10の短編集。捜査員一人一人の人柄が丁寧に描かれていた。
村雨、黒木、桜井、水野などの安積班は、新人と中堅、ベテランのハーモニーがちょうどよい。
捜査はチームプレーだ。
安積と部下の信用度と信頼感がうまくかみ合って、風通しも良くて事件をすみやかに解決に導いている。
理想は、彼のような人物を言うのだろう。
安積は、班のメンバーがそれぞれの特性・個性を発揮できる環境を整えるのが上手かった。
彼は、他係の須田係長や相楽係長、速水交通機動隊小隊長などとも良い関係を保ち、阿吽の呼吸でうまく調整して事件という修羅場を数多くくぐってきている。
こういった事例は、警察という組織だけでなく、一般的な会社でも活用できる。
良好な人間関係があれば、仕事が前向きに進んでいくものだと思った。
<目次>
公務
暮鐘
別館
確保
大物
予断
部長
防犯
予告
実戦
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て、専業作家に。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞受賞。17年「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞
