「経済は、適度なリスクを取る者にとって、有利にできている。」
実際に息子へ送った手紙「大人になった息子へ」からできた作品だった。
投資、職業選択、働き方、幸福論。投資は信託で「長期、分散、低コスト」オールカントリ―を、職業選択はリスクと引き換えに株式をもらえる仕事を、働き方はいろいろ、幸福にとって重要なのは人に認めてもらえることだ。
シンプルで読みやすく温かさがあった。お金や仕事との付き合い方、幸せとは何か、この幸せを願う親の目線で書かれていて文章が柔らかかった。
50P 新しい時代の稼ぎ方
1 株式制の報酬と上手く関わること
2 適度なリスクを取ること
3 他人と同じにならないように工夫すること
55P
資本主義経済は、リスクを取りたくない人間から、リスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げる(資本と株式)ようにできている。
148P
幸福の決定要素は、健康、多少の豊かさとお金、そして「自分が承認されているという感覚」(自己承認感)である。
131P
28歳までに自分の職を決める、35歳まで自分の人材価値を確立する、45歳から高齢期の働き方江尾見据えたセカンドキャリアについて準備する。
122P
自分が投資するものは、時間、努力、お金だ。自己投資で得るものは、知識、スキル、経験、人間関係、時間だ。
<目次>
まえがき
第1章 働き方・稼ぎ方(「昭和生まれの働き方常識」は“割が悪い”「新しい働き方」は効率的と自由を求める ほか)
第2章 お金の増やし方と資本主義経済の仕組み(お金の運用について必要な「基本」はこれだけ、借金なしに済む「生活資金」は常に確保せよ ほか)
第3章 もう少し話しておきたいこと―働き方のコツ、覚書(自分の人材価値を中心に考える、最初の仕事は「興味が持てて」、「倫理観に反しない」もの ほか)
終章 小さな幸福論(幸福の決定要素は、実は一つだけ、お金と自由とは緩やかに交換可能だが、それで幸福か? ほか)
付記 大人になった息子へ―息子への手紙全文
あとがき
経済評論家。1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会多数。ズバリ語る辛口の経済解説、マネーコラムで人気を博している。著書に「ほったらかし投資術」「超簡単お金の運用術」など。
【No1567】経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて 山崎 元 Gakken(2024/02)