朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -57ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

大企業では、要求通りに賃金を上げることができるかもしれないが、中小企業ではどうなのか。余裕があるのかどうか疑問だ。

約30年間、労働者の実質賃金の上昇が見られなかった。人々がデフレを求めていたためモノの値段も上がらなかった。世のなかは、デフレスパイラルに陥っていたようだ。

コロナ禍後のコロナ補助金が終了後、各種の問題が顕在化してきた。

ほんのしばらく数年前までは、日本がこんなに貧しい国になってしまうとは思わなかった。

補助金や円安などで見かけだけの好調を演出して、ぬるま湯にひたっていたまたたく間に日本がアジアでの中の貧しい国になってしまった。

「プア・ジャパン」の象徴は、外国人旅行客の急増だと野口悠紀雄さん。

かつて1980年代の日本人は、海外に旅行する豊かな経済力を手に入れ、欧米の豪華なホテルに滞在し、高価な買い物を楽しんでいたのであった。

翻って、現在の日本では、日本の観光地の価値が高まったために外国人が高いお金を払って来るのではなく、日本での旅行や買い物が安くなったためであった。

 

いつか日本は、G7などで先進国の一員としての座席がなくなるのではないかと私は危惧している。それを防ぐための処方箋がおわりに書かれてあったのはひとつの救いだった。

295P

生産性の向上のためには、ジョブ型雇用の導入が必要だ。それを機能させるためには、高度専門家が一つの企業に縛り付けられるのではなく転職を繰り返していくことが必要だ。日本社会停滞の原因は、(補助金行政、報酬体系、退職金制度等)日本社会の基本的な構造にある。それを改革しない限り、日本は豊かさを取り戻すことはできないだろう。

 

悲観的な言葉が賑やかにあったので3点引用しておきたい。

 

・アメリカの経営者イーロン・マスク氏は、「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ消滅するだろう」とツイッターに投稿した。日本は、それより先に収入がなくなるために消滅しそうだ。92p

 

・賃金上昇率が物価上昇率に追いつかなかったので、実質賃金が下落した。未曽有の春闘賃上げ率と喜んでいて良い状態ではなく、2022年の物価高騰によって、労働者は損をしたことになる。111p

 

・健康保険証のマイナンバーカードへの切り替えには問題が多い。様々な機能があるので、紛失したときの問題が多い。実印を持ち歩くようなものだ。マイナンバーカードの使いみちがない。印鑑証明とは、アナログの本人確認手段である。アナログの本人確認のための手段を最先端のデジタル手段で取得するのは、自己矛盾に陥っているとしか思えない。印鑑証明など使わなくても、マイナンバーカードだけでさまざまな場面での本人証明をできるようにすることが本来のデジタル化ではないか。205p

 

 <目次>

はじめに 補助金や円安でなく、人材の育成を

第1章 気がつけば、「プア・ジャパン」

第2章 昔はこうでなかった

第3章 これから賃金は上がるのか?

第4章 増大する財政需要と政治家の無責任

第5章 デジタル化の遅れが日本の遅れの根本原因

第6章 高度人材を日本に確保できるか?

第7章 日本再生のエンジンは、デジタル人材

図表目次

索引

 

1940年、東京生まれ。63年、東京大学工学部卒業。64年、大蔵省入省。72年、エール大学でPh.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。専攻は日本経済論。近著に『日本が先進国から脱落する日』(プレジデント社、岡倉天心賞)ほか多数

物を売るな、物語を売れ!

価格や品質の土俵で戦わず、物語の力でお店や会社、商品を輝かせる方法だ。

ストーリーブランディングとは、「物語(ストーリー)の力を使って、商品・お店・会社・個人など、ビジネス全般を輝かせ続けること」と定義されている。

特定層、性別、一品、用途、時間帯、季節を絞る、体験やバックステージ、バーチャルを売る、営業時間、提供速度・方法を変える等の戦略について、具体的な成功事例を挙げて説明があり参考にできるものが多くある。

 

ストーリーブランディングを成功させるためには、どれだけ自分を俯瞰できて客観視できるのかと思った。自分の目だけでなく、お客様、第三者、斜め、後ろ、上空などのたくさんの箇所から冷静に見ることができ自分を判断していけるのかと。

