2021年4月に70歳までの就業機会の提供を企業の努力義務とする法律が施行されました。65歳までの継続雇用から意欲があれば高年齢者が働き続けられる時代に移行しつつあります。
「どう働けば定年後の人生が充実したものになるか」
定年後が全くの余生ではありません。充実した人生となるための後半の時間となります。
定年後を見据えた、定年後を迎えた活動をしている方々へのインタビュー集です。
幸せは、会社での肩書などの外面よりも、その人の心や内面の充実感こそが大事であることを学びました。
「チャンスは、人が運んでくる。そのチャンスをゲットすることができるかどうか、準備している人の前にしかチャンスが現れない。目標を抱いて行動しているとそのチャンスをつかめる可能性が増える」
経験と知恵や人脈を生かした組織と組織を繋ぐ働き方で輝いている24人の橋渡し役の人生を知り、その中から人生のキャリア充実に向けた目標やロールモデルを見つけるなど、今後の生き方の指針を発見し前向きな行動に移すきっかけとなる内容でした。
自身の過去(足跡)を振り返って、充実感を得たこと、夢は何か、やり残したことや気になっていることはないかなど自己理解を深めていく。次に、自分の強みや弱みを知る。また会社が求める人材、注力を注ぐ分野はどこなのかなど、職場や社会のニーズを探る作業が必要だ。
以下の三つの交わるところにやりがいや生きがい、自己成長につながるヒントがあるのではないかと思います。
213P Will・Can・Mustで自身の将来戦略を練る
① 好きなこと、やりたいことはなにか(Will)
② 何ができるのか、どこを延ばしていきたいか(Can)
③ どんなニーズに応えていきたいか(Must)
読書後のブログ発信のような「大事なことは好きなことを継続していくこと」に共感しました。
94P ミドル・シニアのセカンドキャリアへのアドバイス
大杉さんはセカンドキャリアを見つける秘訣についてこうアドバイスします。
「好きなこと、得意と思うことをいかに見つけるか。つまり「何をしているときがいちばん幸せなのかがはっきり自覚できる人は、定年後の人生設計も上手にできています。そして、それに関する新しい情報をインプットすることとアウトプットを出すことを継続するのです。これが長期にわたって社会とつながるために必要な条件だと思います」
さらにこう続けます。
「こんなに楽しいということを発信し続けていくと、いつの間にか専門家としての発信レベルにステップアップしていきますし、発信した内容に共感する人が徐々に集まってくるようになります。私は著書でも「定年後のひとり起業」を勧めていますが、例え儲かりそうでも、嫌なことは長続きしません。一番大事なことは好きなことを継続していることだと確信しています」
<目次>
プロローグ 「定年NEXT」とは何か?
第1章 期待と不安が交差する「70歳就業時代」の到来
第2章 「転機を乗り越えて」新たな世界で輝く不可欠な存在に
第3章 「誰かのために」奔走する、繋ぐミドル・シニア
第4章 「地方のために」自らの蓄積を還元する
第5章 企業を支える「社内リエゾンシニア」
第6章 「自分だけのリエゾンシニア」になってみませんか?
第7章 特別対談 厚生労働省職業安定局高齢者雇用対策課長 野﨑伸一氏に聞く「働くシニアと企業のこれから―自らの副業体験で見えてきたこと」
おわりに
池口武志さん
1963年京都府生まれ。86年同志社大学経済学部卒業後、生命保険会社へ入社。所謂「ジェネラリスト」として様々な業務を体験し、本部と販売現場の両面で管理職として多様な職種の人材育成に携わる。2016年、関連会社に出向。キャリア研修の企画・販売に従事。18年、一般社団法人定年後研究所の設立を担当。以来理事として調査・発信活動、サービス開発に携わる。21年4月、同所長に就任
【No1815】定年NEXT「繋ぐシニア」24人のロールモデルに学ぶ 池口武志 廣済堂出版(2022/05)
