私のこと | *** Simone siesta ***

*** Simone siesta ***

私は黒猫のシモーヌ

(シモーヌの寝言)

私は、たぶん2012年終わりごろ、東京の住宅街の中の公園の片隅で生まれた。
兄弟は、誰かに貰われていったのもいたし、死んでしまったのもいたかも知れない。

すぐに寒い季節になったけど、一番の悩みは、お腹が空いていたこと。
だけど、ある時、知らないオジサンがきて、公園で時々、ご飯をくれるようになったの。

私は、まだ子供だったけど、この人だけはいい人だと思って、信頼を寄せていた。
「今度、家に連れて帰ってやるからな…」
いつも、そういってくれたの。

私はオジサンにだけは抱っこされたり、ナデナデされたりするのは許していたし、車で来てくれた時は走って行って車に飛び乗ったものよ。
でも、オジサンは中々家には連れて行ってくれなくて…。

暖かい春になったら急に胸がワクワクしてきて、素敵な雄猫も現れて、猫生でも一番輝いていた時だった。
私は、夏の盛りに4匹の子供を産んで、一生懸命に育てていたんだけど…そのうち3匹は、いつの間にかいなかったのよ。

秋になるころに、見たことのないオパサンが現れたの。
大好きなオジサンと話していたかと思ったら、オジサンが私と子供を優しく抱き上げて箱に入れた。
ついにオジサンと一緒に暮らせるのかと思ったんだけど、違ったみたい。

後のことは目まぐるしくて、よく覚えていない。
私の子供は、どこかに連れて行かれて、私は手術台に乗せられて、とても痛い思いをしたの。
殺されるかと思った。

でも、オバサンと暮らすようになってから、次第にそのオバサンも悪い人ではないと分かってきて、悲しかったけども、猫のお友達も出来て、暮らしも落ち着いてきたところだったのに、今度は別のオバサンが来て、私は、今の新しいオバサンの家に連れてこられた。

どうしてなの???

そこには、猫も一匹もいなくて、新しいオバサンは前のオバサンと違って、顔色が悪く、肉付きのない頬がそげて、目つきが悪くて、とっっっても意地悪そう。
嫌だ…。
とても、いい未来が待っているとは思えなかった。

もう、お仕舞だ。

一か月、意地悪そうなオバサンと暮らしているけど、私はまた、どこかにやられるのかも知れないし、痛い手術をされるのかも知れない。

とりあえず、今のところ新しいオバサンのところで嫌な思いはしていないし、オバサンなりの変な作り笑顔で愛想してるし、少しは信用してもいいような気がしているけれども…。

それでも、時々、窓の外を見ると別れた子供のことや、優しかったオジサンのことを思い出して、声をあげて泣いてしまう。