 

人の感情に志を訴える、ストーリーの黄金律を使う、ストーリーの種の見つけ方や植え方、育て方などを始め、ストーリーのつくり方や活用の仕方などを具体的な事例を織り交ぜて、100の法則として紹介している。

 

物語と言葉の力を使ったブランディング手法「ストーリーブランディング」

これを発明した元祖が書かれた本。

これ以外にはストーリーブランディングの真髄がわかる本はないものだと言いたい。

 

 <目次>

はじめに 物を売るな、物語を売れ

1 なぜ「ストーリー」が必要か(頭で買う(理性的消費)か?心で買う(感情的消費)か?満足してもお客さんがリピーターにならない理由 ほか)

2 「ストーリー」をどのように活用するか(3つのリンゴどれを食べたい?人類共通の感動のツボを押す ほか)

3 「ストーリーブランディング」とは(「ブランディング」から「ストーリーブランディング」へ、「ストーリーブランディング」とは? ほか)

4 「ストーリーの種」の植え方・育て方(お客さんを特定の層に絞る、お客さんの性別を絞る ほか)

5 個人のストーリーの見つけ方(業界の当たり前を言語化する、興味あることを突きつめる ほか)

おわりに 

おもな参考図書・サイト

 

コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。数多くの企業の広告制作に携わる。東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。特に企業や団体の「理念」を一行に凝縮して旗印として掲げる「川上コピー」が得意分野。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られる。現在は、広告制作にとどまらず、さまざまな企業・団体・自治体などのブランディングや研修のサポート、広告・広報アドバイザーなどもつとめる。

 

【No1419】ストーリーブランディング100の法則 川上徹也 日本能率協会マネジメントセンター(2023/04)

ミレニアムの前後まで、いわゆる予言ブームがあった。

五島勉さんが書かれた「ノストラダムスの大予言」が有名だ。

「1999の年、七の月、空から恐怖の大王が降ってくる。アンゴルモアの大王を復活するために その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配に乗り出すだろう」

迫りくる1999年7月に、大きな戦争かなにか天変地異が起こって人類が滅亡するかもしれないと解釈された。

若者でなくても、予言、超能力、UFOなどオカルト的なものに興味を持つ時期もあるだろう。

私の知る限りは、何も起きなかった。起こらなかった。起こせなかったのかもしれないが、よく分からないのが真実だ。

世の中から忘れ去られて時が過ぎていったのだ。

 

人生を揺るがす一大事、少年少女の心を鷲掴みにしたあのノストラダムスの時代。それを思い出す出来事が起こる。

 

オカルト系ユーチューバー恐児の呼び掛けにより1999年7月生まれの5人・世紀末五銃士が集まった。小金井市で15人の集団が死んだ。そこに5人のメンバーのうち1人が巻き込まれた。これは集団自殺なのか?殺人事件なのか?

 

読みだすと、止まらない。パラレルワールド、タイムリープ、記憶障害などを使って、イヤミスの女王真梨幸子さんワールドが今回も大きく炸裂して輝いていた。

 

現代の日本は、豊かな楽園だ。だから少子化なのだと書かれてあった。面白い視点だったので取り上げてみたい。

236P

「じゃ、なんで日本は出生率が低下しているですか?」

「だから、本当の意味でも“貧国”ではないってことなんだよ。出生率をあげようと、どんなにお金をばら撒いても、どんなに優遇措置をとっても、ますます出生率は低下するだけだろうね」

「なんでです?」

「楽園のトラップだ。楽園という環境に慣れすぎると、人も生物も、自分の欲望と快楽を優先してしまうものなんだ。食糧も水も独占したい。自分だけが快適ならそれでいい。自分だけが幸せならそれでいい。わざわざ子供を作って、面倒な子育てなんかしようとは思わなくなるんだよ」

「そういうものでしょうか……」

「先進国の人ほど、『自分の人生を生きる』とか『自分らしく生きたい』とか『輝く人生』とか言うだろう?一見、言葉は綺麗だけど、それって結局、究極の自己中ってことだ。自分さえよければ、他者のことはどうでもいい。もっといえば、人類が滅ぼうと知ったこっちゃない……ってことだ。楽園に暮らしていると、どうしてもそういう考え方になってくる」

