公職選挙法が適用されない与党・民自党の総裁選挙において、当確師と呼ばれる聖達磨が活躍するストーリー。
総裁選中に22年前に起きた大疑獄の真相が新聞社の記者に追求されるとともに、総裁候補による中国やアメリカ等諸外国との繋がりの広がりがあったことなど、次々と新しい事実が明らかになっていく。今回はとてもスケールの大きい話に仕上がっていた。
政治家は、巷の一般人とは違った人種たちではないのか。腹の探り合い、騙し合い、傷つけ合い。軟な精神では到底生きていけない世界に住んでいる人たちと感じた。
続々と議員が候補に名乗り出る中で、派閥が瓦解した状態での総裁選の動きはなかなか読めなかった。
後半の動きがとても激しく、短い時間で総裁当確に向けて党内の票を獲得していく当確師聖達磨の行動力と話術には、まさに脱帽でありハートが鷲掴み状態で読み終えた。
ワクワクドキドキ震えるほどにぼくは面白かった。
<目次>
プロローグ
第一章 求められたお男
第二章 担がれた女
第三章 頼まれた男
第四章 貶められた女
第五章 躊躇う男
第六章 暴走する女
第七章 憤る男
第八章 揺るがない男
エピローグ
1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な裏側を描いた『ハゲタカ』でデビュー
ほかの著書に「バラ色の未来」「オペレーションZ」など。