カカ・ムラド(ムラドおじさん)
アフガニスタンでの中村さんの愛称でした。
中村さんの一番好きな言葉は、中国の思想家孔子のなかにある。
「生涯守るべきこととは、恕(寛大さ)だ。
自分が好まないものは他人にも押しつけてはならない」
アフガニスタンは、とっても強い親日国だ。
強国のロシアに勝利した日露戦争のことや広島・長崎への原子力爆弾の投下のことなどをまるで自国のことのようによく知っているそうである。
日本人であることが最大の安全保障であって、最も身を守れる背景だったという。
しかしながら……。
戦争や空爆では決して平和はやってこない。
平和と食料不足とはまことに関係が深く。
アフガニスタンを安定させるためには、まずは食糧と水が大事だと。
そういうことから砂漠を緑化して農地に変えていくこととした。
中村さんは、先頭に立って農業生産を上げていくための各種事業をなされました。
具体的にはアフガニスタンを流れるクナール川から水を引いて砂漠を潤す水路を引く灌漑事業を実施されたのでした。
テレビから伝わってくる情報しか知りませんでした。
中村さんの活動が少しわかりました。
いまも世間を騒がしているアフガニスタン。
この国の人々に対する中村さんの熱い志、生き方。
彼の功績や意義などについて触れることで、平和のために各自は何ができるか考えるべき一歩となることでしょう。
<目次>
はじめに 人の命を大切にしたいという思い、武器は絶望しかもたらさない
第1章 中村哲医師が世界に示した平和主義(戦争でテロはなくならない、イラク戦争支持への反省を怠った日本 ほか)
第2章 アフガニスタンでの三〇年間の苦闘(食べることこそが平和をつくる、食糧緊急支援に奔走 ほか)
第3章 中村医師が見たアフガニスタンの社会(アフガニスタンは世界一の親日国;広島・長崎への原爆投下に対する同情 ほか)
第4章 アフガニスタンの人びとは中村哲医師を忘れない(善き行いとは―ルーミーの詩から、多くの人に愛された「カカムラ」 ほか)
第5章 コロナ禍の世界は戦争の空しさを説く(「ブラック・ライヴズ・マター」、軍事費削減を求めるアメリカ国民 ほか)
おわりに
1955年山梨県生まれ。現代イスラム研究センター理事長。83年慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程(歴史学)修了。専攻はイスラム地域研究、国際政治
【No.917】武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方 宮田 律 平凡社(2021/04)
