山笑う、山粧う、山眠るというような擬人化のほか、草いきれ、花野、春隣、黄昏、虫時雨、星月夜、朧月、淡雪、風花などの名は体を表すような素晴らしい大和言葉があります。
このような訓読みは、情景が目に浮かぶよい響きです。
古くから使われている日本固有の大和言葉は、日本人の歴史や文化などの叡智が組み込まれていると思います。
例えば、努力、精励、尽力よりも「努める」「励む」「力を尽くす」を使うほうが柔らかい印象を与えて、奥ゆかしい人柄や人間の深みが感じさせられます。
本来の言葉の意味を知ることによって、無意識で過ごしてきた春夏秋冬の変化に敏感になり生活に潤いや彩りが出てきます。
より豊かな生活を見出して人生を楽しめるようになるものと思います。
挿入されている写真は、色とりどりで華がありあでやかです。
まるで自分がそこで見ているかのようにして、本物の景色に吸い込まれるようにこころが癒されました。
<目次>
はじめに
徒桜
麗らか
朧月
霞
陽炎
のどか
初蝶
東風
山笑う
猫の恋 ほか
おわりに
著者プロフィール・参考文献
フォトグラファー一覧
国語教師。NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語に関わる仕事多数。航空会社などで言葉遣いや文章術の研修も担当する。著書『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(エイ出版社)など。東京大学教養学部卒。
