【No1024】なぜ、日本人の9割は金持ちになれないのか 藤井 聡 ポプラ社(2021/11 ) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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日本の9割が金持ちになれないということは、残りの一割が金持ちで富裕層であるということなのかなと思う。

何かおかしいぞ!

構造的な欠陥があるのではないかと勘繰ってしまう。

275P

毎日頑張って生きているんですよ。

20年間もデフレを放置されて不況が続く中、2度にわたる増税と、コロナ感染症拡大とそれに伴う自粛要請で、多くの国民が瀕死の状態になりながら、それでも健気になんとか生き延びようと必死に努力を重ねている。

 

読んでいて気になった場所、印象が深いところ、興味がある箇所を取りあげてみた。

 

20年間もデフレが続いている。

諸外国と比べると、なにか変な状況なんだとなんとなくわかってきた。

会社の内部留保や株主への配当だけでなく、労働者に対する賃金アップに回していただければよいのだが。

20P

(経常)利益は20年で2倍にしかなっていないのに、株主配当金だけは5倍以上になっているということは、日本の企業は儲かったおカネのうち、株主に回す分をどんどんどんどん増やしてきたということになっているわけです。

32P

私たちの日本経済で不況がずっと続いているということそれ自体が国難なんですが、岸田さん(総理)は、そんな不況に終わりが告げられるまで、財政規律=プライマリーバランス規律を一定程度凍結しながら、しっかりと政府支出を拡大し続けることになるはず。

 

家計と政府の借金の性質は違うという。両者を比較した例はよく聞こえてくるが。

37P

「国の借金」という表現からして間違いで、正しくは「政府の負債」です。「国の借金」っていうと、私たち国民も借りているような錯覚に陥りますが、完全な間違い。そもそも「国」のなかにはいろんな人、主体がいます。私たち国民もいれば、いろんな会社もあります。そして、それらとは全然別の存在として「日本政府」というものもあるわけです。マスコミなんかでいわれている「国の借金」とは、国でも国民でもなく、「日本政府の借金」のことなんですよ。日本銀行の資金循環統計でも、「政府の負債」と書かれています。「政府」が借りているのが「政府の負債」であって、「国の借金」でも、「日本の借金」でも、ましてや「国民の借金」でもありません。

 

自国通貨を発行できるという通貨発行権。

この打ち出の小槌がある限り、国債を自国通貨で購入している限りは、国の破綻はないというが、本当にこれでよいのかどうか、こころから理解できているものでもない。

44P

政府が自国通貨建ての国債で破綻することは、事実上、あり得ません。歴史上、自国通貨建ての借金を返済できなくなった国はありません。

(中略)

なんといっても中央政府は、その国の通貨を発行する権限、つまり通貨発行権を持っているのですから。自分で簡単におカネを作り出して借金を返すことができるのに、借金で破産するなんてバカはいないでしょう。だから自国通貨建ての借金で破綻してしまったなどというマヌケな政府なぞ、存在するわけがないのです。

 

2度の消費税増税は、現状のデフレ下ではなく、インフレ下でやらねばならなかったものではないかと素人目からそう思った。賃金が現実的にいきなり下がる要因だったのだ。

108P

デフレの時の消費増税は、賃金が下落しつつあるなかで強制的におカネをむしり取られる。政府だけは税金を吸い上げて儲かっているかもしれないけれど、国民の全員が損をするわけです。だから消費税を3%上げられたら、その瞬間に実質的な賃金は3%下がるんですよ。

 

直間比率を下げる目的として平成になって取り入れられた消費税は、現状のままでは目的を変えないといけないのでは。

122P

必ず、法人税率の引き下げと消費税率の引き上げはセットになっている。これが消費税増税の基本的メカニズムです。

 

著者が一環して主張されている論点です。

135P

福祉や社会保障を充実させるためには、何よりも経済を成長させなくてはいけません。消費増税すると景気が悪くなり、成長できなくなってしまう。将来に残していけないものは「経済不況」そのものなんです。消費税増税という愚かな判断こそが、将来世代に不況や貧困といった負の遺産を「ツケ回し」する最悪な判断なんです。

(中略)

国債の発行は悪じゃない。過剰なデフレだとか過剰なインフレとかが悪なんです。そういう悪いインフレやデフレを避けるために、国債という「薬」を使えばいい。

 

最近、社会主義という言葉を目にすることが多くなってきた。

社会主義のよいところを取り入れて、資本主義のよくないところを入れない政策を取らないといけないのかと。

1割の富裕層のための政策になっていないのかどうかを考えていかないといけないのでは。

取り返しのつくうちに。

171P

資本家が富を収奪する以上に成長していると、弱者にも富を分配していくことができる。成長していくことで初めて、弱者にも発展の余地が出てくる。資本主義を採用している国では、成長しない限り、弱者は資本家に搾取され続けることになるんです。それが幸か不幸か、資本主義っていうものの特徴なんです。

 

 <目次>

はじめに 岸田新総理「所得倍増」計画を実現させるために

序章 岸田内閣で、日本経済はこうなる!

第1章 「国の借金で破綻する」は真っ赤なウソ

第2章 「消費増税しないと将来にツケを残す」というウソ

第3章 「日本経済を守るために緊縮財政が必要だ」というウソ

第4章 「グローバリズムが日本を救う」というウソ

終章 コロナを逆手に取って、みんなで金持ちになろう!

終わりに 真実を知り声を上げ続ければ「所得倍増」も夢ではない

 

1968年、奈良県生まれ。京都大学大学院工学研究科教授(都市社会工学専攻)。元内閣官房参与(防災・減災ニューディール)。京都大学工学部卒業、同大学院修了後、同大学助教授、イエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学大学院教授などを経て、2009年より現職。2012年より18年まで安倍内閣において内閣官房参与。2018年よりカールスタッド大学客員教授、ならびに『表現者クライテリオン』編集長。文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞など受賞多数。専門は公共政策論、都市社会工学。