【No.782】オムニバス 誉田哲也 光文社(2021/02) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

警視庁刑事部捜査1課殺人犯捜査第11係の姫川班。

姫川班メンバーのそれぞれの視点から日常が描かれる。

随所に小技が効いているオムニバス。

読みごたえのあった事件としては「赤い靴」と「青い腕」だ。

滝野川署の管轄内のアパートで起きた殺人事件。

姫川玲子と日野利美がその応援に駆けつける。

小説家を目指していた同棲相手の男を刺殺したと自首して来た女。

彼女の自供内容は、事件の捜査結果と食い違っていた。

その疑問を解く鍵は、男が書いた過去の小説の中にあった。

背中がゾクゾクしながら読めるような連続した物語となっていた。

 

姫川の人となりを知ることができるところ。

事件に対処する姿勢が一瞬垣間見える箇所を引用した。

161P

ふと隣を見ると、姫川が、物凄い目つきで死体写真を睨んでいた。

少しでも理解を深めようとか、見逃しがないようにとか、もはやそういうレベルではない。よく見て、見つめて見つめて見つめて、なんだったら目から写真の中にヌルヌルと入り込んで、時間も空間も超えて犯行現場に化けて出たい―まで言ったら怖過ぎるけど、でもそれに近いものはある。これはいつものことなので、さほど驚きはしないけれど。

「……主任的には、どうですか、その死体」

そう(日野)利美が声をかけると、ふと我に返ったように、写真から眼を上げる。少しオドオドというか、自分が見られていたことを恥じるような、そんな表情を浮かべる。

 

 <目次>

それが嫌なら無人島

六法全書

正しいストーカー殺人

赤い靴

青い腕

根腐れ

それって読唇術?

 

1969年、東京都生まれ。学習院大学卒。2002年、『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。2003年、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。2006年刊行の『ストロベリーナイト』に始まる“姫川玲子シリーズ”は、現在の警察小説ムーブメントを代表する作品のひとつとして多くの読者を獲得し、映像化も話題となった。