【No1188】陰翳礼賛 谷崎潤一郎 中央公論新社(1975/10) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

文豪谷崎潤一郎になって考えてみたい。

「現代は、街にも家にも人の周りには、光が多すぎ眩しすぎ明るすぎる。

芸能人向けゴシップを象徴するかのようにあけっぴろげすぎ。

こころがまったく落ち着かない。

わびさびやもののあはれがあまり感じられない。

蛍光灯やLEDではなく、ロウソクのほのかな灯がいい。

大和撫子のような佇まいで奥ゆかしく静かに落ちつきたい。」

 

「陰翳」の極みによって、自分のDNAに組み込まれている古来の日本人の美意識が覚醒させられた。

神経質的に病的なほどに、谷崎氏は、陰影の観察眼が鋭い方だと感じる。

古きよき日本家屋の魅力は、陰影に見たり。光と陰の対比にあった。

座敷、床の間、和紙、漆器、羊羹からも。

「秘すれば花」風姿花伝の観阿弥世阿弥が頭に浮んできた。

漆黒の闇の広間。

そこにあった金屏風に当たり反射された懐中電灯の光。

そこはかとなくほの暗い美と趣を感じた。

ぼくには、煌々と照らされる月より、流れる雲の間からほのかに光るものの美しさ、妖しさが勝るなり。

 

 <目次>

陰翳礼讃

懶惰の説

恋愛及び色情

客ぎらい

旅のいろいろ

厠のいろいろ

解説 吉行淳之介

 

1886年東京都日本橋人形町生まれ。1965年神奈川県湯河原にて79歳で没。東京帝国大学国文科中退。小説家、劇作家、随筆家。明治末期から戦後の昭和中期まで、戦時中の一時期を除き、文壇の第一線で活躍。近代日本文学を代美する作家として、内外で非常に高い評価を受けている。豊富な語彙を駆使する端麗な文章と巧みな語り口、作品ごとに変化する題材や文体など、嘆美派、悪魔主義、古典回帰などと評されながら、「文豪」「大谷崎」と称されるにふさわしい業績を残した。1949年に文化勲章受章