【No1496】話す力 心をつかむ44のヒント 阿川佐和子 文藝春秋(2023/12) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書は、例えば著者、主人公、偉人、歴史、自分等との、非日常の中での対話だ。

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阿川佐和子さん流の会話の妙や楽しみ方を、彼女と関わった周りの人たちに喜怒哀楽ともにわかりやすく伝授しています。

 

彼女は、お転婆だったとか、あわてん坊だったんじゃないかと推察いたします。普段から家族や関係する人たちにかわいがられてきたのでしょう。彼女の経験とそれに対する思ったことや感じたことが、それぞれのとある事例をもとにして物語風に赤裸々に語られています。だから伝わるのです。こちらもそうだそうだと思って理解しやすいしそれらを読んでいる人の自分事として納得することができます。それと、周りの人に気遣いKYを読みながらこれまで生きこられてきたことがわかりました。

 

話すための大切なヒントが目次のなかに要約されていました。色々な上手な会話のヒントを提案しています。

 

これはよいから取り入れようとか、これはいいけど自分には合わないなど、どれを取り入れて選ぶのかは読者に任されています。

全体を通して楽しい読み物でした。

兎に角、さわこさんの話す力は、さわこさんが相手の話をちゃんと聞く力だと思いました。

 

28P 自分が話したいことを見つける

何も話題が浮かばない。そう思ったら、とりあえず他人の話に耳を傾けてみてください。どこかでピンとひっかかるものがあるはずです。そのピンとひっかかった一つの言葉に反応し、頭の抽斗の鍵が開いて、奥底にしまっていたエピソードがもぞもぞと動き出すことがあるものです。

 

66P 相手との距離感をつかむ

しばらく様子を観察したうえで、相手との適切な距離感を測ることは大事だと言いたいまでです。この方となら、これくらいの距離感まで近づいても大丈夫だぞと思ったら、話せることが一気に広がる場合があるのです。

その都度、様子をうかがって、心地よい距離感を臨機応変に見つけることができたら、会話は自然に打ち解けていくと思います。

 

206P 相手に合わせた平易な言葉

本当に頭がいい人は、相手に合わせて平易な言葉で話ができる方のことを言うんだな。無駄に難しいこと使ったり、専門用語を持ち出したりする人の話が、どうしてわかりにくいのかというと、きっと本人もちゃんと理解していないからなんだな。

 

 <目次>

ちょっと長めのまえがき

1 他人の話のなかにヒントがある(海外で思い知ったこと、自分が話したいことを見つける ほか)

2 話し相手との距離感(相手との距離感をつかむ、モテる男は、聞き上手 ほか)

3 日本語は相手の様子を見る言語(日本語の一人称は変幻自在、日本語は相手の出方によって自分の発言を変えられる ほか)

4 上手な話と良い日本語(私が最も話上手と思った人、専門用語で逃げるな ほか)

 

エッセイスト、作家。1953(昭和28)年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。83年から『情報デスクToday』のアシスタント、89年から『筑紫哲也NEWS23』のキャスターに(いずれもTBS系)。98年から『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)にレギュラー出演。99年、檀ふみ氏との往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で講談社エッセイ賞、2000年、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、08年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。12年『聞く力―心をひらく35のヒント』が年間ベストセラー第1位に。14年菊池寛賞を受賞