 

 <目次>

巻 頭

Chapter1. マンデラ・エフェクト

Chapter2. 龍の子孫

Chapter3. ブラックアイクラブ

Chapter4. サイキック・ドライビング

Chapter5. ユニバース25

Chapter6. シミュレーション仮説

巻 末

 

宮崎県生まれ。多摩芸術学園卒業。「孤虫症」でメフィスト賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「殺人鬼フジコの衝動」「シェア」など。

モナコのパレスエリア(王宮前)に暮らす唯一の日本人、エミチカさんの言葉にはストーリー性があって、彼女の物語の中に引き込まれた。

 

例えば、豊かなコミュニケーションのため、自分の見識を深め人間性に磨きをかけるために「読書に時間とお金を投資する」

チャンスは二度となく、やりたい気持ちを逃したら戻ってこないから、「自分の好奇心に素直に従う」、「やりたいと思ったらすぐ行動する」、「迷ったら、自分の直感や第一印象で決める」

人生は、毎日の小さな習慣の積み重ねで出来ている。いい習慣の繰り返しが、いい人生を作る。……等々。

 

これは、成功者になるための思考や成功するための秘訣が詰まっている本だった。

 

 <目次>

はじめに 50歳で2億円の負債を抱えた専業主婦の私が、モナコに住めるようになったわけ

第1章 モナコに来てわかった、本当に豊かな人の「お金の使い方」

第2章 モナコのマダムが教えてくれた「一人時間」の大切さ

第3章 モナコが教えてくれた「また会いたい」と言われる人の共通点

第4章 モナコの人がやっている、「ご機嫌で生きる」毎日の習慣

第5章 モナコの人が身につけている「超前向きメンタル」

第6章 モナコが教えてくれた「価値観」の高め方

おわりに 人生の決定権だけは、誰にも渡さないで

 

女性経営者・起業家プロデューサー、美容家。EMICHIKA Co.Ltd代表取締役。三重県出身。

モナコのパレスエリア(王宮前)で暮らす唯一の日本人。50歳のときに眼科医である最愛の夫が急逝し、2人の子どもを抱えながら2億円の負債を抱える。先が見えない絶望の中、51歳で専業主婦から経営者となり、美容ビジネスを立ち上げ、わずか5年で年商7億円企業に成長させる。しかし、その後大病を患い、生き方やビジネスの進め方の大転換を迫られる。その経験から、「古い価値観を手放して手ぶらになる生き方」にシフトし、本物の自由を手に入れる。2018年には、知り合いなし、コネなし、語学力なしの状態から、持ち前の行動力で次々とコネクションをつなぎ、「大富豪でなければ住めない」と言われ、世界中のセレブが集まる国・モナコで暮らし始める。また、「本物の幸せを見つければ人生は変わる」というアイデアをスピーチした海外TEDxは、2022年7月度の世界最高再生回数を記録(日本人女性初のランクイン)し、好評を博している。現在は、モナコのパレスエリアと日本を行き来しながら、自分の人生の価値を「最高グレードのダイヤモンド」級に輝かせる「フローレス メソッド」を提唱し、多くの女性たちのプロデュースを手がけている。

 

【No1417】結局、「手ぶらで生きる女」がうまくいく モナコの大富豪に学んだ、自由に生きる57のヒント エミチカ PHP研究所(2022/11)

現代史を学ぶことは「民主主義とは何か?」に帰趨することに気づきます。

自民党と社会党、政治と宗教、日本とアジア諸国、自衛隊と集団的自衛権、バブル景気や失われた30年、原子力、エネルギー問題等々……。

正と負、高度経済成長の功罪。戦後急激な高度経済成長を遂げましたが、その過程でイタイイタイ病などの公害を発生させ多くの犠牲の上になし遂げたものでした。

最近では、東日本大震災で東京電力福島第一原子力発電所のメルトダウンがありました。事故が起こるまでは危険を回避するための安全に対する経費を考慮しないで成り立っていた世の中でした。原子力発電所が如何に危険なものであるか。あの悲惨さを知り分かっているのにも関わらず、いつの間にか原子力発電所の運転再開に舵を切っていました。

