誓い、憂鬱、試練、悔根、悲嘆。
光崎教授やキャシー准教授、渡瀬警部らのキャラだちがしっかりしていて面白い。
このヒポクラテスシリーズは、出たらすぐに必見だ。
8050問題や老老介護など現代の日陰の部分に焦点を当てていた。
引きこもりの40代の娘と70代の両親、同じく50代の息子と80代の両親。80代の認知症の妻を介護する70代の夫。同じく60代と元気な90代の父。キャリア官僚の60代父とロスジェネ世代30代の息子。外からは見えない複雑な家族関係や思惑が悲しい事件を生んでいった。
各検視官が自死だとか事故死と判断しても納得出来ない古手川刑事。
「死体は語る」
いつものとおり光崎教授が真実を見つけたり。
古手川刑事と栂野助教とのコンビが大活躍する回だった。
<目次>
プロローグ
一 7040
二 8050
三 8070
四 9060
五 6030
エピローグ
1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。幅広いジャンルを手がけ、斬新な視点と衝撃的な展開で多くの読者の支持を得ている。本シリーズの第一作『ヒポクラテスの誓い』は第5回日本医療小説大賞の候補作となり、WOWOWにて連続ドラマ化された。他の著書に「彷徨う者たち」「こちら空港警察」など多数。