最期におひとりさまでもOK。
老いは誰にも避けることができません。また死は必ずだれにでもいずれ訪れます。
日本の介護保険が他国に比べてもとても充実しているので、おひとりさまでも最期は大丈夫。いまの介護制度が後退しなければ心配ないのです。
病院死でなく、認知症になっても在宅ひとり死ができるようになったのは、専門職の支えがある介護保険制度のお蔭です。
だからこそ、おひとりさまは、これを大いに活用していきましょうということなのでしょう。
家庭は、夫婦だけでなく3世代同居のように多人数となると満足度が高くなるようです。
しかし自分だけでなく家族の悩みが多くなってくるので悩み度が上がる傾向があります。ひとりでいるのか夫婦でいるのか、子どもといるのかなどどちらが良いのかどうかの選択は、その人その人それぞれの家庭での考え方次第です。
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わずか10年余で、老後の常識が180度変わりました。「子どもと同居が幸せ」から「同居しないほうが賢明」へ、「おひとりさまがみじめ」から、「おひとりさまは気楽」へ。その「常識」を変えた功績のいくぶんかは、わたしにもあったと思いたいです(笑)
若い頃、「今日の常識は明日の非常識!」そして「今日の非常識は明日の常識!」と言ってきました。そのとおりになったようです。
「わたしには家族がいませんので、基本、ひとりで暮らしています。
現在72歳。このまま人生の下り坂をくだり、要介護認定を受け、
ひとり静かに死んで。ある日、亡くなっているのを発見されたら、
それを『孤独死』とは、呼ばれたくない。それが本書の執筆動機です」 (上野千鶴子)
<目次>
はじめに
第1章 「おひとりさま」で悪いか?
第2章 死へのタブーがなくなった
第3章 施設はもういらない!
第4章 「孤独死」なんて怖くない
第5章 認知症になったら?
第6章 認知症になってよい社会へ
第7章 死の自己決定は可能か?
第8章 介護保険が危ない!
おわりに
1948年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人WAN理事長。京都大学大学院社会学博士課程修了。日本における女性学・ジェンダー研究・介護研究のパイオニアとして活躍
【No.883】在宅ひとり死のススメ 上野千鶴子 文藝春秋(2021/01)