 

中学生のときに習った日本史は、たしか先の大戦前ぐらいまででの尻切れトンボのように終わったような記憶があります。

我が国の歴史を知らないとすれば、例えば外国人と話をする際に事実を語れないために一方的に論破される可能性があります。

日本にとって正当な事実があれば、それをはっきりと相手に伝える必要があります。

歴史から学ぶべきことが多々あります。

特に自国の歴史を知らなければいけない。

あやまりや間違った事実があれば改めなければいけないし、素晴らしい歴史があればそれを後世に継承していくのです。

 

4P 大事なことは、過去の歴史の事象が、いまにどのようにつながってくるのかということを理解することです。ところが日本では、とりわけ第二次世界大戦後の現代史に関しての授業がなおざりにされています。というのも、現代史は歴史的評価が定まっていないことが多いからです。

 

 <目次>

はじめに

第1章 日本型民主主義の危機(安倍一強と日本型民主主義の危機、安倍から菅、岸田へ…それでも強い自民党、日本型民主主義の誕生と発展、自民党と社会党の対立、政治と宗教の関係)

第2章 日本を取り巻く外交問題と安全保障(日本と韓国はなぜ揉めている?「韓国併合」の評価めぐり対立、日本を守るのは自衛隊?米軍?自衛隊と集団的自衛権、アメリカはなぜ沖縄を支配するのか)

第3章 日本経済の光と影(高度経済成長の功罪、バブル景気がもたらしたもの、失われた三十年はいつまで続く?)

第4章 日本が抱える社会課題(メディアは権力を監視しているか?原子力、エネルギー問題)

おわりに

参考文献

 

1950年、長野県松本市生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。1994年から11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年に独立した後は取材、執筆活動を続けながら、テレビ番組などでニュースをわかりやすく解説し、幅広い人気を得ている。名城大学教授、東京工業大学特命教授、立教大学客員教授など、現在、11大学で教鞭をとっている。

 

東京神保町にある出版社、景談社で働く佐原滝郎は、娘を持つ父親であり、会社では人事部長である。人を見て話をして様子をみながら判断していく能力は仕事の経験上養ってきたものであった。

彼の娘が連れて来た婚約者は、お笑い芸人と役者を志望しているユーチューバーであった。

「結婚すべきではない」と感じた結婚相手として認めたくない父親と、翻って彼に好印象を抱く母親の和香がいた。

夫婦の気持ちはお互いにすれ違いギクシャクした日々を送る事となった。

娘を渡したくない父にはよくあることだといえばそうではあるが。

夫婦といえども分かり合えない事があろう。もう少し娘の気持ちや夫婦で話し合う必要はあるのではないかと。

いま時代の流れもあろう。世間でいうところの定まった職を持たない選択がある。自分のやりたいことができるのは幸せだな。

娘の婚約者としてではなく、そもそも一人の人間としてどう思うか。そもそも人柄はどうなのか。人当たりはどうなのか。彼は世の中を渡って生きていける人なのかどうか。

生まれてきた男女が適齢期になると結婚しなければいけないという一昔前の常識は、現代では通用しないものとなってきているようだ。籍を入れずに一緒に同棲をするだけやLGBTQ+の人がいる。

肉親だから仕方がないかもしれないが、偏見を持ってはいけない。

肉親の目とは違う着眼点を持って客観視することができれば、この母親のように冷静に物事を判断できるのかもしれない。

 

284P

出版者に入るならばやはり編集をやりたいです、と言った。

口調には熱意があったが、少し気になった。出版社に入るなら、何でもないといえば何でもない。聞き流してもいいところだ。が、おれには、必ずしも出版社でなくてもいい、と思っているように聞こえてしまった。つまり、どうしても出版社でなければダメ、と思っているようには聞こえなかった。

重箱の隅つつき、かもしれない。だがどうしても出版社に入りたい人間は、出版社に入るなら、とは言わないような気がした。出版社に入るからには、という意味だったのだとは思う。だとしても同じだ。そこはシンプルに、編集をやりたいです、でよかった。

