【No1602】ルポ書店危機 山内貴範 ブループリント(2024/04) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書は、例えば著者、主人公、偉人、歴史、自分等との、非日常の中での対話だ。

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書店は、その地域の文化の拠点であり、人の教養を高める重要な基盤だ。

書店閉店など日本全国にある街の書店が撤退していく記事を最近よく目にするようになってきた。実際に普段住んでいる近くの書店が無くなっていくことに危惧をしている。

人口減少と非婚化による少子化の場合と同様に、書店の撤退も負のスパイラルに入っているものだと思う。

書店は、薄利多売な商売だ。人口が減るなか本を読まない人が増えてきているのが続いていくと、リアルな書店で本を買わなくなってくる。そうすると、書店の経営がうまく回らなくなってくる。この書店が減ってくると、尚更、本を目にする機会がさらに減ってきて……。負のスパイラルが加速度的に増加していく。

「書店危機」は衝撃的だ。少子化対策のように焼け石に水や手遅れな状態ではなく、今から何かしら策を講ずることは遅くないかもしれない。

まずは、書店の経営者や書店員などの声を聴き、現状を把握するべくこれを読む事にしたのだった。

 

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書店が街からなくなりつつある。書店が1店もない市町村は全国で26%にまで増えているという。その最大の理由は、書店の主力商品である書籍の売り上げの低迷だ。webメディアの台頭、原材料費や郵送コストによる書籍単価の高騰、人件費、家賃の固定費など理由は複合的である。

 

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現地で一様に聞かれるのは「書店がなくてもそれほど困らない」「Amazonがある」「電子書籍がある」という声だった。書店は若者から高齢者まで幅広い世代を引き付ける、文化発信の場でもあるのも事実である。県庁所在地であっても書店の閉店が相次ぐ現状を、このまま黙って見ているだけでいいのだろうか、と考えてしまうのだが。

 

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もともと芳しくなかった本の売れ行きが、コロナ騒動で完全にとどめを刺された。コロナが5類になり、世間の空気感が元に戻っても、本の売上は回復していないという。今後、電子書籍の普及や長引いたコロナ騒動の影響もあって書店の閉店は加速するものと思われる。

 

 

例えば、読書によって疑似体験ができる、総合的に人間力を高めることに役に立つなど、本を読む楽しさやメリットなどを、実際の本を取り上げてSNSや朝活で伝えていきたい。

わずかな前傾姿勢かもしれないが、読書文化のためにできること、やれることを継続していければ。

 

 

 <目次>

はじめに

総論:書店閉店の負の連鎖は断ち切れるのか

第一章  地方書店

コラム 地域で活躍する消しゴムハンコ作家に聞く 中小書店の御書印を制作した想いとは?

第二章 書店ルポ

コラム 中川淳一郎に聞く雑誌の未来 「ネットより雑誌のほうが自由な表現の場になっていく」

第三章 行政と書店

コラム 本屋での“立ち読み“は日本独自の風習だった? 知られざる江戸時代のルーツとは

第四章 本を売る場と出版 新たなる関係

 

 

1985年、秋田県出身。幅広い媒体で、建築、歴史、地方創生、科学技術などの取材・編集を行う。大学在学中に手掛けた秋田県羽後町のJAうご「美少女イラストあきたこまち」などの町おこし企画が大ヒットし、NHK「クローズアップ現代」ほか様々な番組で紹介された。商品開発やイベントの企画も多数手がけている。