あるがままでよい、あるがままよりほかにない、ありがままでなければならない。
高年でいてそうであるならば、いまからもそうであってもいいのではないか。
こころとからだは表裏一体。
こころだけでなくからだも整えるべき。からだだけでなくこころも整えなければいけない。
精神科医として長年の経験と治験、そして知見を基にして、和田秀樹さんが高齢者=高年者の生き方の処方箋をつくって、転ばぬ先の杖として心と体の持ちようなどをうまく読み手に伝えていたものと思います。
59P 人は心から老化する
脳の部位で最初に老化するのが前頭葉であることを確信するに至りました。
感情の老化による意欲の低下は、単にメンタル面での不調にとどまらず、頭や体を使わなくなることにより、フィジカル面でも弱りロコモティブシンドローム(運動器障害によって歩行困難など要介護になるリスクが高まる状態)につながります。
前頭葉が本格的に壊れると、同じことを繰り返す保続という現象が起きてきます。
高世代にとって、感情の老化は、ある意味で身体の老化よりもシリアスな問題だと私は考えています。
139P 運動は面倒だが役に立つ
高年になってからの運動に関して、大切なことを一つ指摘しておかなければなりません。それは、過度な運動は老化を進め寿命を縮めるということです。なざなら、細胞の天敵である活性酸素を大量に発生させるからです。運動もし過ぎると寿命を縮めます。
掃除や洗濯、料理といった家事を率先してやることから始める。地域のボランティアに参加するのもいいでしょう。とにかく、毎日意識的に少しでも体を動かすようにしてください。
157P 金は墓場まで持ってはいけない
使える金は自分や妻のためにどんどん使うべきです。無駄使いをしろというのではありません。幸せな人生だと思えるような充実した時間のために使うべきです。できればモノよりコト、すなわち体験に使うべきでしょう。モノはアンチエイジングに影響を与えませんが、コトは確実に心身を活性化します。友人との交際、美味しいものを食べる、旅、映画や音楽、美術の鑑賞、学びたかったこと学ぶ等々、よく考えれば自分の人生を豊かで充実したものにするコトはいくらでもあるはずです。
178P すべてを疑え
政府やマスコミによって流される言説に対してはまず疑ってみる、自分アリに考えてみるという癖をつけるべきです。日頃から常識らしき言説に対する異論や反論を意識的にチェックするべきです。そうした習慣をつけることにより、高年者は老化しつつある脳を活性化できるのです。
<目次>
序章 人生百年と言うけれど
第1章 高年世代よ、反逆の旗を振れ
第2章 老化と病気
第3章 心の整え方
第4章 体の整え方
第5章 暮らしの中の知恵
あとがきにかえて あるがままに
1960年大阪生まれ。精神科医。東京大学医学部卒業後アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェロー。老年精神医学、精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。アンチエイジングとカウンセリングに特化した『和田秀樹こころと体のクリニック』を開業し院長に就任
【No1187】六十代と七十代心と体の整え方 良く生きるために読む高年世代の生活学 和田秀樹 バジリコ(2020/06)
