「死ぬまで読書、死んでも読書だ!」
この一言に、思わず胸を打たれました。自分自身を鼓舞するような、強い心意気が感じられます。
読書に関する著者の考え方――「おすすめ本」「多読」「理解できない本」など――は、私自身が日頃感じていることと重なる部分が多く、深く共感しました。これからは迷わず、自分の読書を信じて進んでいきたいと思います。
■ 67ページ 読みたい本は自分で見つける
「おすすめの本はありますか?」と聞かれたとき、著者はこう答えると言います。
「そんな本はありません。あなたが面白そうだと思う本を読めばいいんですよ」
人の価値観は、年齢や立場、考え方や感じ方によって大きく異なります。私が面白いと思う本でも、他の人には響かないかもしれない。逆に、世間で高く評価されている本でも、私にとっては良いとも悪いとも言えないこともある。
著者自身は、誰かに勧められた本ではなく、「今読んでいる本」から次に読みたい本を探していくそうです。
50代になったら、人の評価に左右されず、自分の趣味に合う本、「これはよさそうだ」と思える本だけを選べばいい。
60代になったら、読むたびに「次に読みたい1冊」を探していく。その積み重ねで関心のあるテーマを深めてもいいし、別のテーマへ広げていくのも楽しい――そんな読書の自由さが語られています。
■ 83ページ 多読にこだわらなくていい
冊数を競うように読む必要はありません。人生の持ち時間は限られているのだから、読みたい本だけ読めばいい。
すべての本を精読する必要もなく、内容によっては飛ばし読みでも構わない。必然的に精読すべき本もある。読み方は本に応じて自分で決めればいいという、肩の力が抜ける言葉です。
■ 84ページ 理解できない本には見切りをつける
いくら読んでも理解できない本は、書き手の伝える技術や配慮が足りない場合がある。
ある程度読書経験がある人が読んでも理解できないなら、著者や翻訳者に問題があることも多い。
歳を重ねるほど読める本の数は限られてくるのだから、時間は大切にしたい。評判だからといって無理に読み続ける必要はない、という姿勢に強くうなずきました。
■ 99ページ 好奇心や知識欲に蓋をしない
既成事実であっても疑ってみることが大切。
情報を受け身で取り続けていると、自分の頭で考え、吟味し、判断する力が弱くなり、フェイク情報に振り回される危険もある。
誰かの意見を安易に取り入れてしまうのは、若い世代だけの問題ではない――という指摘は、年齢を問わず響く言葉です。
■ 目次
はじめに 六〇歳からは「自由自在の人生」だ
第1章 老いの変化を受け入れる
第2章 身体はマイナスになる、でも頭はプラスにできる!
第3章 最大の悩み―定年退職後をどう生きるか
第4章 私たちはどう働くのか
第5章 人生の価値は最後に決まる
おわりに Do your best!
主な参考文献
■ 著者紹介
丹羽宇一郎さん
1939年、愛知県生まれ。名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事に入社。
1998年社長、2004年会長に就任。
不良資産約4000億円の一括処理や最高益更新など、経営改革で知られる。
その後、内閣府の諮問会議委員、日本郵政取締役、WFP協会会長などを歴任。
2010年、民間出身として初の駐中国大使に就任。
現在は日本中国友好協会会長、福井県立大学客員教授などを務める。
