温泉の効能や医学的に正しい入浴方法についてわかりやすく紹介している一冊でした。
世界的に見ても、入浴文化がここまで発達しているのは日本だけであり、温泉地の数は2857か所と世界一を誇ります。
低血糖を防ぐために「温泉まんじゅうを食べてから入浴する」という昔ながらの習慣にも、きちんとした医学的根拠があることを知りました。入浴前後に500mlの水分をとることも大切です。
医学的に正しい入浴法は「毎日、40℃、10分間、全身浴」。短期間の滞在でも温泉の効果は十分に期待できると述べられていました。
また、温泉は副交感神経だけでなく、あえて交感神経を少し刺激することで自律神経のバランスを整える働きもあるそうです。これは近所の銭湯やスーパー銭湯でも実感できるとのことでした。
著者が述べる「温泉の総合的生体調整作用」は、温泉そのものの効能に加え、転地効果も大きな要素です。
新しい土地に行ってワクワクする、きれいな景色に心が動く、普段出会わない人や料理に触れる――こうした体験が交感神経を刺激し、ホルモンバランスを整えてくれるのです。
日常から少し離れるだけで、心身に良い影響が生まれることを改めて感じました。
目次
はじめに 疲労が溜まるばかりの生活をしている人へ ほか
本書で紹介する疲労回復の極意18
序章 日本が誇る温泉文化は入浴にあり
温泉の基礎知識 そもそも温泉とは?
第1章 初の大規模調査「新・湯治プロジェクト」でわかった健康効果
第2章 血管年齢が若返り、冷え性、不眠、自律神経不安定症にも効く「適応症」それぞれのエビデンス
第3章 温泉の温まり方は何が違うのか?痛みの軽減、血液循環を良くする、新陳代謝を高める
第4章 知らずに入ると疲れが増してしまう!10の泉質と適応症を理解して自分に合った温泉入浴を
第5章 温泉宿の理想的な過ごし方・タイムスケジュール
泉質がわかる全国の主な温泉地リスト 271
おわりに
著者等紹介
早坂信哉さん
東京都市大学人間科学部教授・医師。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。温泉療法専門医、博士(医学)。浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て、現職。公益財団法人中央温泉研究所理事、一般社団法人日本銭湯文化協会理事、一般社団法人日本温泉気候物理医学会理事、日本入浴協会理事。環境省の「新・湯治効果測定調査プロジェクト」の調査の研究責任者を務める。
【No1991】医師が教える温泉の教科書 日帰りでも「湯治」はできる!疲労回復の極意18 早坂信哉 朝日新聞出版(2025/08)
