偏屈だが解剖の腕は超一流の浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授シリーズ。
以前研修医だった栂野真琴も助教となり光崎やキャッシーの色に染まってきています。古手川刑事も相変わらずいい様に光崎に使われいてるけれどすこし存在感が出てきたようです。
コロナ禍の世情をそっくり映しているかのようにしてまずは驚きました。
今回はウイルスではなくて寄生虫が要因でしたが、初動における世間一般の反応の鈍さは今において想像に難くない。
寄生虫のエキノコックスが肝臓がんを引き起こすことを発見した光崎が医者としての信念に基づき行動するミステリーというよりもサスペンスに近い物語です。
感染源がアメリカにあるとわかり真琴とキャッシーが渡米調査するのです。
そこから都議会議員団視察の際に犬を食用した遊興や児童買春、米国の人種差別などの社会問題が表に出てきました。
終わりの真相が簡単に整理できないために、ぼくの読後感は爽快とは言えませんでしたし、急死した前都議会議員の権藤が自分の死と引き換えにしても絶対に守りたい秘密がそれだったのか?ほんと納得しがたい結末でした。
<目次>
一 米の毒
二 蟲の毒
三 職務に潜む毒
四 異国の地の毒
五 人の毒
1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。幅広いジャンルを手がけ、斬新な視点と衝撃的な展開で多くの読者の支持を得ている。「ヒポクラテス」シリーズの第一作『ヒポクラテスの誓い』は第5回日本医療小説大賞の候補作となり、WOWOWにて連続ドラマ化された。ほかの著書に「連続殺人鬼カエル男」「作家刑事毒島」など。
