春琴と佐助の静かで激しい愛の物語。
弟子に恨みをかい顔に熱湯をかけられ大火傷を負う美女。
醜い顔を見られたくないという彼女の願いを叶えるため自ら針を指して目を潰した男。
極めて悲劇的でありながら、不思議と陰惨さが感じられない。
句読点や改行が非常に少ない。
台詞の記号もほとんどない。
一頁丸々文字だけもあり。
現代に書かれた書と比べると非常に読みにくい文体だった。
梅花の幹を春琴に撫でさせる箇所、
佐助が春琴の小さな足を誉め語るところ。
エロとフェチが散りばめてあって、盲目の二人の拙いやり取りの間に交わされる情など、まさに耽美だった。
下手な甘美的な小説よりも余程妄想に駆り立てられる内容だ。
佐助の「自らの生涯をすべて春琴に捧げる一途さ」。
佐助は死んでも春琴の墓に自らの墓を寄り添わせる。
彼の彼女への尊敬と愛情の美しさを感じずにはいられない。
