脳科学の観点から頭がいいことを説明した本だ。
頭の良さとは、記憶力やIQが高いことだけではなく、運動能力やアートの創造性、人の気持ちがわかる、困難に耐える能力など、人間の生活におけるすべてに関わることだった。
これらの能力を支えるのが「脳の持久力」であり、これは脳が集中力を維持し長時間情報を処理し続けることができる能力だ。
この脳の持久力は、後天的に鍛えることができて、良質な睡眠や適度な運動、新しいことに挑戦すること等が脳の持久力を高める効果があった。
頭の良さは、生まれつきのものではなく努力によって鍛えることができる。また、脳の持久力を高めるため、日々の生活習慣を意識することが重要であった。
<目次>
はじめに
第1章 「頭がいい」ってどういうこと?
第2章 注意しなければ知覚できない
第3章 脳の働きがいいとは、どういうことか
第4章 記憶という不思議な仕組み
第5章 思い通りに身体を動かす
第6章 感受性と創造性
第7章 人の気持ちがわかる
第8章 脳の持久力を担うアストロサイト
最終章 AI時代に求められる真の“頭の良さ”
おわりに
お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。1984年、北海道函館市生まれ。2008年、東京薬科大学生命科学部卒業。2013年、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳に関する本を輪読する会「いんすぴ!ゼミ」代表。著書に『脳を司る「脳」―最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき(講談社ブルーバックス)で講談社科学出版賞受賞。
【No1600】「頭がいい」とはどういうことか 脳科学から考える 毛内 拡 筑摩書房(2024/04)