小学生の少女の視点が主にマッサージ店に勤めている早親を語っている。
隣のベッドのカーテン越しの影として、母親が行っている姿や行動をセンシティブに少女が感じている。
少女が理解している簡単な単語で語られているからこそ、彼女の貧困さや悲惨な状況などがひしひしと伝わってきた。
いずれ成長してくると母親の行為がわかってくるのだろう。
金持ちの少女の同級生が出てくるが、彼らは光とするならば、陰の部分がここでは描かれていた。
明るい場所にいる同級生の父親や少女の先生が母親の店に通ってくるなど、光の中にも影と交差する時間があった。
これから少女は影を通じて世の中を知り、光りの情理を知っていくのだろうと推測される。
母親の行く末と今後の少女の成長が気になるというか不安になる感じが残る。
次を読みたくなる文書と前に読み進める文筆力があって、これも僕的には一気読みのお薦め本の一つとなった。
1984年11月9日、東京都生まれ。2001年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。12年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。16年、初小説『祐介』(文藝春秋)を書き下ろしで刊行。他の著書に『苦汁100%』、『苦汁200%』(ともに文藝春秋)、『泣きたくなるほど嬉しい日々に』(KADOKAWA)。千早茜との共著に『犬も食わない』(新潮社)。対談集に『身のある話と、歯に詰まるワタシ』(朝日新聞出版)
