、笑いをかみ殺していたが結局大声で笑い始めた。
私の奇怪な行動を見てモー子さんにはあっという間に何があったのか詰め寄られ、私は日中にした予想をモー子さんに白状せざるを得なかった。
「なんで!?どうしてそんなに笑うの?」
「だって、アンタ…これじゃ敦賀さんがっ…」
モー子さんに抱きつき防止をされて、その時思い浮かべたのは『敦賀さんの腕の長さなら抱きしめられるに…』だった。
私の脳はもうすでに修復不可能なくらい毒されている。
何をしても敦賀さんとつながって、イチイチ顔が赤くなるやら心臓が爆発しそうだわ。
敦賀さんはやっぱり悪い魔法使いだったのね!
悪い魔法にかかった私に、神様はいちいちアレしない心臓を私に授けてはくれないようだ。
「だって、そう思うでしょ?釘を刺してきた当の本人にこんな悪毒な感情を抱いてしまってるって知られたら…」
「くっ、くっ…アンタね…」
モー子さんはまだ笑ってる。
ヒドイ!私がこんなに悩んでいるのに~!!
「そんな毒感情を敦賀さんにぶつけたら…」
「…ぶつける気、あるの??」
お茶を一口飲んでようやく落ち着いたモー子さんが、返してくる。
もう!どうしてそう、揚げ足を取るようなことを言うの!?
「仮定の話だってば!言えるわけないじゃないっ」
「そう?だったらいいじゃない。ねぇ、これって恋愛話よね?」
認めたくない…けど…そうだけど……!
モー子さん、そんなにはっきり言わないでぇ~~!!考えたくないんだから!
「あの時二度目はないよって大魔王に言われたんだもん。何があってもこの純潔を命にかえてもは守り抜くって誓ったんだから」
「純潔を誓ったって…敦賀さんに?」
「そうよ。それを知ってる本人にこんな気持ちを抱いてるなんて知れたら・・・」
「あんた純潔を守るの意味、分かってるの?」
分かってるわよ!だからこんなに困ってるんじゃない!
キス以前にお付き合いがあって、お付き合いがあるってことは、その前にうにゃうにゃな毒な感情があって…。
「だから!仮にそうなったら、きっと敦賀さんは自分に毒感情を持った私に失望したって言うはず」
「どうしてそこでそうなるのかしら?」
笑の治まったモー子さんその美麗な顔を思いっきり顰めて私を見ている。
モー子さんこそどうして同じ呪いを受けた仲間なのにどうして私の気持ちを理解してくれないの!?
「間違いないわ!私の脳内シミュレーションで、敦賀さんは2回も『失望した』って言ったんだから!!意思もお尻も軽いケーコだって罵られたんだからっ!」
バンっと思いのままにテーブルを叩いてモー子さんに訴えたけれど、モー子さんはますます残念な目をして私を見つめるばかりだった。
「もう、いいわ。・・・それよりアンタ、時間じゃないの?」
もう付き合うのはうんざりという表情で、モー子さんはチラリと壁時計を見やって私に言った。
もう20:00近い!
テンさんとの約束の時間は10分後に迫っていた。
「いけないっ、もう行かなきゃ!」
「はいはい、逝ってらっしゃい」
・・・あれ?モー子さんの言葉、表記が誤っていたような気がするのは気のせいかしら??
「アンタ無駄に声が大きいのよ。誰に聞かれててもおかしくないから気をつけなさいね?」
「…?どういうこと?」
「さっきからノックされてるでしょ?気が付いてないみたいだけど・・・」
言われれば、コンコンとドアが再度ノックされた。
「ごめんね?最上さん、いる…よね?」
今日は敦賀さんも上りが早い。
同じ時刻に事務所駐車場の移動美容室に集合することになっていた。
…………もしかしなくても、聞かれた?
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カインとセツカに変身して、ヒール兄妹の時間が再開した。
…ハズだった。
なのにどうして、私はセツカの恰好でいつぞやのようにカインに組み敷かれているんだろう?
「……失望した」
イヤぁ~~~~!!予想通りのセリフ!!!!
でもっ、でもっ!!!!
この体勢で、この距離で!!
どうしてキラキラ似非紳士スマイルなんですか敦賀さん~~~!!
しかも日本語だしっ!カインはどこに行ったの!?
私は今セツカですよ~~~~!!??
「君は俺に対して、そんなイメージを持っていたの?」
「つつつつ・・・敦賀さんこそっ!た、立ち聞きしてたんですかっ!?」
「あんな大声で叫んでたのを聞いてしまったのを立ち聞きというのか、君は」
モー子さんに言われた言葉を思い出し、ぐっと詰まってしまう。
「最上さん、答えて。君は俺に対してそんなことを思っていたの?」
「そそそ…それは…」
言えるわけないじゃない!
知られたくないと思っている大本命にこのタイミングで!
「俺に対して持っている毒感情って…なに?」
「あのっ…それは…っ」
近い!近いですっ!
これ以上は、お願いだから勘弁してくださいっ!
言葉にする前に顔の熱が上がって瞬時に真っ赤になってし待っているだろう私。
もうこれじゃ、隠しきれないじゃない!!
恥ずかしさと情けなさとすべてがないまぜになって今度は怒りが沸いてきた。
顔の熱さは引かないけれど、キッと目の前の紳士面を睨みつけた。
あ…あれ?
似非紳士スマイルじゃない?
「敦賀さん…?」
さっきまでの似非紳士スマイルは、なぜだか身の危険を感じる神々スマイルに変化していて
どうして?と思う前に今度はアノヒトが表に出てきた。
いやぁ~~~!!!夜の帝王降臨!!!
「純潔を守るっていうのは男とキスしたりすることだけを言うんじゃないよ?」
「も…っ、もちろんですっ。敦賀さんに誓ったんですから!」
負けない様に怒りを前面に押し出したまま、夜の帝王に対峙する。
とにかく!
ここは何とか切り抜けて早くヒール兄妹にならないと!
「うれしいよ。君は俺に誓ったことを守ってくれたんだからね?」
「……へ??」
『純潔を誓ったって…敦賀さんに?』
モー子さんの言葉が脳内に木霊した。
「じゃあその純潔、もらうね?」
「えええぇ~~!!??」
「……もう、黙って」
私のパニックの悲鳴は、文字通り口をふさがれたことで封じられた。