東京都区内の営業所に配属された新卒女性タクシードライバー「タクジョ」、高間夏子が主人公です。
彼女は、女性客が安心して乗れるタクシーがないのならば自分がタクシードライバーになろう!と考えてタクシー業界に踏み込んだ強い意志がありました。
駕籠抜け(無賃乗車)されたり、あわや強盗!?に遭ったりとトラブルがあり、乗せた客の家電量販店の社長との出遭いもあり。
母親の高山想子と離婚した父親の室山薫平、父の教え子でもある見合い相手の森口鈴央などの周りの人たちとのつながりの中で、自分の仕事と生き方を見つめ自分なりの答えを出していきます。
どう生きていくのか正解はありません。
彼女なりに悩みながらも考え抜いて、ひたむきに走る姿に、じわっと心が動かされました。
本屋大賞第2位に選ばれた感動作の「ひと」と同様に、小野寺史宜さんらしい内容のお話でした。人との触れ合いや家族との繋がりが温かく描かれています。
<目次>
十月の羽田
十一月の神田
十二月の五反田
一月の早稲田
二月の町田
三月の江古田
1968年、千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞。08年、ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作、『ROCKER』(ポプラ社)で単行本デビュー。『ひと』(祥伝社)が2019年本屋大賞第2位。