このあたりが、訊く側の立場で何年も面接をやってきてわかったことだ。はっきりそうだと言わない限り、そうではないと相手に思わすことができる、と人は思っている。言葉を選べば気持ちは隠せる、と思っている。たぶん、それはそうなのだ。だが実際のところ、本音は端々に出る。言葉を選べば気持ちは隠しきれるが、言葉を選びきれないのだ。

 

 <目次>

佐原夫妻 十月十六日(日)

足立夫妻 十月から十一月

船戸夫妻 十一月から十二月

江沢夫妻 十一月から十二月

断章 小倉琴恵 十二月十六日(金)

佐原夫妻 一月から五月

断章 小倉琴恵 十月一六日(月)

 

1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞を受賞し、デビュー。’08年『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。’19年『ひと』で本屋大賞2位

こぶとりじいさん、耳なし芳一、舌切り雀、三年寝太郎、金太郎、雪女、笠地蔵、一寸法師、浦島太郎、花咲かじじい、桃太郎、姥捨て山……等々。

日本の昔ばなしをミステリー調にしてたくさんの人や話が絡んでいき問題が読み解かれていく流れだ。

短編五話それぞれの話ごとに関連性があり、伏線があり、なぞかけもあり。

ユーモラスなドタバタ劇が繰り広げられるところや、最後の最後まで畳みかけてくる巧妙なトリックに感心するのだった。

この昔ばなしリーズはけっこう楽しくて好きだった。

これが最終作となるのか!?

もったいなし。

 

 <目次>

こぶとり奇譚

陰陽師、耳なし芳一に出会う。

女か、雀か、虎か

三年安楽椅子太郎

金太郎城殺人事件

 

 

1980年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回「講談社Birth」小説部門を受賞してデビュー。19年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』は多くの年間ミステリーランキングに入り、本屋大賞にノミネートされる。

 

 

【No1414】むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。青柳碧人 双葉社(2023/08)

 

365日24時間気の休まらない仕事、コンビニオーナーとして30年間の悲喜こもごもの体験談だ。

「休日が取れなくなって、今日で1000日を超えた。 もう3年近く、1日も休んでいない。 近くにコンビニが増え、店舗の乱立で売上は激減するばかりでは無く、客の取り合い、従業員も奪い合い。 時給を上げても応募はゼロ」

語り口はとても軽妙で全く重苦しさを感じさせない。語られる内容は壮絶でコンビニは過酷な労働環境にあるのだと改めてその深刻さ痛感する。

 

社会の変化を感じコンビニを通して従業員やお客様の人間模様や、オーナーとしての心の痛みや喜びがたくさん描かれ書かれていた。自分が体験できない事柄を知ることができるメリット、コンビニで疑似体験をすることができることから、これらが読書の醍醐味だと再認識する。

「今、みんなが食べているもの、読んでいるもの、流行っているもの、そのすべてがコンビニに揃っている。店頭でコンビニの変化をずっと見続けていると、時代の動きまで見えてくるような気がする。同じく、人々のものの捉え方、考え方の変化もまたよくわかる。」

 

コンビニ経営の実態を知ったとしたら、この業界に就くことに二の足を踏むのではなかろうか。このオーナーの場合には、フランチャイズのコンビニエンスストア店として、売り上げの約半分もの利益を本社に返さなくてはいけない。このオーナーは、食品の廃棄が違和感と罪悪感がありこころ苦しいと述べている。廃棄時間が来るとレジで廃棄入力して弁当やデザート、焼き鳥などをまとめてゴミ袋に捨てる。まだ食べられる食品がゴミへと様変わりする瞬間だ。廃棄の品があればそれを差っ引かれるので利益は物凄くダウンするのだ。開店前にはチラシが配られ人を寄せるための景品が配られることが多い。これは知らなかったのだが、ここから3日間の売り上げの全てが、オーナーのものではなく本社の売り上げとなるなどなにかすこし理不尽なような感じもするが……。

誠に勝手な推量だが、お店に売り上げがあればあるほどよいが、フランチャイズビジネスのロイヤリティのために、たとえそれが少なくても店を開いていれば恒常的に本社にお金が入ってくる仕組みだと見えた。

