【No1517】子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か 斉藤章佳 幻冬舎(2023/11) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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子どもへの性加害は、(生涯にわたって)心身に深い傷を残す卑劣な行為だ。

 

読み終えるまで1ヵ月ほど時間がかかってしまった。

なにか体に重石のようなものが載せられ、またこころにも重ねて載せられたような気持ちがしたからだ。

 

ジャーニーズ事務所が大きく世間で取り上げられて社会問題となったことがあり、この性加害問題について知りたいと思った。以前、元フォーリーブスのメンバーが性加害を告発していたことは聞いて知っていたが、芸能界というスキャンダルにまみれた世界でのこともあり疑心暗鬼であった。

 

子どもへの性犯罪を生まないためには加害者を作らないことが大事だ。

加害者をなくすためには、加害者や加害行為の実態を知ることが必要不可欠だと思う。

精神保健福祉士である著者が、子どもが被害者になる性犯罪の実態を詳しく著した一冊だった。加害者は、性的な行為を目的に子どもを手なづけるグルーミング(性的懐柔)や上位的な立場を悪用して、子どもが被害者となる性犯罪の真相について書かれてあった。

 

例えば、加害者は、見た目からヤバいとかあやしい人ではない。

勤勉で真面目で親しみやすい人というよい印象を持たれていたこと。教員をはじめ学校の職員、塾講師、トレーナー、保育士、ベビーシッターなど、世間の「普通の人」が加害者だったという驚きがあった。

 

社会全体で子どもへの性犯罪をいかにして防ぐのか、どのようにして性犯罪者をつくらないか、また再発させないか、被害者を真に救う方策について諸々が課題だ。

 

144P

性被害を受けた子どもは自分で被害を認識することが極めて困難なうえ、被害に遭ったこと自体を「恥ずかしい」と感じていること、さらに加害者に口止めされている場合は「人に知られてはいけないのではないか」と罪悪感を抱えていることから、自分から被害を打ち明けられないものです。

また、もしこの秘密をカミングアウトしたら、自分がいまいる世界がすべて崩壊するのではないかといった恐れを抱くこともあります。そんな彼らが大人たちに相談するということは、ハードルが高く、並大抵なことではないという点をまずは心得ておきたいものです。

 

子どもへの性加害は、心身に深い傷を残す卑劣な行為だ。なかでも問題なのが、顔見知りやSNS上にいる〝普通の大人″が子どもと信頼関係を築き、支配的な立場を利用して性的な接触をする性的グルーミング(性的懐柔)である。「かわいいね」「君は特別だ」などと言葉巧みに近づく性的グルーミングでは、子ども本人が性暴力だと思わず、周囲も気づきにくいため、被害はより深刻になる。加害者は何を考え、どんな手口で迫るのか。子どもの異変やSOSをいかに察知するか。性犯罪者治療の専門家が、子どもを守るために大人や社会がなすべきことを提言する。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 性的グルーミングの手口

第2章 子どもを狙う加害者の頭の中

第3章 性的グルーミング被害の実態

第4章 被害者支援の現場から

第5章 小児性愛障害の治療

第6章 子ども性加害経験者と語る―加藤孝さんに聞く、「やめ続ける責任」とは

子ども性被害 相談窓口一覧

 

精神保健福祉士・社会福祉士。大船榎本クリニック精神保健福祉部長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症回復施設の榎本クリニックでソーシャルワーカーとして、アルコール依存症をはじめギャンブル、薬物、性犯罪、児童虐待、DV、クレプトマニア(窃盗症)などあらゆる依存症問題に携わる。専門は加害者臨床で、現在までに2500人以上の性犯罪者の治療に関わる。