【No1843】この国でそれでも生きていく人たちへ 森永卓郎 森永康平 講談社(2025/03) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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森永親子での対談であり考えが合うところもあればそうでないところがある。考えが合わないのを批判するのではなくお互いを尊重しながら持論の考えを述べていく感じで、議論によってそれぞれの言い分が伝わってくる一冊だった。

 

146P「経営者にマクロ政策を議論させてはいけない」

合成の誤謬として、ミクロの観点からは正解の行動がマクロの観点からは不正解となる、こんな逆転現象について経営者のミクロの成功事例を取り上げた話があった。このような観点などから共感することが多かった。

 

一点だけ特出するとすれば、129P「令和の米騒動は政治のツケ」

世の中には自由化してはいけない職業がある。医療と農業は株式会社化して利益を追求してはダメな分野だ。どちらも人間の命に関わるものだから、起業化によって安全性より利益を優先されては困るのだ。

しかしながら、近年こうした分野の自由化がどんどん進められてきた。農業はできるだけ企業化して効率的に利益を上げよう、という方向が強かったのだ。

それを要するに農業の軽視であり、翻って命を軽視につながる。

2020年夏に日本全国でこの不足が発生したのはまさにそうした政治のツケだったと言える。

人は生きていくためには、食べなければならない。当たり前の基礎的な行為だ。

先の戦争時に、都会に住んでいる人たちが地方に汽車で出向いてきて、野菜など食料を衣類などで置き換えて畑で交換していたと祖母たちから聞いている。

例えば、国際情勢の変動で海外から日本へ食料が流通できない状況になったらどうなるのか。

真っ先に飢えるのは、……。

 

 

 <目次>

まえがき 森永康平

第一章 来たるべき大恐慌からいかに逃れるか 森永卓郎

第二章 分断が引き起こす内戦・世界大戦の危機 森永康平

第三章 「令和恐慌」をもたらすのは誰か 森永卓郎

第四章 「投資アレルギー」につける薬 森永康平

第五章 なぜ金融業界は詐欺師ばかりなのか 森永卓郎 

第六章 マクロとミクロの混同が日本をダメにした 森永康平

第七章 「身分社会」に潰されないための生き方 森永卓郎

第八章 「自己責任おじさん」にどう対抗するか 森永康平

あとがき 森永康平

 

森永卓郎さん

経済アナリスト。獨協大学経済学部教授。1957年、東京都生まれ。2025年1月没。1980年、東京大学経済学部卒。日本専売公社(現在のJT)に入社し「管理調整本部主計画」に配属

 

森永康平さん

闘う経済アナリスト。1985年、埼玉県所沢市生まれ。証券会社や運用会社にて株式市場や経済のリサーチ業務に従事。その後、インドネシア、台湾などアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。現在、株式会社マネネCEO。日本証券アナリスト協会検定会員。経済産業省「物価高における流通業のあり方検討会」委員。YouTubeチャンネル『森永康平のリアル経済学』『森永康平のビズアップチャンネル』を運営する。EXECUTIVE FIGHT初代55kg級王者