【No.951】ブルースRed 桜木紫乃 文藝春秋(2021/09) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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出会えた著者を応援し、
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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「男と違って、女のワルには、できないことがない」

裏社会を仕切ってきた影山博人の死後に、その後を継いだ義理の娘、莉菜という人物の栄枯盛衰を垣間見た。

そこには、釧路という街の経済を取り仕切る何者をも恐れない肚が座った女の覚悟があった。

決して表舞台には上がらない、裏家業で生きることを決めた強い意志があった。

 

運転手兼ボディガードの弥伊知と妹の支靜加。松浦酒店の女将とその息子・武博。

莉菜と酒屋の女将と莉菜の母親まち子などの人生を絡めながら、女たちの間をうまく搔い潜り漂い利用しながら、赤絨毯を踏むまでに出世していく武博がいた。

 

桜木紫乃さんの作品を楽しみにしている。

今回も裏切られることはなかった。

62P

「お前はヒロトそっくりだから」

もめ事の処理に感情をまぶして逃げないことへの褒め言葉なのか、それともあまりの非情さに母親として呆れているということなのか。どちらでもいい。莉菜が父から学んだのは「やるときはやるべきことをやる」だった。「や」の文字は「殺」になることもあるし、「演」にもなる。そこに一切の情を挟まずにいれば、傷も血も最小限で済むのだ。

 

 <目次>

最愛  

TABOO

来客  

乾燥果実

はじまりの月

あだうち

泡の糸

結局  

テイクファイブ

祈り島

 

1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第八二回オール讀物新人賞を受賞。07年、同作を収録した『氷平線』で単行本デビュー。13年『ラブレス』で第一九回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第一四九回直木賞、20年『家族じまい』で第一五回中央公論文芸賞を受賞