 

<目次>

まえがき 本日で1057連勤

第1章 コンビニ経営、その最前線(某月某日 夏の苦労:暗くじめじめしたところで生まれて、某月某日 年中無休:葬式に出るときの作法 ほか)

第2章 コンビニオーナー、始めました(某月某日 ペンション、温泉、遊園地、コンビニ、夫の夢物語、某月某日 阿漕すぎない?ロイヤリティーは65% ほか)

第3章 お客さまは何さまですか?(某月某日 カスタマーハラスメント:長く長く悩まされて、某月某日 金髪青年の「はい」:心に染みた言葉 ほか)

第4章 もう少し頑張ってみます(某月某日 ピンクの前髪:還暦記念にやってやる、某月某日 おかしなお客さま:千客万来の悲劇 ほか)

あとがき 「宿題」の答え

 

1960年代生まれ。1990年代に夫婦で大手コンビニ「ファミリーハート」のフランチャイズオーナーに。以来、約30年にわたり毎日店舗に立ち続け、もうまもなく3回目

 

【No1413】コンビニオーナーぎりぎり日記 昨夜10時からワンオペ勤務、夫が来たら交替します 仁科充乃 フォレスト出版(2023/08)

 

お金、働き方、生活、介護、相続、家族関係、健康等々、人生も半ばを過ぎてくると直面してくる多くの問題がある。その対処すべきそのとき、どう進めていったらよいのかどうかを悩むだろう。だから、横手さん流のヒントを参考にして、不安を少しでも解消できればよいかと思う。

 

「オトナブルー」で有名な“新しい学校のリーダーズ”の口癖を思い出す。

「はみ出していく」ことがこれからのキーワードになる。

20P はみ出す力を自分の武器にする。私の武器=コツコツ+はみ出す力

 

横の関係とは、中野信子さん的「友だち」のような関係を目指すことになりそうだ。

34P 縦の関係から新たな横の関係を目指す

年功序列や役職の上下関係ではなく、信頼や尊敬、協力、対等などの横の関係を大切にしていく。

 

「友だち」の意味を辞書で調べると、「気心が知れて、気が合って、対等に交流できる人」といった説明になる。お互いの気持ちを理解し合えて、価値観も近いか同じ、お互いに上下がない関係だ。「理解」「共感」「対等」この3つの条件を満たす人は、そうやすやすと、たくさん見つかるものではない。友だちの数が多過ぎる人は逆に怖い存在かもしれない。(「人は、なぜさみしさに苦しむのか? 中野信子 アスコム(2023/09))より抜粋」

 

50代になって友達をつくるのは簡単ではない。だから「仲間」を作ろうと考えると行動に移しやすい。読書会などで年齢に関係なく集まってやりたいことをしていると自然と仲間になれるから。

131P

50代のあなたに必要なのは、友達ではなく仲間です。同じ志を持つ仲間が現れるのを待てばよい。

 

60歳定年後も雇用延長で働く人が増えてきて働き方の選択肢も増えている。そんな時代に働き盛りの40代、50代の会社員は老後の不安をかかえる人が多い。

お金、働き方、生活、介護、相続、家族関係、健康など、これからの人生にはどんな状況や出来事が訪れて、その分岐点をどう進んでいったらよいのか。

従来の定年の考え方に縛られず、将来の不安に備えて幸せな老後をすごすために老後問題解決コンサルタントとして活躍する著者がアドバイスしてくれる。

 

 <目次>

プロローグ―脱・定年時代の地図を手に入れよう

序章 脱・定年時代を生き抜くための7つのヒント

第1章 40代は再スタートに向けて自分に投資する時期

第2章 50代はセカンドライフをスタートさせる時期

第3章 60代はトラブルを回避して自分らしく生きる

第4章 70代以降は自分の人生を楽しむために生きる

エピローグ

 

1972年生まれ。中央大学経済学部卒。株式会社ABCマート、ニセコで飲食店経営、不動産会社の株式会社日本財託を経て、老後問題解決コンサルタント・認知症とお金の問題の専門家として活動。現在は、スタートアップの株式会社ファミトラにて家族信託エキスパートして従事。今まで1500人以上の相談を受け、延べ450組以上の家族会議に参加し、延べ資産額100億円以上の財産管理をサポート。セミナー講師として登壇実績200回以上。顧客は、30億円の資産家から元国会議員、作家、大学教授、農家など幅広い。NHKクローズアップ現代+(2回出演)、テレビ朝日ワイドスクランブルなどメディアに多数出演

 

【No1412】脱定年時代の歩き方 仕事 お金 生活 40歳、50歳からの備えで安心! 横手彰太 Gakken(2023/10)

「さみしい」という感情がなぜ生じるのかという問いに焦点を当てていくのだ。

「さみしい」という人の感情が生じる理由については、脳科学的と生物学的な視点から、科学的要因や社会的な要因からも考察している。

さみしさは誰にも生じる感情であり、さみしいという感情は、自分自身の危険や種の継続の危機がくるアラートとしてであった。さみしいのは良くないことだという思い込みが人を苦しめる。孤独やひとりぼっち(独法師)、ひとりである状態とさみしさは、それぞれ独立して存在している。さみしさが人間としての成長を促すのだ。さらに新奇探索性がさみしさを力に変える。ひとりでいることは、まったく不幸でも同情されるようなことでもないことを理解すべき。さみしさは克服しなくてもよいが、うまく長く付き合っていく必要があろう。

 

中野さんの説明の中、目に留まった箇所や記憶に残したい箇所を4点ほど引用した。

 

さみしさによって脳が孤独の危険を知らせてくれるからだった。

54P 人生の生存戦略とさみしさの関係

さびしさを感じるのは心が弱いわけではなく、「孤独な状態は危険である」ことを、脳が不快な感情を生じさせることで知らせているからです。人類にとっては生存戦略のひとつであると考えられる。

 

自分を理解してくれて共感でき対等な関係である人は、確かにそんなに多くはいないはずだ。

83P 無理な友だちづくりは、さみしさを助長させる

「友だち」の意味を辞書で調べると、「気心が知れて、気が合って、対等に交流できる人」といった説明になる。お互いの気持ちを理解し合えて、価値観も近いか同じ、お互いに上下がない関係だ。

「理解」「共感」「対等」、この3つの条件を満たす人は、そうやすやすと、たくさん見つかるものではない。友だちの数が多過ぎる人は逆に怖い存在かもしれない。

 

社会とのつながって健康的に生きていきたいものだ。

164P さみしさのストレスは健康リスクを高める

孤独が健康に重大な悪影響を及ぼしている。

孤独でない人、社会的なつながりのある人が健康寿命を延ばすことが立証されている。

ボランティア、趣味、習い事などのグループ活動に参加している人は、そうでない人に比べ、自立した生活を長く維持できる研究結果が出ている。

 

前向きになれるセロトニンの分泌は、人にとってとても重要だ。

223P 運動を効果的に取り入れてストレス反応を安定させる

適度な運動はストレスを緩和する効果がある。運動することで、心身を活動的にして、思考を前向きにしてくれるホルモンの分泌が促される。運動よってセロトニンなどが分泌されことで、HPA系のストレス反応が安定し、うつ状態を緩和する効果がある。

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 なぜ、人はさみしくなるのか(他人と共有するのが難しく、コントロールできない感情、さみしさは「人間が生き延びるため」の仕組み、さみしさの本質を知る意味、さみしいという感情の見方を変えていく)

第2章 わたしたちがさみしさを不快に感じる理由(「さみしいのは、よくないことだ」という思い込みが苦しみを強める、親しい関係性のなかの「確証バイアス」の罠 ほか)

第3章 脳や心の発達とさみしさの関係(わたしたちの脳や心は石器時代から変わっていない、さみしさのはじまりは生後3カ月から ほか)

第4章 さみしさがもたらす危険性(さみしさのストレスは健康リスクを高める、心の弱みに付け込む悪意ある人たち ほか)

第5章 さみしさとうまく付き合っていくために(趣味でつながる新しい共同体の在り方、自分の心と向き合う「マインドフルネス」の考え方 ほか)

おわりに

 

1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所に博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教授

著書に「脳の闇」「エレガントな毒の吐き方」など。