小説8050 林 真理子 新潮社(2021/04) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

父親の大澤正樹は、歯医者だ。

長男の翔太には、普通の医者になることを小さい頃から強制していた。

長男は、二十歳を超えている。中学でのいじめが原因で7年間引きこもり中。

妻の節子は専業主婦。息子が引きこもりになった責任を仕事にかこつけて妻におしつけていた。

長女の由依の結婚を機に、他人がこの家庭に関わることで状況が動き始めた、

始めは長男の家庭内暴力という波紋から、いじめをしていた当事者3人や周りの傍観者への浪風、そして大澤家族全員の裁判での戦いといった嵐へと変化していった。

 

久々になかなか読み応えのある素晴らしい作品でした。

これは面白くて、昨日の夜中までぶっ通しで一気読みでした。

 

ある家庭の物語ではなく、どこにでも起こるべき当事者として考える問題ではないかと感じています。

 

愛する家族で何か問題が起きたら、他人事ではなく、また妻に任せっきりにするのでもなく、自分自身のこととして考えて直面し悩み、相手に心をぶつけて腹を割って対処していかなければ解決できないことをはっきりと強く心に止めました。

 

391P

「今。全国の、不登校に悩んでいる多くの親御さんに伝えたいことはありませんか」

「子どもと一緒に戦ってください」

あたりを見渡す。そしてゆっくりと繰り返した。自分の声が震えているのがわかったがもう仕方がない。

「子どもを信じて、お前を守ってやれるのは世界中でお父さんとお母さんなんだと言い続けてください。いじめは簡単に解決できることじゃありません。裁判はお金も時間もかかりました。ですが、真実はわかったんです。息子は、自分が悪いわけではなかったと確信を得ました。私たち親子にはそれで充分だったんです……」

 

 <目次>

第一章 はじまり

第二章 苦悩

第三章 決起

第四章 再会

第五章 再生

第六章 裁判

 

1954年山梨県生まれ。「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞、「白蓮れんれん」で柴田錬三郎賞を受賞。

 

【No.881】小説8050 林 真理子 新潮社(2021/04)