【No1321】ある行旅死亡人の物語 武田惇志、伊藤亜衣 朝日新聞出版(2022/11) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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「行旅死亡人」とは、病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語だ。行旅病人及行旅死亡人取扱法により、死亡場所を管轄する自治体が火葬する。死亡人の身体的特徴や発見時の状況、所持品などを官報に公告し、引き取り手を待つのだ。

 

本籍や住所、氏名不明、年齢75歳の女性、身長は約133cm、中肉。手元に現金三千万余りがあって右手指が全て欠損している女性はどうして行旅死亡人となったのだろうか。

 

二人の記者が追い求めて身元不明者から身元が判明に至るまで圧倒されて一気に読み。人は、たとえ目立たぬように生きていたとしても、生きてきた痕跡は残るのだった。

 

所持していた印鑑から身元がわかるが、大金の出どころは以前不明のままであった。彼女が住んでいたアパートを借りた名義人「田中竜二」氏との関係もわからなかった。不明が解決することができずに不思議のままであった。

 

わずかなかすかな紐を解きながら彼女に寄り添った記者らの思いや、彼女を知る地元の友人からの労わりの言葉が彼女に届くことができれば。

 

 <目次>

1 発端、兎の穴、橋の上の密談、警察と探偵、錦江荘 ほか

2 面影、少女時代、消えた写真の男、今はなき製缶工場を訪ねて、原爆とセーラー服 ほか

 

武田惇志

1990年生まれ、名古屋市出身。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。2015年、共同通信社に入社。横浜支局、徳島支局を経て2018年より大阪社会部

伊藤亜衣

1990年生まれ、名古屋市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修了。2016年、共同通信社に入社。青森支局を経て2018年より大阪社会部