いままで学んできたオーソドックスな理論は、いかに人口増加と資本主義を大前提としていたのかに気づかされました。
貧富の格差の拡大化や中間層の貧困への転落が進むことにより、アメリカのサンダース現象のように社会主義に熱狂している若者が多いといわれています。
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ここで言う「社会主義」という言葉には、一般に流布している社会主義の意味以上のものを込めました。
社会性、すなわち公共性を重視するという意味での「社会主義」です。物質的な豊かさを求めるだけではない。幸福を感じながら暮らせる社会へ。
これからも、資本主義ではない新たな未来を目指しつつ、公共的な社会のあり方を広く議論していく必要があると考えています。
池上彰さんとマルクス経済学の専門家の的場昭弘さんとの対談形式で綴られています。
資本主義や社会主義の過去の歴史を振り返りながら、世界経済の現在、過去、未来をわかりやすく解説しています。
どういう風な方向に進むのか、ぼくには専門的にはわかりませんが、ものの豊かさではなく、以前から言われているようにさらに心の豊かさを求めるようになっていくのではないかと感じています。
<目次>
はじめに 資本主義はどこに向かうのか
第1章 資本主義の限界―格差拡大という難題(資本主義はどこでつまずいたのか、経済格差の行き着く姿―100兆円の学費ローン、古典的資本主義の行き詰まり)
第2章 社会主義の挫折―なぜ格差を解消できなかったのか(上からの社会主義、下からの社会主義、解決できなかった難題―社会主義の欠点、世界各地で社会主義が広がった理由)
第3章 国家主義の台頭―自国ファーストが招く危機(コロナ禍に対応できなかったEU、止まらない自国ファーストの流れ)
第4章 そして、未来へ―われわれは何を選ぶのか(初めての過少消費の世界―経済学の未知の領域、「社会的共通資本」を取り戻す)
おわりに 幸福を感じながら暮らせる社会へ
池上彰
1950年、長野県生まれ。73年にNHK入局。2005年にNHK退職後、フリージャーナリストに。名城大学教授、東京工業大学特命教授。
的場昭弘
1952年、宮崎県生まれ。哲学者、経済学者。神奈川大学副学長。
【No.723】いまこそ「社会主義」混迷する世界を読み解く補助線 池上 彰 的場昭弘 朝日新聞出版(2020/12)
