【No.930】ロータスコンフィデンシャル 今野 敏 文藝春秋(2021/07) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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公安外事一課の倉島警部補の活躍を今野敏さんが描くシリーズものである。

ロシアのザハロフ外相が来日している最中、随行員のカリーニンの行動確認中にベトナム人、チャン・ヴァン・ダットが殺害された。

そのベトナム人は、ある会社に在籍はしているが実際に仕事をしている形跡がなかった。

そうなのにお金の巡りがあるのはなんとも不思議で、誰かからお金を融通してもらっているらしい。

この殺害事件の容疑者としてロシア人のヴォルコフが浮かび上がってきた。

ロシアやベトナム、そしてなぜか近隣国の中国がうっとおしいくらいにしつこく纏わり絡んでくる事件だった。

 

倉島が同僚の刑事出身の白崎先輩のことを侮ったり、後輩の片桐などの進言を蔑ろにしてしまう過ちを起こしてしまっていた。

ゼロ出身として抜群の嗅覚を持ち、行動力で圧倒的な信頼感を勝ち得てきた倉島がまさかの慢心を犯してしまう。

しかし、最後には自らを反省していつもの元気な姿を取り戻していくのだ。

やはり公安のエースとして解決できるよう行動することによって、信頼をリカバリーできたのだった。

 

一生のうちに実体験できるのは、チャンスも少なく時間的にも非常に限られていると思う。

疑似体験ができるのは、小説を読むためのメリットの一つだ。

刑事のぼくが倉島のそばにいて、いっしょに事件を捜査し解決に導いていく感覚にぼくが陥ったお話だった。

 

1955年、北海道生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。大学在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞し、作家デビュー。レコード会社勤務を経て、81年より執筆に専念。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を受賞。08年、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞をダブル受賞。また、『隠蔽捜査』シリーズで17年に吉川英治文庫賞を受賞した