地学・歴史・文化・信仰・暮らし・登山など、さまざまな角度から「富士山」という存在を立体的にとらえ、奥深い魅力をわかりやすく解説している一冊。
雄大で神秘的な姿は日本の象徴として親しまれてきたが、その背景には、自然環境だけでなく、人々の生活や精神文化にまで及ぶ豊かな物語が息づいている。
富士山は天気の変化を読み取る指標となり、地域のソウルフードや湧水文化を育み、祭礼や信仰の中心としても長く人々の暮らしに寄り添ってきた。
標高3776mという日本一の高さに加え、山そのものに付けられた「異名」の多さも日本一であるという。
不二・不尽・不士・布時・富士・不死・八葉山・芙蓉(芙蓉峰)・蓬莱山・富岳(富嶽)・四方山・養老山・仙人山など、異表記は150以上にのぼり、古来より多様なイメージで語られてきたことがうかがえる。
富士山を「知る・読む・歩く」ための総合ガイドとして充実している。
富士山を「知識」としてだけでなく、「文化」「暮らし」「信仰」「体験」として総合的に理解したい人にとって、手元に置いておきたい一冊だと感じた。
目次
はじめに
第1章 富士山の知られざるひみつ
第2章 地学で解き明かす富士山のすがた
第3章 富士山が生んだ歴史と文化
第4章 富士山と暮らす地域のまめ知識
第5章 富士山をめぐる信仰と伝説の世界
第6章 富士山がもっと楽しくなる見方・登り方
巻末付録 富士山についてもっと知りたい!
主要参考文献・ウェブサイト
監修/富士学会
富士山と、その関連地域を対象として、自然科学から芸術、歴史、宗教の人文科学までを広く網羅し、富士山にちなんだ教育や、噴火を想定した防災など、総合的な領域の研究を進めている。富士山の本質と全体像の探求、関連地域の環境保全、防災、活性化などを目的として、学術大会・討論会・講習会などの開催、会誌・図書などの出版、関連教育・文化活動への協力と支援などをおこなっている。
