男性は、更年期や性について学ぶ機会が乏しいだけでなく、自ら学ぼうとしない傾向もあり、いざ向き合う場面でどう対応すればよいのか分からないまま過ごしているのが現実ではないかと感じた。パートナーとの関係づくりについても同様である。
本書では、誰もが性加害者になりうるという現状が率直に描かれていた。
性加害者の多くは「四大卒・会社員・既婚男性」という典型的な男性像であり、外見から異常性が分かるわけではない。周囲にいる“普通の人”が加害者となる。自分が加害者であるという自覚が乏しいケースも多い。性暴力は、支配欲を満たし優位性を確保し、ひとときの心の安定や満足を得ようとする行為であり、自分より弱い他者を踏みにじる、対等性の欠けた関係の中で起きる。
こうした事態を防ぐためには、自分の弱さを安心して語れる相手がいること、そして弱さを語ることそのものに意味があると教えられた。
大人こそ、性教育を通して「そもそもどう生きるか」を学び直す必要があると強く思った。
📚 共感した箇所
95ページより
たしかに主観的には「愛している」のかもしれませんが、「愛」という言葉は要注意です。その言葉でどのようなことを意味しているかは実は人によって違うとつくづく感じます。自分の思い通りに動いて、自分をケアしてくれて、好きな時にセックスできる存在への好意、そういう存在を所有したいという欲求を「愛している」と表現する夫に、離婚事案ではしばしば出会います。それは妻からみると「愛」ではなく、「支配」なのですね。
📖 目次
はじめに 校長 村瀬幸浩
第1講 「更年期」―誰もが通るその時期の過ごし方
第2講 「セックス」―思い込みを手放して仕切り直す
第3講 「パートナーシップ」―相手への尊重と傾聴
第4講 「性的指向と性自認」―LGBTQを知っていますか?
第5講 「性暴力」―加害者にならないために
第6講 「ジェンダー」―“らしさ”を問い直す
おわりに 校長 村瀬幸浩
【No2000】50歳からの性教育 村瀬幸浩 高橋怜奈 宋美玄 太田啓子 松岡宗嗣 斉藤章佳 田嶋陽子 河出書房新社(2023/04)
