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水野「強いほど、他人を受け容れて許せるようになるでしょう」
東京湾臨海署安積班シリーズの短編集。
安積係長は、国際犯罪対策課、水上安全課、盗犯係、暴力犯係、強行犯第二係など、いろいろな人たちとの協同に力を惜しまない。
外国人同士がもめているという通報があり現場に駆けつけると、複数の外国人が罵声を上げて揉み合っていた。ナイフで相手を刺して怪我を負わせた一人を確保し送検するも、彼らの対立はこれでは終わらなかった(略奪より)
安積係長をはじめ、村雨、須田、水野、黒木、相楽係長、速水小隊長など、多彩で異色な人材が豊富なので読んでいて面白くて飽きがこないわけだ。
<目次>
目線
会食
志望
過失
雨水
成敗
夏雲
世代
当直
略奪
1955年、北海道生まれ。上智大学在学中の1978年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て専業作家に。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、2008年に『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。2017年、「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。2023年に日本ミステリー文学大賞を受賞